三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

ミクロの決死圏

 今日の熊本は快晴の一日で、朝から暑さが戻っています。台風は新たに14号が発生し、この台風の進路が九州に影響を与えそうで心配しています。
 予報では19日の朝方に九州の西海上に接近しそうで、このルートが熊本に最も影響が大きいからです。

(ハワイの警報センターの発表した予報なので、時刻表記が日本時間と9時間違います)


 今のところ接近時の予想勢力は975hPaとなっていて、950hPa以下のヤバい台風では無さそうですが、ルートが台風のスピードと風の向きが合わさる天草灘コースとなるため、風は強くなりがちです。


 台風は毎年のように日本に上陸もしくは接近するものですが、映画「ゴジラ」もこの台風接近をイメージして製作されたようです。
 第1作は1954年11月の公開ですが、私が生まれた年でもあり、映画の中のゴジラも私も同じような年月を過ごしてきたものです。


 ちょうど前年の1953年に当時のソ連が水爆の実験に成功し、1954年3月に米国がビキニ環礁で実用兵器としての水爆実験に成功していて、日本の第五福竜丸がいわゆる「死の灰」を浴びて放射線を被ばくし、後に乗組員が死亡するという被害があっています。


(当時のポスターにも「水爆」大怪獣映画とあります)


 そんな世相の中で制作された映画「ゴジラ」は、核実験の影響で古代の恐竜が目覚めて変異したというモチーフですが、南方の島から日本めがけてゴジラが襲来する発想は、台風被害に毎年悩まされる日本だからこそなのかもしれません。


 私は、9日にカテーテル治療により冠動脈へステント挿入を受けましたが、手術室では目の前に大きな白い機械が迫っていました。
 血管内を動くカテーテルの様子をモニターするX線撮影用の機械だったようですが、放射線はこうした体内の様子を見るには必須のもので、制御できれば人間に有用なものであるものの、使い方を間違えると脅威になるものです。


 話は少し飛びますが、手術台に横たわり、カテーテルが体内に挿入されている際に、私の頭の中に生まれたことが、まるで「ミクロの決死圏」のような治療だなという感想です。


 「ミクロの決死圏」(原題「Fantastic Voyage」)は、1966年製作の米国SF特撮映画で、日本公開は同年の9月ですが、以前は民放テレビに洋画劇場的な番組が多く、この「ミクロの決死圏」も1973年から民放各局で何度か放映されています。


 映画のあらすじは、アメリカ亡命の直後に襲撃され脳内出血となり、外科手術が不可能となった要人を救うため、医療チームを潜水艦ごとミクロ化し、体内に送り込んで手術するという荒唐無稽な内容ですが、映画の最後で将来の医療・科学の進歩を予測して当時の技術やアイデアを取り入れたとあり、形は若干違えど血管内をカテーテルが挿入されて治療に向かう様子は「ミクロの決死圏」と同じであり、56年前にすでに同様のアイデアはあっていたということです。


 ちなみに、1948年10月に発表された手塚治虫の漫画に、主人公の叔父が発明した身体を縮小する薬によって小さくなり、病気の少年の体内に入って結核菌と脳司令部による戦いに巻き込まれるという内容のものがあり、医専を卒業して医師国家資格を得ていた手塚治虫らしい、医学的見地からのテーマを米国の映画会社がパクったものが「ミクロの決死圏」だとも言われています。


 今日は台風の進路を見ながら、ふと思いついたことを徒然なるままに書いてみました。