三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

テレビ中継の演出は許されるのか?

 LPGAツアーの「第50回デサントレディース東海クラッシック」の最終日のテレビ中継は、地上波のフジテレビ系列で16時過ぎから録画中継で始まりました。


 私はネットによるLPGAのスコア速報で小橋絵利子プロの結果を追っていたのですが、ある時期から「ご覧のリアルタイム速報は、本日のテレビ放送終了まで停止させていただきます。ご了承下さい。」と出て更新が止まってしまいます。
 スポーツ中継の放送を見る前に結果が分かってしまうのは興ざめになるということで、これは理解できるものです。


 しかし、テレビ中継を見ていて、同時刻になかったプレーをさも同時にやっているようなテレビ局の演出に対し、疑問を感じてしまいます。


 たまたま人気沸騰中の渋野日向子プロが単独トップに立ったため、視聴者の興味を増すために、さも同時進行で戦っているように演出したのですが、以前も人気絶頂の宮里藍プロの試合で同じようなことをやってテレビ局は批判を浴びたはずです。


 テレビでは、まず渋野日向子プロがトップに立っていることを紹介し、16番パー3でチップインバーディーをゲットした場面を放送していましたが、2位にいる申ジエプロは14番でプレー中という演出でした。


 実は渋野プロは7時40分スタートの第9組で、最終組の申ジエプロやテレサループロのスタートとは1時間10分も早いスタートだったのです。
 女子プロの1組毎のスタート間隔は10分であり、ほぼ1ホールに1組がいるようなペースで最初は進行します。
 つまり70分も離れていれば、少なくても5ホールは空いているはずで、現にLPGAの速報が止まった時点では、渋野プロは13アンダーでホールアウトしていて、申ジエプロやテレサループロは13番を終わっているように表示されています。

(この内容で速報の更新は止まりました。この時点で渋野プロは既にホールアウトしていて、最終組の申ジエやテレサ・ルーの各プロは13番を終わっていました)


 ところがテレビ画面では、渋野プロが18番プレー中で、申ジエプロは15番でプレー中になっていました。
 上の速報を見ればおかしいことは一目瞭然であり、最終組の15番プレー時点では、渋野プロのプレーはすでに終わっていたのです。


(このスコア表示はそれぞれの時点では間違いではないものの、同じ時間軸としてみると不正確なものです)


 さも、同時進行で戦っているように脚色されていた理由は、たまたま人気者の渋野プロが前日までのスコアが悪くて下位スタートだったのにも関わらず、最終日の猛チャージがあったためで、テレビ局としてはこれを視聴率向上に生かさない手はないという考えになったのは想像に難くないものです。


 画面のプレー自体は本物でも、優勝争いは時間差が大きく、渋野プロは後続組の結果をクラブハウスで1時間以上も待つというクラブハウスリーダーだったのです。
 見世物としては面白い展開ですが、実際は渋野プロは1時間も前にプレーを終わっているのに、テレビ局の脚色により、途中の時間を端折ったことは、果たしてスポーツ中継として許される行為なのでしょうか?


 確かにゴルフ中継は、同時刻に別の離れた場所でも同時進行でプレーが行われるため、すべてを中継するために時間差を録画で補正して中継することはあります。
 これ自体は仕方ないことだと私は思っていて、1~2分の時間の調整程度ならまだ許せるものです。
 ときどきPGAの中継などでも、他のホールの歓声が聞こえてからその場面に切り替わることがあり、同時進行でプレーが行われるというゴルフ中継の難しさも理解できます。


 結果は、渋野プロの大逆転劇に終わり、テレビ局としては万々歳でしょうが、こうした脚色を入れられると、画面で見たものが本当に真実か疑いをもってしまします。
 テレビは真実を伝えないことを、自ら公表しているようなもので、結局は視聴者に「マスコミは真実を放送していないんでは?」と疑われる原因になるのです。


 楽しめばよいという考えもあるでしょうが、スポーツに脚色を入れて偽りとはいえないまでもそれに近い作られた闘いを中継するのは、視聴者を馬鹿にする行為だと私は思っています。


 ちなみに応援している小橋絵利子プロは、残り3ホールはパープレーで回り、通算9アンダーで9位タイというフィニッシュでした。
 これで賞金を153万円あまり加算して賞金獲得額が1千万円を超え、後半戦の出場資格になるリランキングでは25位に上がり、かなり展望が拓けてきたようです。
 小橋プロの応援ブログなのに、余計なことを書いてしまったのかもしれません。