三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

不思議な緊急事態宣言対象地の決定

 昨日、政府は緊急事態宣言追加の発出を行いましたが、なぜか自治体から要請の無かった福岡県を含めたのに、自治体が要請を希望していた熊本県などは外されました。
 マスコミ報道によると、福岡県知事は昨日まで「まだ緊急事態宣言発出の時期でない」と考えていて、熊本県などの九州各県が共同で緊急事態宣言発出を政府に要請しようとしたスクラムの輪の中に入ろうとしていなかった県になります。


 しかし、西村経済再生大臣は福岡県知事に電話して「これが最後の発出だから」と脅しをかけ、それにより様子見していた福岡県知事もしぶしぶ発出に同意した模様です。


 政府からはこれまで「地域の実情は各自治体が把握しているはずで、その意見を尊重する」ような意見が聞かれていました。
 しかし、小池東京都知事のパフォーマンスによって首都圏の一都3県への緊急事態宣言発出が、自治体からの強い要請によって政府が重い腰を上げたという図式になってしまったことが、総理の「先手先手」という言葉と不一致だと非難を浴びてしまいます。


 それを打ち消すために、馬鹿な大臣が「政府主導の緊急事態宣言発出」を演出しようと考えたのは当然で、それは要請の無い福岡を含めたことで「政府側が主体的に行う」という脚本作りを行ったことは想像に難くないところです。


 そんな芝居をぶち壊したのが総理の対象県の言い間違いで、総理の頭の中に「福岡」という意識がなく、福岡を「静岡」と読み間違えるというケアレスミスを行ったのですが、それをすぐに指摘できない側近がいないことが現在の「物言えぬ」状況を端的に表しています。


 熊本県は緊急事態宣言の対象地域から外れたのを受け、すぐに蒲島県知事は熊本県独自の緊急事態宣言を行いました。
 それまで副知事が「口だけだったらいつでもできる」と批判していた宣言に当たりますが、これから見ても知事は宣言を政府に要請して出してもらいたかったのに、結果的にそれを阻む勢力があったことを示しています。


 ここ数日の動きを纏めると


10日 大西熊本市長が県に緊急事態宣言の発出を政府に要請するように電話で県知事に要請
11日 蒲島熊本県知事が対策会議で「発出要請を検討する時期に来ている」と発言
11日 木村副知事「熊本市はそうおっしゃいますが、熊本県と隣接している県の感染が収まらない限り熊本県が単独でやったところで効果は薄い」
12日 木村副知事「(発令を)要請するのであれば(九州各県で)連携する要請に向けて情報交換している」
 「(緊急事態宣言を)口で言うだけだったら県でも今すぐにできる。効果があることをしなければとの思いがある。そのためには九州各県が連携してやる」
12日 蒲島知事が電話で西村大臣と会談する。その中で都道府県からの要請がなくても対象区域となる可能性があると伝えられたということで、いつ国の緊急事態宣言の対象区域になってもおかしくないと知事が危機感を示す。
13日 政府の緊急事態宣言に福岡は含まれるも熊本は外れる
13日 蒲島知事「県独自の緊急事態宣言」を行う


 地元放送局のニュースだけでの情報ですが、この流れから見ると、蒲島知事は緊急事態宣言発出を政府に要請したいという「思い」があることが窺えます。
 それは大西熊本市長から熊本市の医療体制の逼迫状況を理由にした緊急事態宣言の要請を受けたためで、蒲島知事にも熊本県とくに熊本市が危機的状況にあるという認識があるためです。


 しかし、ここで総務省から出向中の副知事から待ったがかかります。現副知事は昨年の都知事選に出馬した元副知事の後任として9月に着任したばかりですが、中央とのパイプがあるという理由で選任されたものの、パイプがあるということはいわゆるスパイ的な存在でもあるということです。


 ここからは推測ですが、熊本市長が危機的状況として緊急事態宣言の発出を県に政府に働きかけるよう要望し、知事が「その時期に来ている」という発言を受けて、副知事が何らかのアクションを政府側に起こしたことは間違いないところです。


 しかし、政府側からは東京都知事のパフォーマンスにやられたという意識があるため、地方からの要望で非常事態宣言をなし崩しに発出することだけは避けたいという思いがあり、ブレーキをかけたことはその後の動きでも明白です。
 つまり副知事が「九州各県と連携」に拘ったこと自体は私も同意するところでしたが、その時点では緊急事態宣言の発出を希望しない福岡県の存在があるため、すぐに九州各県が一致して纏まらないことは政府側の思惑内だったのでしょう。


 12日になって蒲島県知事は西村大臣と電話会談し、大臣から「都道府県から要請がなくても対象区域になる可能性がある」と言われ、知事としては熊本県も対象地域になるかもしれないと危機感を強めたと報道にあります。
 つまり、自分が要請をしなくても国から指定されるかもしれないと期待したものです。


 しかし13日になって分かったことが、緊急事態宣言発出の追加に熊本県は入らず、希望しない福岡県が入ることで、西村大臣の言った「要請しなくても対象地域に入る」という意味が、電話先の蒲島知事に向かってのものではないことが判明してしまいます。
 国の緊急事態宣言発出対象に熊本県も入るものと思っていた蒲島知事は当てが外れ、独自に宣言を出す運びになったというのが真相ではということです。


 つまり、政府は中央官庁からの出向者の副知事を使って熊本県の動きをコントロールし、学者上がりの知事を騙し、結果的には地方の悲鳴を踏みにじったものだということです。


 私は緊急事態宣言そのものの効果については懐疑的ですが、状況が悪化の一途の中ではしないよりした方が県民の意識の上でも必要だと思っています。
 現に、私の周りでも11日のコンペの後に新年会を行っていたようで、私は最初から参加していませんが、募集の中に「時短要請中だけどお店のドアのカギを締めていれば何時までもOK」という書き込みまであるほどで、県民の意識を引き締めるだけでも緊急事態宣言は一定の効果があるのではと思っています。