三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

熊本県の新型コロナ対策も忖度が働く?

 1月11日、熊本県知事が熊本市長の要請を受けて、国に新型コロナ対策で「緊急非常事態宣言の要請を検討する時期に来ている」と記者会見で発言しました。



 これは前日に熊本市長が記者会見で行った「医療提供体制が逼迫している状況」という理由で県に緊急事態宣言を求めたものに呼応したものと受け止めていました。
 これは市と県が連携が上手くいっているという安心感を市民・県民に与えるものです。


(1月10日の熊本市長の会見)


 九州各県(8県)は、全国的に見ても10万人当たりの陽性者数の割合が多く、上位10都道府県の中に4県(宮崎・福岡・沖縄・熊本)が入っていて、16位にも長崎県が入っている第三波の真っただ中の状況です。

(ヤフーの新型コロナ情報にある熊本県の状況。感染者が右肩上がりの状況です)


 会見で県知事は、「熊本県独自で国に緊急事態宣言発出を要請しても効果が少ない」とも説明していて、九州各県と連携を取って一致して要請を行うようなものでした。
 この会見に対して、ネットでは「地方の知事は頑張っている」「独自に要請すればよいのに」など評価や意見が見られましたが、私は知事の姿勢に共感したところです。


 それは、九州の特徴として(沖縄県は別ですが)中心地はまさしく福岡県であり、福岡を一緒に巻き込まなければ県独自に対策を取っても効果が少ないのは誰でも分かるところです。
 熊本駅から博多駅まで新幹線で40分余りという近さ、高速バス利用だと2千円で福岡の中心地である天神までノンストップで行ける利便性があり、商業施設は他の九州他県とは段違いの規模であることは、他県がいくら対抗心を湧き立ててもどうしようもない現実だということです。


 つまり熊本県知事の「他県と連携」とは福岡が入らなければ無意味だということで、福岡以外の他県と協調して九州全体を非常事態宣言対象地にしたいという思いだと私は受け止めました。



 政府はずっと非常事態宣言発出には消極的でしたが、7日になって関係知事の要請に応じて東京を中心とした一都三県に非常事態宣言を発出したところです。
 その後、大阪周辺や東海地方にも発出されるようなニュースが流れていましたが、その中に福岡も含まれていたのを私は気づきませんでした。


 今日になって、地方紙でそのことが記事になり、私は「んっ?」と思ったものです。



 これまで熊本県は発出要請に積極的な県だとばかり思っていましたが、なぜか発出要請の壁になっていたはずの福岡県が先駆けて対象になるということは、どうやら熊本県の対応が本当は違っているのではという疑念を持っています。


 これまでは「福岡が非常事態宣言発出を希望していないから、熊本は独自には行わない」ような雰囲気があり、さも「要請の障壁になっているのは福岡だ」というイメージが作られていました。


 それが県知事の姿が見えなくなり、前面に副知事が出てきてから雰囲気が変わったと感じはじめました。


 副知事が「緊急事態宣言を口だけで言うならすぐできる」という趣旨の発言をしていて、これは熊本市長の要請を拒否したり、知事の記者会見での発言を軌道修正したものだと受け止めています。
 まるで「緊急事態宣言」など実効性のない形式的なものだという政府の考えを代弁するような意見に感じます。


 副知事は総務省からの出向者で、政府とのパイプがあるという理由で今年になって消防庁から副知事に転身した人物です。
 まさか政府の緊急事態宣言への消極的態度を忖度して、熊本県知事にブレーキをかけたのではないかと感じたところです。


 熊本市は「待ったなし」の状況に陥っているのに、それを県に要請しても最高権力者の知事の意向を差し置いて、国の意向を忖度するという図式が熊本で行われていないことを望むばかりです。