三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

右では右腕を畳み、左では左腕を畳む意識

 アッという間に今年も押し詰まり、今日は12月30日の「晦日(みそか)」で、明日31日が「大晦日」になります。


 ちなみに、「晦日」とは月の30日目を示すもので、「みそか」と呼ぶのは、三十歳を表す「三十路」を「みそじ」と読むことと同様で、三十日=「晦日」であり三十日=「みそか」だから「晦日」=「みそか」と呼ぶようになったようです。


 年齢を重ねると月日の経過は早く感じられるもので、これを「光陰矢の如し」と表現するのは、高速で放たれた矢はあっという間に過ぎ去り、決して戻ることはないためで、月日も同様であるという意味になります。


 俳聖 松尾芭蕉は「奥の細道」の冒頭で、「月日は百代の過客にして、行き交ふ年もまた旅人なり」と中国の詩人である李白の言葉を使って人生を旅人に例えています。
 人生では様々な場面で岐路があり、振り返れば一本道ですが、「もし、あの場面で別の道を選択していたら」とは誰でも思うことで、そうやって振り返る場面が多くなって来る頃は、すでに人生の終わりが近づいた証と言えるのかもしれません。


 さて、今日はゴルフスイングの中での勘違いを昨日に続いて書いてみることにします。この勘違いだと思っていること自体が私の勘違いかもしれず、ゴルフは人生と同じで先が見えず、どこまで経っても正解にたどり着けないから、興味を引き付けられるのかもしれません。


 ゴルフスイングは、アドレスからバックスイングをスタートし、トップの切り返しからダウンスイングに移り、インパクトを迎えた後はフォロースイングに移行するものです。


 よくスイングの際に「腕を伸ばした方が良い」と言われるのは、スイングアークを大きくするためでしょうが、これは両腕が曲がったままでスイングするアマチュアが多いため、そうしたアマチュアに向けてのアドバイスになるものです。
 しかし、このアドバイスが間違った方向にアマチュアを誘導してしまうことも多いのが事実です。
  

  

(ありがちなアマチュアゴルファーのスイング。腰は切れず、両腕が曲がるインパクト)


 その最たるものが、「腕を伸ばすこと」を「両腕を伸ばす」という勘違いを引き起こすもので、確かにプロのインパクトの瞬間を写した画像では、両腕が共に伸びた形になっていて、そこだけを真似しようとするアマチュアは案外多いものです。


 しかし、単純に両腕を伸ばそうとするとアウトサイドに振り出してしまうリスクがあり、これは左サイドでは身体の幅だけ右腕の長さが足りなくなるためで、両腕を伸ばしてフォローに向かうためには身体の左前方になるアウトサイドに上げるしかないためです。
 これを防ぐのが「腰の切れ」でインパクトを迎える寸前に「左腰を一瞬先に開くこと」を意味し、この腰をクイッと切る動きでヘッドスピードもわずかに上がることになります。


 つまり、両腕だけ伸ばそうとすると左サイドでは飛球線外側にヘッドが上げる動きしかできないけど、腰を先に開いていればヘッドは飛球線上を通ることになるのです。


 アドレスを考えてみれば分かるように、両腕を伸ばしたままではグリップは出来ないもので、それはグリップを持つ位置が右手側が遠く左手側が近いためですが、一般的にアドレスを右に傾くことで調整します。

(黄色の線は肩のラインを赤の線は腕の曲げを示しています。アドレスでは左右の腕の長さの違いから肩の線は右肩下がりにならざるを得ません。テークバックでは右腕が曲がってトップに向かい、フォローでは反対に左腕が曲がることが分かります)


 上のPGAツアープロのスイングを見ると、バックスイングでは左腕は伸びますが、その分右腕は畳まれます。
 右腕は曲がったままインパクトに向かい、インパクト後に一瞬だけ両腕は伸びますが、これは遠心力がかかるヘッドに引っ張られる現象であり、フォロースイング以降は左腕を畳みながらフィニッシュに向かっています。


 つまり、意識して両腕を伸ばしているのではなく、結果として一瞬だけ伸びているもので、インパクト前から左腰を切り、右肩と左肩の位置が変わるほど上体を回転してスイングをしていることが分かります。


 アマチュアが間違いやすいところですが、この腰の切れと肩の回転があって初めてヘッドは真っすぐ動くもので、単に両腕だけ伸ばすことを真似してもアウトサイドにヘッドが動きスライスする結果を招くだけです。


 フォローでは右サイドとは違って、左腕を畳まないとヘッドが身体に巻き付くようには回らないもので、意識の上では両腕を伸ばす意識などなく、単に左側に左腕を畳みながらしっかり腰や肩が時間差(腰⇒腕⇒肩の順)で回転しているものです。

(インパクト以降は左腕を曲げながらフィニッシュに向かっています。腰はインパクト前に既に開くもので、この身体の動きが強い当たりを生み出します)


 上の画像の右から2つ目のように「両腕を伸ばした静止画」は一瞬を切り取ったもので、ビデオなどでもこのインパクト以降は一瞬の動きになり分かりづらいものですが、アマチュアは腕を伸ばそうなどと思わず、インパクト以降では左腕を積極的に畳む意識を持つ方がよりスムースにフィニッシュまで持って行けるはずです。


 フィギアスケートのスピンでは両手を抱え込むことで回転を増しますが、ゴルフスイングでもフィニッシュへ向かう際は身体を回転するために左腕を畳むことを意識した方がよく、それが出来れば遠心力によるヘッドの重みで腕は引っ張られ、両腕は勝手に伸びるものです。


 昨日の日記にも書きましたが、ゴルフはイメージとは真逆のことをしなければならないから難しいのであり、スイングアークを大きくしたい(腕を伸ばしたい)のであれば、右サイドでは右腕を左サイドでは左腕を畳む意識が重要なのです。