鉄人のスイング
「鉄人」とは私が1人予約で知り合った79歳の老ゴルファーのことです。
私のブログには「アプローチの達人=71歳」、「流離のゴルファー=73歳」、「指宿のチャンピオン=69歳」という年齢の高いゴルファーがそれぞれ登場しますが、鉄人はその中でも一番の高齢者です。
高齢者ゴルファーの共通する特徴は飛距離が出なくなったことですが、この4人にはそのマイナス要因をどう解消してゴルフに取り組むかという方向性の違いがあります。
この4人を大雑把に分けると「達人・チャンピオン」グループと「鉄人・流離」グループに分類されますが、達人グループは「スコアは飛距離ではなくショートゲーム」という考え方で、鉄人グループは「ゴルフは飛距離」という考え方なのが面白いところです。
達人にしてもチャンピオンにしても、ドライバーショットは200yにランを含めてやっと届くか届かない程度ですが、ほぼフェアウェーキープをしてセカンドをウッドでグリーンに近づけ、巧みなショートゲームでパーを量産されます。
スコアは打っても80台前半で、時にはパープレーもするようなレベルになっていて、チャンピオンは所属コースで何度もその名のとおりチャンピオンになっているような方です。
対して、「鉄人」や「流離のゴルファー」はいまだにショットなどの技術を追い求め、日夜、研究や練習に励んでいますが、70台のスコアはおろか80台後半のスコアに留まっています。
流離のゴルファーは鉄人とは違い、独特の考え方で飛距離アップやスコアアップの研究をされていますが、あまりの独特な理論のため、他人が参考にするのはちょっと無理かなと思うものです。
しかし、その考え方には一理あることもあり、全く無視するわけではありません。
例えばパットの際に両足を極端に内股にされますが、左の壁を作ろうという意識は参考になるところです。
鉄人は、4人の中で一番オーソドックスな思考の元で、ゴルフのスコアアップを目指されています。
来年早々に80歳を迎えるという身にかかわらず、今でも練習場で300球ほど打っているようで、出会った2~3年前はドライバーショットの練習だけで500球も打っていると言っていて、それを聞いてまさしく「鉄人」だと思い、あだ名を付けた理由がそこなのです。
79歳の高齢でもショットに拘っていて、そこそこの当たりでは納得されないことが多く、ナイスショットと思われるショットでも「擦っちゃった!」とか「当たりがイマイチ」などと呟かれるのです。
飛距離を伸ばすことがスコアアップに繋がるというゴルフマスコミの嘘に洗脳されている典型的なアマチュアゴルファーのようで、プロのようにパーオンしてバーディーパットが打てなければ、70台のスコアは出せないと考えていたようです。
最近では、刻んでもパーが取れることがだんだんと理解されてきたようで、そのために必要な技術が何なのかを理解し、練習場の300球のうち9鉄のショット練習に数多く励んでいると言っていました。
それでも後半にスコアが崩れてくると、以前の考えに戻ってしまう傾向がみられ、「スコアメークは我慢」だという点がまだまだ未熟なようです。
鉄人のドライバーショットを動画に撮影し、LINEで本人に送りましたが、ここでは動画ではなく静止画でアップしてみます。
あと1か月少しで満80歳になる老ゴルファーのドライバーショットですが、230yほど飛んでこの時も10y以上はオーバードライブされていました。
これがもうすぐ80歳になるかというアマチュアゴルファーのスイングです。さすがにフィニッシュで身体が回り切れずにいますが、年齢を考えれば十分に凄いと言えるスイングだと思います。
それでも80切りはおろか90叩きをされていて、その結果を見てもスコアメイクに飛距離は無関係だということが明らかです。
この画像は別のホールでのティーショットの様子です。ショット練習の成果が良く表れていて、この年齢でこれ以上は望むべくものではありません。
結局、鉄人が目標の「エージシューター」の仲間入りするために必要なものは、ラウンド経験を増やし現場での対応力を高めるだけなのです。