三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

上級者ゴルファーの真実

 今日は日曜日ですが、最近シャンクが出るようになり、赤水のメンバー競技への参加は見送り休養日に当てています。


 昨日の記事で平均スコア80台を目指すためには、ドライバーショットの飛距離は200y程度でよく、それ以上の飛距離を望めば逆にスコアを崩すことに繋がりかねないと書きました。


 この記事を読んでくれた方は「そんなバカな! 飛距離を伸ばさないとスコアは伸びない」と疑っていることだと思います。


 そんな方々の反論は「飛距離が出なければパーオンが難しく、バーディーが獲れないでしょ!」というものですが、果たして平均スコア80台のゴルフにバーディーが必要でしょうか?


 もし、そう思っている方は平均スコア70台の方は別として、自分のゴルフを振り返ってみればよく分かるはずです。
 1ラウンドでいくつバーディーが獲れているかということであり、またそのバーディーが狙って獲れたのかということです。


 平均スコア80台のゴルファーのラウンドでは、バーディーとは「たまたま入った」という現象であり、普段は1ラウンドでのバーディーは1個もあれば上出来で、全くないことのほうが普通なのです。


 世の中のアマチュアゴルファーは勘違いしていることが多いのですが、その筆頭格は「バーディーを獲るのがゴルフだから飛距離を伸ばすことは絶対条件」という考え方です。
 この考え方をスコア90切りができないゴルファーが持っている限り、まず平均スコア80台のゴルファーにステップアップすることはないのです。


 私の知り合いに「アプローチの達人」と「指宿のチャンピオン」とあだ名した2人の老ゴルファーがいます。
 達人は71歳になり飛距離が出ませんが、毎回スコア77前後でラウンドしています。指宿のチャンピオンは68歳で、達人同様に飛距離は全くない方ですが、所属のコースでシニア選手権やマッチプレーの理事長杯で複数回も優勝を果たしている方です。


 2人に共通していることは「ドライバーショットの飛距離が出ない」こともそうですが、その安定性も同様に高いのです。
 OBを打つことは皆無で、ほぼフェアウェーキープをしますが、その理由は「飛ばないから曲がらない」という点に尽きます。


 大きくスライスやフックするということは、余計なサイドスピンがかかっていることであり、速いスイングスピードであればあるほど曲がりが大きくなっていきます。


 もし、身近に女性ゴルファーがいればよく観察してみることです。
 女性は一般的に男性に比べて飛距離が出ません。それはスイングスピードが遅いという理由からですが、きちんと当たっても曲がりがほとんどないはずです。


 女性のミスは正確にフェース面に当たっていない場合だけであり、男性ゴルファーのようにバナナスライスやチーピンなどは打ちたくても打てないのが女性ゴルファーです。


 つまり男性が飛距離を伸ばそうとスイングスピードを速める練習をすればするほど、曲がりが大きくなってしまい、結果的にはスコアロスに繋がるミスを多発するという皮肉な状況になりがちです。
 だったら、女性のように力のないスイングでショットをすれば、飛ばなくても曲がりが発生せず、結果的に平均飛距離は伸びるのです。


 他人より飛距離が出るゴルファーは持って生まれた素質ですが、その力をセーブして打てるショットを練習しなければ宝の持ち腐れになります。
 250yのショットを打てる力があるのであれば、220yを常に打つような意識で打てれば曲がりが発生しにくく、OBのリスクを軽減できます。


 つまり飛距離が出るゴルファーは最大飛距離を求める練習ではなく、飛距離を抑えてスイングする練習が必要だということです。
 ゴルフはプレーヤーが望む結果と真逆のことをしなければ、結果がでないという不思議なスポーツです。
 アベレージゴルファーは、球を上げたいと思うから掬い打ちになって結果的にダフッたりトップしたりして期待外れの結果になるし、右に打ちたくないと思うから左を向いて力んで余計にサイドスピンがかかってバナナスライスになってしまうのです。


 飛距離を欲張れば結果的に飛距離をロスするし、スコアを欲張ればスコアをロスするのがゴルフという天邪鬼な競技の特性なのです。


 スコアを纏められるゴルファーを上級者と呼ぶのであれば、上級者はそんなゴルフの皮肉な特性に合わせたプレーをしているだけなのです。


 以前「指宿のチャンピオン」に「セカンドでグリーンを狙う場合のクラブ選択はどうしていますか?」と尋ねたことがあり、その返事は「グリーンに届かないクラブを選ぶ」と驚くべき答えだったのです。
 つまり無理にグリーンを狙わないからバンカーインや左右からの難しいアプローチが残らず、花道からの寄せ1狙いに徹する考えのようで、時には手前を狙ったショットが転がってパーオンすることもあるからと言っていました。


 「指宿のチャンピオン」を評して「マムシ」と言っていたのは「流離のゴルファー」ですが、グリーン周りに運んで寄せ1を量産することでマッチプレーの相手の気持ちをへし折ることを楽しんでいるような嫌な相手だという意味です。


 私も何度か勝負したことがあり、最初の頃は1打目の飛距離で3~50yも違って内心では「楽勝だ」と思いましたが、セカンドでグリーン近くに運ばれ、「ピンに付けなければ」というプレッシャーをかけられ、結果的にグリーンを外すと先にピタリと寄せられてまたプレッシャーをかけられるというきつい展開になったことを思い出します。


 何度も負かされて、やっとプレッシャーを勝手に感じる自分が悪いのだと気づき、グリーンのどこにでもパーオンさえしておけば、相手へ逆に「アプローチを寄せなければ」というプレッシャーをかけられることが分かり、それに気づいた以降はほぼ負けることがなくなりました。


 一般ゴルファーが上達のための道筋を間違った方向に求めるのは、ゴルフマスコミのミスリードが理由だと思っています。
 プロのようなレベルを目指すのであれば別ですが、平均スコア80台のゴルフであれば、スイングプレーンを気にしたり飛距離アップを目指す練習をしなくても、誰でも今のままのレベルのままで、そう難しいことではないのです。


 飛距離を今より落とす、パーオンを狙わず手前に運ぶことは誰もが練習している方向とは真逆のはずです。
 そうした敢えて真逆のことを理解できたゴルファーが周囲から上級者と呼ばれる存在になっていくのです。


 次の日記では、平均スコア70台のゴルフを目指す道筋を書いてみようと思います。