三重苦ゴルファーの日記

68歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

三浦桃香選手は最終日に大崩れ

(手に入れたサインボール。左から大城さつきプロ・Oサタヤプロだが右端は不明。めぐみプロは木戸愛プロと高橋恵プロがいるが、どちらも球はダンロップ契約なのでわからない。)


KKT杯バンテリンレディスは最終日が行われ、プロ6年目の比嘉真美子プロが逆転でツアー4勝目を挙げました。

(ボランティアのパーティーに来て挨拶する比嘉プロ。優勝おめでとうございます。遅くまで残ってくれて、お疲れさまでした。)


比嘉プロは最終日に6アンダー66を出して、前日の12位タイから一気に首位に踊りだし、前日首位の成田美寿々プロが最終ホールでバーディーを取ったものの、1打及ばず逃げ切りを果たしました。

(最終日の組み合わせ表。これをもって業務に当たります。画像には映ってませんが、右の注目選手3人の中に三浦選手も紹介されていました。)


私が注目していた三浦桃香選手は、アクサレディスと同じように最終日に大崩れし、前半のアウトは2ボギー1ダボの40、後半のインも3ボギーの39のトータル79の大叩きで、前日の5位タイから一気に34位タイまで落ちてしまいました。


最終日は初日と同じ1番ホールのフォアキャディーをしていましたが、スタートホールではそんなに緊張感も見られず、そこそこのショットを放っていたようですが、ノーバーディーという結果からも、ショットが乱れたようです。


最終18番も見ていましたが、昨日とは違ってティーショットを右ラフに打ち、セカンドは刻むショットをミスし、長い距離をどうにかカラーまで運んでパーセーブになりましたが、昨日の切れの良いショットは見れずじまいでした。


まだプロテストにも通っていない19歳になったばかりの新人ですが、飛距離が出るという強みは反面、トラブルになりやすいというもろ刃の剣ともいえます。


好調なショットが出ているうちは、爆発的なスコアを出せますが、ショットが曲がるとリカバリーが空港CCのような林間コースでは大変になります。


昨年のプロテストでも初日に75というスコアを叩き、2日目からは70・70・72と安定したスコアを出しましたが、結果的に合格に1打及ばず、初日のスコアが悔やまれることになりました。
しかし、そんなゴルフがもしかしたら三浦選手の持ち味なのかもしれません。


観衆をハラハラドキドキさせながら、最後はスーパーショットを放って勝つという筋書きが可能な選手です。
プロである以上、ファンに魅せるゴルフをするべきで、その意味では最終日の最終組ではやや物足りない選択がありました。


先に比嘉プロが6アンダーで上がっていて、最終組の成田プロは16番で痛恨のボギーを叩き4アンダーに後退している状況でした。
最終18番は470yほどの2オン可能なパー5で、グリーンの左手前には池があり、セカンドでどう攻めるかプレーヤーの判断が分かれるところです。


成田プロは、2オン可能なフェアウェーでしたが、ややアゲインストの風が吹いていました。
同様な場所から、それ以前の組で柏原プロが林に打ち込んで刻んだ後の3打目をウッドで狙い、結果的にはグリーン手前の傾斜で戻されて池に入れています。


成田プロはそれなりの飛ばし屋でもあり、2打差で追う状況であれば、チャレンジしてほしい状況で、周りで見ていたファンもそれを望んでいました。
しかし成田プロはレイアップを選択し、池の手前にアイアンで刻んで、結果的にはバーディーを取りましたが、刻みを選択した時点で見ていたファンからは、「あ~あ」という諦めのため息が聞こえました。


状況的に2位タイに4アンダーで3人が並び、チャレンジして池に落とせばダボで一気に順位を落とす恐れもあり、刻みの選択も分からないではありません。
しかし、見ているファンとすればチャレンジする姿を見たかったというのが本音で、アメリカでは絶対にブーイングの対象になるだろうなという思いでした。


プロは確かに1つでも順位を上げて1円でも多くの賞金を稼ぐことが目的ですが、それだけではないと思っています。
単なるスコアメイクだけを追求する安定したゴルフを見せられたのは、10年ほど前の国内男子プロの試合です。


結果的には、ファンが離れてしまい、現在のような状況になっているのは、チャレンジ精神を忘れて無難な選択をする選手に原因があるのです。


以前、ジャンボと呼ばれた尾崎将司プロが、「ロングホールのセカンドでアイアンを握ってどうする。ファンは俺がチャレンジする姿を見に来ているから裏切るわけにはいかない。」と言っています。
結果的に失敗しても、チャレンジする姿を見せることでファンは盛り上がるのです。


今日の成田プロのセカンド刻みは、賞金加算には当然の選択なのでしょうが、そこにはファンの期待を忘れています。
ウッドを持っても、池を避けて安全な花道方向に打てばよいのであり、打った後に「ピンを狙ったけどミスっちゃった」とでも悔しがる仕草を見せればよいのです。
いわばパフォーマンスが必要なのがプロの世界だと思います。


冒険をしない堅実なゴルフを見せられても、それはパットパットゴルフと同様な単なるグリーン上で入るか入らないかの勝負になってしまいます。
ファンの期待を受けてチャレンジする姿勢を忘れると、男子プロと同じ轍を踏むことになりかねません。


成功の確率はたとえ低くても、チャレンジする選手は人気が高まります。
人気なんかなくても賞金さえ稼げればよいと選手が思うようになったら、女子プロの人気も終焉を迎えることになります。
そんな危惧を持って見ていた最終ホールでした。

(お昼のボランティアに配られたお弁当。朝はサンドイッチが1個だけで、業務は11時過ぎに終わったので早めの昼弁当を食べました。)