三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

ゴルフはターゲットゲームであるという事実

 昨日、私の記事「不思議な常識」(不思議な常識 - 三重苦ゴルファーの日記)に対してご意見を頂きました。
 お返事はコメント欄に書いていますが、少々、補足を書いておきます。


 頂いたコメントは、コースマネジメントとして「得意なクラブの距離を残す」という内容で、それはそれで一理ある考えだと私も思っています。
 しまし、中途半端なアプローチショットの距離を避けるという考え方自体が、私には不思議に思えるのです。


 これは初心者がゴルフを始める際に、周りの者は必ず「ショット」を、それもフルショットを教える傾向が高いことから起こる弊害だと私は思っています。


 最初にフルショットを教えるから、フルショット以外は打てないアベレージゴルファーが多く、50y前後の距離が苦手になりがちです。


 私は初心者こそ、最初はウエッジでの30yと50yのスイングを徹底的に教え込むべきだと思っているのです。
 確かに楽しくない練習でしょうが、他のスポーツ経験者であれば、初心者にフルスイングの練習をすぐに教えることがいかに無謀なものかは理解できるはずです。


 野球系では、初心者にはまずキャッチボールの基本から入り、バッティングは素振りだけという「形づくり」から入るのが一般的です。
 形づくりがある程度できると、次は「ミート」を目的とするトスバッティングに移行するもので、大振りを教える練習過程は初心者にはないはずです。
 最初からホームランを狙わせるスイングなどは初心者レベルには教えないものです。


 私はテニスのインストラクター経験もありますが、テニスでも最初は全くの初心者にはラケットに慣れさせることから始め、その後は1球ずつ近い距離から球出しを行い、それを打ち返す練習が初心者への定番レッスン内容です。
 決してそこには、トップスピンで「エースを狙え」などの強打練習はなく、緩い山なりの球でもコート内に入れるということが目標です。


 よくあるパターンが、ソフトテニス経験者が無理に強打をすることがあり、使用球の違いで上手く打てないため注意されるという場面です。
 強打は、ある程度の基礎が出来ていないと手首を痛めるなど危険があるため、ソフトテニス経験者には、特にゆっくり打つように注意していました。


(テニスの初歩のレッスンでは、まずラケットで球を地面に突くことを教え、ラケット操作に慣れさせます)

(球突きのあとは、近距離で指導者と球のミニラリーを行います)

(少しレベルが進むと、指導者が手で投げた球を相手コートに打ち返す練習になり、これが出来るようになるとコートの向こうからラケットでの球出しに移行します)



 卓球でも同様で、まず素振りで形を固め、フォア(バック)ハンドのフォームでゆっくりラリーを続けることを初心者には教えます。
 決してスマッシュやパワードライブを最初に教えることはないのです。


 それに対して、なぜゴルフでは初心者に周囲の者はフルショットを教えようとするのか
理解できません。
 最初に教えるべきは小さなスイング幅での素振りで、その後は短い距離をキチンと当てて球を運ぶ感覚を養う練習であり、それが出来てやっとショット練習に移行するものだと私は思っています。


 他の球技とゴルフの大きな違いが、ゴルフでは使用するクラブが14本あるということで、これは打つ距離はクラブの番手で変えることができるということに繋がります。
 
 ゴルフはターゲットゲームであることは誰でも知識として頭に入っていますが、アベレージゴルファーのほとんどは、本当にそのことが頭の中で認識できていないように感じます。
 一定の距離の先にある直径108mmのカップに少ない打数でカップインさせることを争うのがゴルフのゲーム性であり、そこには他人より距離を出すということは意味がないはずです。


 それなのに、他人より1yでも飛ばしたいと考えて練習するアベレージゴルファーがなんと多いことでしょうか。
 その意識が初心者にも伝わり、ドライバーでフルショットだけを練習することになりがちです。


 他の球技と同様に、ゴルフもまずクラブに慣れさせることから始まり、短い距離30y以内をしっかり打てる練習から始め、徐々にその距離を伸ばして行けばよいのではと思っています。
 初心者のうちは、間違ってもドライバーなどを持ってはいけないもので、まずは地道にウエッジでのハーフショットを教えるべきだと思っています。


 そうすれば練習の過程で、嫌でも50y前後の距離は打てるようになるはずで、そこを通過しないと次の番手へは移行してはいけないものです。
 ゴルフでは距離の打ち分けはクラブを変えればよく、基本はウエッジでのコントロールショットなのです。


 ある程度、大きいクラブを上手く打てるようになっても、基本はウエッジのハーフショットであり、大きなスイングの中に基本の小さなスイングがあるということです。


 こうして他の競技のように初心者に順を追った練習をさせることで、短い距離は苦手などという意識自体はなくなるはずです。
 アベレージゴルファーは、こうした段階を経ない練習をしているから、100y以内のコントロールショットを苦手にしてしまうのです。


 ゴルフはターゲットゲームなので、最後は距離を合わせるコントロールは必須です。それをパットで行うのかショットで行うのかでスコアに大きな差が出てきます。
 ショットで距離ばかりを求める練習しかしないのであれば、ショットのコントロールなど望むべくものではなく、スコアメイクなどは出来ないものです。


 野球の投手がカウントを整えるためにスローカーブでストライクを取るように、私は球を曲げるドライバーショットで方向性を整え、力みのないアイアンショットで球をカップに近づけるゴルフを目指したいと思っています。


 しかし、それだけでは距離に対応できないので、今はドライバーショットの飛距離を求めるためにプロのレッスンを受けているのです。