三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

不思議な常識

 パー5のホールなどで、セカンドを刻む場合、3打目は自分の得意なクラブの距離を残すことが常識のようによく言われています。
 それはフルショットで打った方が簡単だという意味からですが、私はその考え自体に矛盾があるのではと思っています。


 普段はドライバーショットの飛距離を伸ばすことを目的に練習しているわけですが、そこには距離が伸びてグリーンに近づけば有利になるという考え方がベースにあるはずなのに、わざわざグリーンに近づけないで敢えてグリーンから遠目の距離を残すという戦略は、そのベースの考え方と逆行していると思うからです。


 フェアウェーであることを前提にすれば、グリーンに近づいたほうがより有利だと考えるべきで、だからこそドライバーの飛距離を求める練習をしているはずです。
 得意なクラブの距離を残すという戦略は、所詮そのプレーヤーの練習不足を表しているもので、50yをオンできなければ100yを確実にオンできる技術もないというものです。


 ショットは飛距離と方向が一致しなければ、ピンには絡まないもので、得意なクラブの距離を残すという考えは、この飛距離だけを合わせようと考えた戦略になります。
 方向性は、距離が離れれば離れるほど、手元のわずかの誤差が先では大きな誤差になることは自明の理で、最終的には距離か方向性かどちらを優先するかという考え方になるもので、私はショートゲームは方向性を優先すべきだと思っています。


(記事とは若干条件が異なりますが、ラウンドレッスンの14番パー5の3打目です。赤丸内の球は、バンカー越えになるから選択しなかったのでしょうが、青線のピンはやや奥目で赤丸内の球の方が角度的にもグリーン面を広く使えるはずです。選択した球はバンカー越えは同様ですが、右に吹かすと大き目に打ってもバンカーという意識からグリーンの右サイドが使えなくなります)



(わざわざ残り100y付近の球をキャプテンが選択しましたが、先の70yの球の方がオンする確率は高いのではと思っていました。案の定、私を含む3人はピンの左にしか打てず、他の3人はミスショットしてしまいます)


 100y以内の中途半端な距離のアプローチショットをきちんとグリーンオンできないレベルの者に、残り100yをしっかり打ってグリーンオンさせられるとは私は思っていません。
 かえって乗せなければというプレッシャーから、ダフりやトップなどのミスが起こることの方が多く、だったら残り50yからどこでも良いからグリーンオンさせるほうがマシだということです。


 中途半端な50yが難しいから避けて通るという考えそのものが、人間の潜在能力を潰す原因であり、100yを打てるレベルであれば50yは打てて当然だということです。
 距離感というものは、誰にでも備わっている能力であり、その本能を生かしてスイングできれば、少なくとも前後左右30yというグリーンの大きさである誤差内には誰でも打てることになります。


 ゴルフには、「得意の距離を残す」という一見して「なるほど」という「常識」があるのですが、だったらロングパットが得意だからパットも遠くから打つのかという極端な反論もあり得ます。


 私は1mのショートパットが打てないイップス気味でロングパットの方が気楽に打てますが、それでも10mのロングパットより1mのショートパットのほうがカップインする確率は格段に上がるものです。


 グリーンを狙う場合でも、例え初心者であっても、距離感という最初から持っている感覚を生かし、近づいた場所からのアプローチの方が簡単だと本人に思い込ませた方が、ずっと将来のためになると私は思っています。