三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

「Never up never in」考え方の転換

 今日も熊本は晴天が広がり、32℃越えの厳しい残暑になりそうですが、朝晩はかなり過ごしやすくなっていて、何となく秋の気配が感じられるようになりました。


 秋の気配と書くと私は反射的にある曲の歌い出し「♬ あれがあなたの好きな場所 ♬」というフレーズが頭に浮かんできます。


 大学を卒業して就職したのが1978年なので、ちょうどその頃によく聴いていたのが「オフコース」のアルバムで、その中にある名曲「秋の気配」の冒頭の一節ですが、「秋の気配」は1977年発表なのですでに46年も前になっているのに、「秋の気配が」などと書くと曲の一節が頭に浮かぶのは、刷り込まれた記憶はなかなか代えがたいということなのでしょう。


 さて、この数日は「考え方の転換」シリーズを書いていますが、これは私がゴルフを始めて練習を続けてもなかなか上手くなれず、それまで私が思い込んでいた考えを疑ってみたら、それが結果的に功を奏したというターニングポイント的なことを書くもので今回はパット編です。


 この日記で何度もゴルフのスコアの構成が「ショット36打+パット36打=パー72」であることを繰り返し書いていますが、私が初心者の頃には周囲の人からなぜか「Never up never in」(届かなければ入らない)ということをよく言われていました。
 つまり「カップに届かないと絶対にカップインしない」というパットにおける当たり前の真実ですが、調べてみると1860年代の英国のオールド・トム・モリス・シニアの言葉のようです。

(カップまで届かない球は絶対に入らないのが「Never up never in」です。この大きさの球では入らなさそうですが、、、)


 きっと私の初心者の頃に周囲にいた人が、この「Never up never in」の格言だけしか知らなかったのでしょうが、先ほどの「秋の気配」同様に初心者の頃に教わったフレーズはいつまでも耳に残っているもので、私にもずっとこの格言がパットを打つ際に残っていました。


 確かに全盛期のタイガーウッズのパットを見ているとバーディーパットを2m近くもオーバーするような強さで打っていて、返しの嫌な距離も平然と沈めていたものです。
 しかし、ヘボゴルファーの私がそれを真似すると3パット、いや時には4パットしてしまい、ラウンド後は100前後のスコアでパット数40前後という内容になっていました。


 もともとパット練習をそんなにしなかった私が、2mもオーバーしてしまったら返しが厳しくなるのは当然だと今は理解できますが、当時は「Never up never in」だけしか頭になかったのです。


 ある日のラウンド後にパット数を数え、そこでハタと気付きました。それは当たり前のように40打前後のパット数ですが、タラレバで「あの2mのパットが入っていれば」と計算してみたのです。
 その2mが1パット目だったら自分の技術で外すのは仕方ないとして、2パット目や3パット目であるなら、その前の段階でどうにかできたのではというものでした。


 つまり無駄な3パット4パットを無くすことができれば、スコアはその分縮まると気付いたのです。
 そのため「Never up never in」の格言は忘れるようにし、カップまでの距離を打つように意識しましたが、如何せん、その距離感がありませんでした。


 距離感はまさしく「感」であり、その感覚を身に付けるためには練習しかないと考え、誰もいないラウンド後のグリーンでロングパットの練習をしたのは以前にも書きました。
 目印のピンまでちょうどの距離を打てるように距離合わせする練習を繰り返しましたが、これは効果的でした。


 以降のラウンドでは、「Never up never in」は頭から追い出し、代わりに「カップまで、カップまで」と繰り返し念じながらパットに臨んだものです。
 結果的に、この考え方がパット数の減少に繋がり、パット数分だけスコアは良くなりましたが、今はこのパットのタッチの弱さでカップ手前で曲がってしまうことも多く、そこは若干ですが変えようとはしているものの基本はジャストタッチなのです。


 調べてみると「Never up never in」と対比になる言葉として、球聖ボビー・ジョーンズの「届かなければ入らないのは事実だが、カップを通り過ぎた球も決して入らないのである。そして3パットの多くは、オーバーした後の返しのパットで発生しているのである」があり、これを最初に知っていれば「Never up never in」を意識して大オーバーするミスはしなかったのかもしれません。

(アマチュアがスコアをよくしようと思う場合の近道) 


 そして辿り着いた今がそうですが、この米国のハーヴィー・ペニックのアドバイスである「球がちょうどカップで止まるようにパットしてごらん。そうすれば君に幸運が訪れるかもしれないよ」を早い段階で知っていればともっと上達の速度は早かったのかもしれません。


 パット数だけはパー36からアンダーのスコアをアマチュアでも出せるもので、ショット数36打はどんなトッププロでも至難の業になるため、ショットとパットどちらがスコアメークに重要なものか一目瞭然なのです。
 それなのに「頭で分かっていても、、、」というのがアベレージゴルファーの悲しさで、分かっているのに練習しないからいつまで経っても40前後のパット数になってしまうのです。


 これではショット数50打に押さえても90切りがやっとというのが計算上からも分かり、パット数を30にできれば同じショット数50打でも一気に70台のスコアが見えてくるのです。
 誰でもラウンドする以上はスコアは付いて回るもので、気にしないとはいっても100叩きでは凹むし、80台・70台のスコアでは嬉しいものです。


 パットを含むショートゲームはスコアに直結しますが、ドライバーショットのように好ショットの手応えはショートゲームでは感じられません。
 終わって自分のスコアを見てうれしくなるだけですが、ショートゲームの効果は高くその技術を持ったうえでショット練習に励むと、きっとプロ並みの技術を持つゴルファーになれるはずです。


 もっとも技術力はあるけど勝てないプロは多く、トッププロになるためには技術+αといった何かの特徴というか強みが必要になるのです。