三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

飛距離とショートゲーム

 今日は当初は「くまもと城南GC」の1人予約に入っていましたが、右の背中痛が出てしまい、無理をしないため昨日の成立前にキャンセルし、自宅でゆっくりしています。


 明日は新型コロナのワクチン接種もあり、無理して体調を崩さないようにという意識もあるためで、無事にワクチン接種が終わればいつでもラウンドはできるのだと自分に言い聞かせています。


 さて最近、たまたま続けて飛距離が出る50歳代の女性と1人予約で一緒にラウンドする機会がありました。
 その女性は「最近は1人予約にハマっています」とのことで、スタートの際は「一緒のティーからプレーさせてもらいます」と宣言され、阿蘇ハイランドや阿蘇スカイブルーゴルフリゾート(旧高森GC)で同じレギュラーティからプレーされました。


 確かにドライバーショットはそれなりに飛距離が出ていましたが、それはあくまで「女性にしては」という枕詞が付き、男性と比べると飛距離の出ない男性並みの200y前後の飛距離だというものです。
 一般的にアマチュア女性にとってドライバーショットの飛距離は200yの壁があるようで、この方は当たれば200y以上は飛ぶというものだったので、女性の中では飛ばし屋というものです。

(阿蘇スカイブルーの1番パー4はRTからでも400yを超えますが、打ち下ろしになるためセカンドは150y内から打つことになります。しかし、女性にとっては厳しいホールです)

(5番パー5はRTからは493yで1打目は打ち下ろしになるため、2オン可能なホールです)


 高森GCはトリッキーなコースの組み合わせで、2オン可能な短いパー5があるかと思えば、400yを超えるパー4もあり、男性でも2オンが難しいホールがいくつかあります。
 私のドライバーショットの飛距離は230yほどですが、この女性からオーバードライブされたことは一度もなく、ほぼ30y~50yの飛距離差があっていました。


 そうなると、パーオンするホールは限られ、よほどショートゲームが上手くなければパーゲットは難しくなります。
 1番パー4はダボ、2番パー3はパーチャンスだったけどボギー、短い3番パー4もパーオンしたけど4パットのダボとスコアは纏まりません。


 もしショートゲームがお上手だったら、スタート3ホールで少なくとも3~4打はスコアは纏まったのでしょうが、残念ながら飛距離が出る男性に多いショートゲームがイマイチというタイプで、ご自分でもアプローチが苦手だと言っていました。


 私が名付けた「アプローチの達人」とは、1人予約で知り合った現在73歳になる老ゴルファーですが、その名のように、どこからでも寄せ1を取ってしまうエージシュートを何度も達成している上級者です。


 達人のドライバーショットはこの女性より飛びませんが、それでも当たり前に70台のスコアが出せるのは、正確なフェアウェーウッドとアプローチ、それにお上手なパットがあるためで、達人を見ていると「ゴルフは飛距離ではない」と思わされることになります。


 巷では、「飛ぶ」ドライバーの広告が氾濫していて、1yでも飛距離を伸ばしたいアマチュアゴルファーは「飛距離を金で買う」状況に陥ってしまっています。
 中古クラブ市場の確立で、新品を購入して試し、ダメならすぐに手放すことが可能になり、ますます自分に合った「飛ぶドライバー探し」の迷路にハマってしまった人が多くなっているように感じています


     

(いわゆる比較広告のようですが、右下にあるようにたった「3人」の平均飛距離であり、2~9yの飛距離差はアベレージゴルファーにとっては打点の精度ですぐ変わる数値です)

     

(広告にはアマチュアにとって魅力的な謳い文句が並びますが、こんなに進化している道具を使っているのに、スコアが伸びないのはなぜでしょう?)


 ゴルフの魅力は、飛距離にあるといっても過言ではありません。野球では100m超の飛距離でホームランですが、一般人がそこまで飛ばすことはほぼ不可能です。
 しかし、ゴルフでは誰でも100mどころか200mまでは可能であり、その魅力にハマるのは当たり前といえば当たり前です。


 確かに「正確に」300y飛ばせるドライバーショットがあれば、スコアメークには有効でしょうが、ここにアベレージゴルファーの勘違いがあります。
 つまり、「飛距離アップ⇒スコアアップ」という図式は間違いではありませんが、その裏には「飛距離アップ⇒スコアロス」というリスクも一緒について回るものです。


 ゴルフは野球のように90度の角度の範囲内に打球が飛べばよいものではなく、打球範囲の角度はよりシビアになるものです。
 そのうえ野球では90度の外側はファールボールになり、何度でも打ち直しすればよいものですが、ゴルフではコース外のOBへのショットは「1打罰」で打ち直しになってしまいます。

 

 上の図をみれば、200yと300yではショットの許容角度に大きな差があることが一目瞭然で、飛距離は「諸刃の剣」になるため、正確なショットができないうちはマイナス面の方が大きくなりがちです。
 飛ばないゴルファーにはOBの危険性が低いということが分かるはずで、飛ばし屋ほどOBというリスクがショットについて回ります。


 さきほどの達人がスコアが纏まる理由の一つに、「飛ばない」という要件があるためで、少々のミスショットでもOBまで届かないため、ミスがスコアロスに直結しないという理由があるのです。


 プロを目指しているのであれば、アンダーのスコアを出すためのゴルフが求められますが、90切りなどオーバーパーで良いアマチュアにとっては、そこそこの飛距離で十分だということです。


 われわれアマチュアゴルファーがプレーするコースには、競技ゴルフでなければ400yを超えるパー4はそう多くなく、たとえあったとしてもそんなホールではボギーオン1パットのパーを目標にすればよく、どんなホールでもバーディー狙いをするから大きなスコアロスというしっぺ返しをコースからされるのです。


 要はドライバーショットの飛距離を得るため、何度も高価な道具を買い求め、それを正確に打つ練習だけに時間を取られるから、スコアメークの肝になるショートゲームの練習を疎かにしてしまう悪循環に陥っているのであり、どうせドライバーの飛距離差なんてショット精度の誤差内程度の距離差だと割り切って、持っているドライバーの練習だけに留まっている方が身のためだというものです。

 上の図は、あるメーカーのドライバーの広告にあった説明ですが、こんなことを書くから迷えるアベレージゴルファーを惑わせてしまいます。
 誰が見ても、このイメージでは打点がわずかにズレると右にも左にも球が飛んでしまうもので、「開いて閉じる」打ち方をゴルファー本人が意識して行ってしまうと、ミスを量産という悲惨な結果になるものです。


 現在はフェースローテーションをできるだけ抑えるスイングが主流であり、実際は勝手にその動きは起こるもので、そのくらいの意識を持っていればちょうどよいというものです。


 スコアメークにドライバーが果たす役目はそう多くないことが事実なのに、メーカーは利益率の高いドライバーを販売するために、アベレージゴルファーを迷わせるCMを垂れ流してしまいます。


 1ラウンドで最高でも14回しか使わないドライバーと30回以上も使うパターを比較してみれば、どちらに練習時間を充てるのが効率的だというのは、言わずもがなことなのです。


 パー72の構成になる「ショット数36打+パット数36打」のうち、ショット数を36打以下に抑えるのは全てのホールでパーオンしても36打なのでプロでも至難の業になります。
 しかし、パット数の36打はアベレージゴルファーでも以下に抑えることは十分に可能な数字です。


 私はパターを使うアプローチを含めたショット数の目標を50打、パット数を30打にしていますが、ショット数とパット数の目標数値をそれぞれ下回ると結果的に70台のスコアになるものです。


 考えてみればショット数を50打とすれば、18ホール中14ホールでパーオンしなくても良いということが分かり、パーオンを目指すのはたった4ホールになるもので、そう思えば気分的に楽になります。


 結局、スコアメークはショートゲームの精度と仕上げのパットだというもので、練習に充てる時間の中でそちらを多くした方がスコアメークのためには絶対に有効だとハッキリしています。
 そうはいっても、飛距離の魔力からは逃れられないのがゴルファーの煩悩の一つだということで、その煩悩から逃れられないから108のスコアになってしまうのかもしれません。