三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

一番打者の使命は?

 私は高校の男子ソフトボールチームの監督を務めていた経験があります。ソフトボールや野球の監督が他の競技の監督と違うところは、公式試合ではチームのユニフォームを着用しなければならないことで、ソフトボールでは監督の背番号は30番と定められています。

(参考にした他校チームの画像ですが、右端の30番の背(胸)番号が監督です)

(私が監督をしていた頃の選手たち。TVの番組での撮影でしたが、試合以外は練習着で統一していたのでこの時は背番号はありません。私の身長175センチに比較して小柄な選手が多いのが分かります)


 私の専門の競技といえば憚れますが、学生時代は中学からずっと卓球競技をやっていて、ソフトボールは小学生の2年間と社会人になってから職場のチームに入っていた程度で、なぜ監督が同じユニフォームを着るのか不思議でした。


 高校卓球部の監督をした経験もあり、団体戦ではベンチに入ることもありましたが、服装は自由でほぼ普段に勤務する服装のままでした。

(卓球の監督はセット間で選手にアドバイス程度でしかできません。画像の卓球女子日本代表監督の馬場美香氏(旧姓星野)は全日本選手権一般女子シングルスで7回も優勝した名選手でした)


 卓球は基本的に個人競技であり、セット間のインターバルで監督としてアドバイスなどは行いますが、試合中は選手の判断により進行することになります。
 つまりいったん試合が始まれば、監督に出来ることはほぼなく、声援しながら見守るしかなかったのです。


 ソフトボール部の監督をやってみて初めて、他の競技の監督とは違い、監督もチームの一員で一緒に戦うことに気づいたのです。
 それどころか、作戦は監督が立てることになり、選手はいわゆる「駒」のように監督の意志をサインで受けてゲームを進めることになり、そこで初めて監督が同じユニフォームを着用する意味が分かったのです。


 監督が「待て」のサインを出せば、打者はどんなに好球が来て「打てる」と思っても打つことはできません。
 反対に「エンドラン」のサインが出ていれば、打者はどんなに打ちにくい球にもどうにかしてバットを合わせなくてはならず、空振りでもしたら怒られる羽目になります。
 監督がフリーのサインを出していなければ、選手が自らの判断で打つ・見送るなどの選択はできないのです。 


 監督として頭を悩ませたのが打順です。守備位置は、普段の練習である程度決まりますが、打順は選手の特性や個性を考えて組む必要があり、監督が違えば同じ選手でも打順が異なるものです。


 私は3番打者にチームで一番センスの良い選手を置く考えで、いわゆる4番打者にはロングヒッターではない1番打者のタイプを置くようにしていました。
 これは3アウトでチェンジというルールから、9人の選手を3グループに分け、3人をそれぞれ役割を持つタイプで構成し、1番打者には足の速さと選球眼、器用さを持つ選手を、2番打者には確実に走者を進められる小柄な選手を、3番打者には打撃の良い選手をそれぞれ置き、それを3組作るという考えでした。


 ソフトボールは圧倒的に投手有利な競技であり、好投手がいれば完全試合は当たり前に行われるため、数少ないチャンスを生かさないと勝利は見込めません。


 MLBでは強打者は大谷のように2番に置くことが今では一般的のようですが、以前は3番に置いてあったように記憶しています。
 日本では4番という打順にステータスがあるように刷り込まれているのか、いわゆる4番タイプではない選手を4番に指名すると、なんとなく部員から不満めいた雰囲気を感じたものですが、これは監督の考えなので誰も反対はできないものです。


 さて、ゴルフでも14本のクラブには、それぞれ役割があります。この14本のクラブの役割を改めて考えてみると、なんとなく1Wは4番打者の役割のような気がするのは、1Wが一番飛距離を出せるクラブだからです。

 しかし、「打順」として考えてみれば、1Wは最初に使う「1番打者」であり、1番打者の役割はアウトを取られずに塁に残るというチャンスメークをすることになるはずです。


 つまり4番打者のような一発のホームランは必要なく、OBやペナルティーエリアに打ち込むことなく、セカンドショットに繋げることが求められます。
 いくらフェアウェーだといってもチョロであればチャンスメークにはならないため、コース内に「そこそこ」の飛距離があれば1番打者としての役目を果たしたことになります。


 そうすれば2番打者の堅実なアイアンでグリーンを捉え、センスの良い3番打者のパターで決めるというパターンができるはずです。
 もちろん、ゴルフではプレーするのは自分自身ですが、こうして考えてみれば飛距離だけに拘りドライバーショットの練習だけしかしないことの間違いが分かるはずです。


 バッグの中のクラブたちを打者として考えてみれば、自ずとクラブの役割が見えてくるのかもしれません。