三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

ローズマリー

 今日は連休の祝日「みどりの日」ですが、以前は4月29日がこう呼ばれていました。祝日の話題は昨日の日記でも書いたので、今日は触れません。


 私は基本的に平日ゴルファーであり、休日のラウンドは入れていないため、GW中は何もすることがなく、日記の話題に窮することになります。
 今日は朝からテレビをつけていて、ハーブの一種であるローズマリーの話題が取り上げられていました。

 ローズマリーは和名を「マンネンロウ(迷迭香)」というそうですが、和名は一般的ではなく横文字表記(rosemary)の方が通りがよいようです。
 番組では、ローズマリーの精油を水で薄めて雑巾に染み込ませ壁などを拭くと、カビ防止になるという情報が伝えられていて、これから梅雨のジメジメとした季節には有用な話題になっています。


 漫然とテレビは見ていましたが、こうした有用な話題ではなく、私は「ローズマリー」という言葉の響きに何か囚われてしまいます。


 最初にイメージが湧いてきたのが、サイモン&ガーファンクル(S&G)の『Scarborough Fair CANTICLE』の歌詞の中で繰り返される「Parsley, sage, rosemary and thyme.」という語句の中にある「ローズマリー」という響きでした。


 この曲は映画「卒業」の挿入歌として使われヒットしましたが、主題歌は同じS&Gの「サウンド・オブ・サイレンス」でこちらの方が有名です。
 「卒業」は1967年制作の米国映画で、のちにアカデミー主演男優賞を二度受賞することになる若き頃の名優ダスティンホフマンが主人公のベン役で、教会で今まさに結婚の誓いを上げようとしているキャサリンロス扮する花嫁に、後方から「エレ~ン!」と叫び、振り返った花嫁がこれに応えて花嫁衣裳のまま逃げだすというエンディングの場面が印象的です。


 日本では1968年公開になっていますが、私が見たのは70年に旧作として上映されたもので、記憶では当時100円で旧作を上映するいわゆる名画座と呼ばれる部類の映画館で見たはずです。(熊本宝塚という映画館でした)
 70年の3月から4月は中学校を卒業して高校の入学式まで暇があり、ほぼ毎日のように熊本市内の映画館に通っていて、その中で見た1本でした。


 記憶に鮮明に焼き付いている場面が、主人公のベンが赤い夕陽の中をアルファロメオ・スパイダーに乗ってエレンの結婚式に向かう場面ですが、実際はこの場面での挿入歌は「ミセスロビンソン」だったようです。
 ただ曲として耳に残っているのが「Scarborough Fair」のほうで、ずっとこの場面でも「Scarborough Fair」が流れていると勘違いしてました。

(黙ってベンの元を去ったエレンがいる大学へ向け、ベンがスパイダーを走らせる場面で「Scarborough Fair」が使われていたようです。ベンは今でいうなら「ストーカー」そのものですが、、)


 なぜスカボロフェアが耳に残っていたのかという理由は、「パセリ、セージ、ローズマリー、アンドタイム(Parsley, sage, rosemary and thyme.)」という歌詞が何度も繰り返されるためで、画面に表示される訳詞を見ても私には意味が分かりませんでした。


 パセリ程度は分かり、きっとスカボロ市場で売られている野菜のことだとずっと思っていましたが、繰り返される意味が分からなかったのです。
 しかし、改めて調べてみると、「スカボロフェア」のスカボロとはイングランド北部のノース・ヨークシャーにある北海に面した港街「Scarborough」のことで、そこで夏に盛大な市が開催されていて、現地の人々の間で歌い継がれて来た作者不明の民謡が『Scarborough Fair』なのです。


 この地を訪れたポール・サイモンが現地で「Scarborough Fair」を聞き、インスピレーションを受けて作った曲がS&Gの『Scarborough Fair CANTICLE』になったのです。


 原曲が民謡になる歌詞の内容は、妖怪である騎士が途中で出会った商人に無理難題を要求し、商人は異界に引きずり込まれないよう問いには答えず、ひたすらハーブの名前を繰り返すというもので、だから「Parsley, sage, rosemary and thyme.」という歌詞が繰り返されるのです。


 要はおまじないであり、パセリやセージ・ローズマリー・タイムという香草野菜を呟くことは、ドラキュラをニンニクで追い払うようなものだということでしょう。


 映画「卒業」のシーンと曲の使われる場面が違うという記憶の曖昧さが分かりましたが、なにしろ50年以上も前の記憶なので、こうした勘違いもあり得ます。


 また「ローズマリー」という響きからは、同じ時期に見た「ローズマリーの赤ちゃん」(1968年制作のミア・ファロー主演の米国映画「Rosemary's Baby」)を最初にイメージしそうですが、私には「悪魔」という存在に当時はいまいちピンとこず、ただ変な映画だったという記憶しかないためです。


 現在のようにテレビで見る映画でなく、大画面で見る映画は映像の豊かさに圧倒されるもので、最近は映画館に行くこともなくなったなと改めて思ってしまいます。