三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

パットに「惜しい」は無い

 ゴルフはホールアウトまでの打数を最小にすることを目指すゲームですが、ティーショットに始まり、パットでのカップインで終わるものです。


 ティーショットではどのクラブを使っても良いのですが、最後のパットは基本的にパターを使用するものです。
 もちろん、規則上はどのクラブを使ってパットを打っても良いのですが、パターは他のクラブよりもパットを打ちやすいように緩やかな規制の元で作られているため、パターでパットを打つことが一般的です。


(パターに拘る人も多く、様々な形状のパターが発売されています。カートにはパター用の収納場所があるのは、パター使用頻度が多いからですが、同伴者のパターを見れることも楽しみです)


 今年のマスターズ2日目にキム・シウ選手が15番でパターを破壊し15番以降は3Wをパターの代用にしたようですが、これはルール上では全く問題ない使用です。


 以前のゴルフ場には「グリーン上ではパター以外のクラブ使用を禁止する」旨のローカルルールが制定されている場合も多く、パター以外のウエッジなどでカップインを行うと、今でも「ペナルティーだ!」という年配者もいるほどです。


 しかし、こうしたローカルルールそのものがゼネラルルールに抵触するため、現在ではこうしたローカルルールを見ることはほぼないのですが、グリーン面保護の観点からアマチュアはグリーン上ではパター使用をマナー的にも推奨されることにしておく方がよいようです。


 2019年改正前の規則では、故意にパターを含むクラブを破損すれば、ラウンド中はそのクラブの使用が出来なくなったのですが、改正後は使用継続が認められるようになりました。


 つまり、損傷したクラブはそのラウンド中はたとえ故意で破損したとしても、適合クラブとして扱われるため、引き続き使用できるというものですが、さすがにシャフトを折ったりすれば使用不可能になるはずです。


 さて、表題の「パットに『惜しい』は無い」ですが、よく同伴者からカップ淵を舐めて外れたパットに対し「惜しい!」という声がかけられるのはよくあるものです。


 私も同伴者のパットがわずかに外れると、つい「惜しい!」と言ってしまいがちですが、よくよく考えてみれば、スコア的にはパットは「入る」か「入らない」だけであり、「惜しい」は「入りそうだったけど」という意味になるもので、スコア的には「入らない」ことに分類されるものです。


 ゴルフでは同伴者への声掛けは、ある意味マナー的な意味合いもあります。例えばティーショットやセカンドショットが良い当たりの場合は「ナイスショット!」(グッショ!)「ナイスオン!」などの掛け声は打った本人もうれしく思うし、アプローチやロングパットがカップに寄ると「ナイスアプローチ!」や「ナイスタッチ!」などの声は相手のプレーに対する誉め言葉になり、相手に嫌な気持ちは持たせません。


 しかし、短い距離のパットを外した相手に「惜しい!」という声掛けは、決めたいパットを決めれなかった相手にとっては自分の力不足を思い知らされている中でのいわば「憐み」「慰め」の言葉とも言え、言われる本人は外した悔しさの中でそう言われるくらいなら、黙っていてもらいたいものです。


 カップ淵に止まるか転がり落ちるかで1打が違うというのが、ゴルフの不条理だとも言え、その1打が大きな意味を持つこともしばしばです。
 結果的に100切り、90切り、80切り、70切りのチャンスを逃した場面で「あのパットを決めてさえいれば」と思うことは誰でも経験があるはずで、競技ゴルフに出場した人にとっては「あのパットが入っていれば予選通過だったのに」という悔悟も経験したはずです。


 以前、プロのパットがわずかにカップ横を通り抜けたときに同伴者が「惜しい!」と言った際に、プロが「パットは入るか入らないかで惜しいは無い」と答えたのを聞いたことがあります。


 スコアに全く拘らず楽しく仲間内でラウンドしているのであれば「惜しい!」という声かけをするのは否定しませんが、真剣に向き合っている相手には「惜しい!」という声掛けは不要だと思っています。


 私としても良くショートパットを外すことが多いため「惜しい!」と何度も言われることになり、耳にタコができるほどなので黙っていてほしいというもので、「惜しい!」という言葉は言わなくてもいいという意見に賛成です。