三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

達人の凄さを一般人は気づかない

 今日の熊本は薄雲が多いのですが、おおむね晴れで気温も高めです。今日はラウンドそのものを入れておらず、週一のお休みデーにしています。
 今日は、一週間前の話題になりますが、スコアメークの肝に関連して、知人のゴルフについて書いてみます。


 「アプローチの達人」と私が名付けた73歳の老ゴルファーは、元シングルさんですが現在は健康のため週4程度のラウンドをされていて、72歳になった昨年からエージシュートを何度となく達成しているお上手な方です。


 先週の金曜日は、私に用事が入り達人との1人予約をキャンセルしましたが、私以外に3人目が入っていて、その方は土曜日のレッスンに新たにやってくるようになった愛媛からの単身赴任者でした。


 先日のレッスン日にその方から達人と一緒だったという話を聞き、その方に「達人はどのくらいのスコアで回りましたか?」と尋ねたところ首を捻りながら「85くらいだったかな」という返事がありましたが、それを聞いて私はさすがに達人がそんなスコアは叩かないだろうと思っていました。


 それで月曜日のラウンドの際に、達人に「金曜日に一緒だった1人はレッスン生でした。達人はいくつで回りましたか?」と尋ねると「4つオーバーだったかな?」と答えがあり、「そうですよね、彼は85くらいと言っていたのでおかしいと思っていました」と言うと、達人が「『よくそんなに上手いのなら70台のスコアで回れますよ!』と初めての同伴者から言われる」と笑っていて、最近は80オーバーは叩いた記憶はないと言っていたのです。


 アベレージゴルファーにとって、70台のスコアを出すためにはドライバーショットでビシッと距離を出し、キレキレのアイアンでグリーンを捉え、バーディーパットを打つという「幻想」があるようです。


 達人は、フロントティーからいつもプレーされますが、ドライバーショットはお世辞にも飛ぶ方ではなく、あまり位置が変わらないレギュラーティーから打つ場合では、私よりかなり後方でセカンドを打つことが多いほどです。


 ショットの武器は曲がらないドライバーショットとグリーンに近づけるフェアウェーウッドですが、それでもグリーンに届かないことが多く、時には乗せてバーディーパットを打つことはあるものの、ほんとが届かず手前からのアプローチになります。


 私が「アプローチの達人」と最初に名付けた理由が、このアプローチをピンに絡ませることができるもので、パットは真面目に打たれないものの、片手で簡単にカップインする様を何度も見せつけられ、ショートパットに悩む私からは羨ましいほどでした。


 本人は、入るのが当たり前の距離だから一生懸命に打つのはバカバカしいと言いますが、時々は5mほどのバーディーパットを真面目に打ち、カップインして「真剣に打ってしまった」と自虐されるほどです。


 今週のラウンドでは、なぜかバーディーパットを打てないことが多かったのですが、ハイランドのグリーンが少し速めになったということから、無駄に警戒してしまったのかもしれません。
 しかし、パーパットはきっちり沈めているので、エージシュートは逃しても75前後のスコアでは回っていたのです。


 レッスン生が達人のスコアをよく覚えていないのは、プレーするティーが違うためティーショットの順番が達人は常に最後になり、たとえ前ホールでバーディーを取っても気づきにくいためです。


 達人のドライバーショットや途中のショットだけを見ていると、自分より下手だと勘違いするのは当然で、アベレージゴルファーにとっては飛距離を出せる者が尊敬の対象になるものです。


 私も経験がありますが、知らない1人予約4人の組でドライバーだけは飛ばすけどスコアは纏まらない1人と、地道にパーを拾っていく1人がいれば、別の100が切れない1人にとっては間違いなく飛距離が出るほうが尊敬の対象になるものです。


 地道にパーを拾う方にこっそりオフィシャルHDCPを持っているか尋ねると、持っていれば間違いなくシングルさんですが、なぜか一般的なアベレージゴルファーはドライバーを飛ばす同伴者にだけ注目が行っていて、目立たないシングルさんはそれこそ普通のゴルファー程度にしか認識できないものです。


 達人も同様で、飛距離は出なくて地道にパーを積み重ねるプレーは一般人には目立ちにくく、単に少しだけお上手な老ゴルファー程度の認識で、ほとんどの同伴者は達人の凄さに気づきにくいものです。






 上の図はハイランドの5番パー5と12番パー4ですが、ここで達人は毎回判を押したような攻めを見せます。
 達人の凄さはドライバーで狙った地点に打てることで、達人曰く「毎回同じことの繰り返しでつまらない」といつも呟くほどですが、私には到底できない技になります。


 アベレージゴルファーはなぜか「ショット命」みたいな風潮になりがちですが、その反動としてパターを疎かにしてしまう傾向にあります。
 しかし、よく考えてみれば最後はパットが入るか入らないかでスコアが決まることは疑いのない事実であり、そこが分かっていないからアベレージゴルファーの域を脱出できないのです。

(最近は普段座る椅子の近くにこのパターを置き、素振りをするようにしていますが、いつか達人のパット力に近づきたいものです)


 アマチュアの出す70台のスコアなんて、ミスを最小限にしさえすれば飛距離がなくても達成できるもので、練習場でドライバーショットだけの練習に明け暮れている間は無理な相談だということです。


 達人のように、そこそこのショットを繋ぎ、正確なアプローチ力とパット力でパーを重ねるゴルフが実際は凄みがあるのですが、華やかさに欠けるゴルフでもあり、アベレージゴルファーにとっては憧れになるゴルフではないのは確かです。


 先週金曜日の達人のスコアを確認することで、新人のレッスン生の実力がちょっとだけ垣間見えたと思いました。