三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

初心者へのレッスンは難しい

 今日は近くの打ちっ放し練習場のオレンヂゴルフに午後から行ってきました。両膝の痛みで昨日の私自身のレッスンは欠席していましたが、今日は先日電話があり、旧知の知り合いからゴルフを教えてほしいと請われていたためです。


 この方は以前の同業者で先輩に当たり、無下に断ることも出来ず、当初はプロを紹介しようと思っていましたが、本人によるとそこまでのやる気はないようで、とにかく見てもらいたいと初心者が考えそうな発想による依頼でした。


 初心者の勘違いは、ゴルフは教えてもらえるとすぐに上手くなるという甘い考えですが、さすがに最初からプロのレッスンに連れて行くのも本人には敷居が高いだろうなと思い、とりあえず自宅近くの打ちっ放し練習場を指定して、そこに来るように答えていたのです。


 電話があったときは一週間ほど前で、まだ両膝の痛みが出る前でしたが、今日はとりあえず全般的なものを見るだけだからそれでもいいならという条件を最初に断っていました。


 約束の14時前にオレンヂゴルフにやってきた元先輩は、ほぼ6年ぶりに顔を合わせましたが歳は取っていても以前と同様な体形で、一目で彼だと分かるものでした。


 最初に「なぜゴルフを?」と始めるきっかけを尋ねましたが、答えは「これまで年に1~2回ラウンドしていたが120前後のスコアだった。ゴルフを始めたいと思い、あなたを思い出して一度教えてもらおうと思って連絡した」と言っていて、目標は100切りだと言っています。


 「悪いことは言わないから、最初は専門家に基礎からきちんと教わった方が結局は早道です」と告げましたが、100切りできる程度が目標なので、自分で練習するけどそのやり方を教えてほしいという趣旨のようでした。


 「100切りだけだったらアドバイスはできるけど、その後にどこかで行き詰ることになるけど?」と言うと「100が切れればOK」と言ったので、とりあえずスイングを拝見することにしました。


 まず気になったのが持っていたアイアンが30年ほど前のもので、打たせてもらいましたがなかなかハードで私が打っても右にしか行かない代物で、腕に合わないクラブを使っていることをまず注意しました。


 私のアイアンを貸して打ってもらいましたが、自分のアイアンではスライスばかりしていたのに、左にしか飛ばず、真っすぐ飛ばないハードなクラブで一生懸命に左へ打つことで相殺しようとする癖が付いてしまい、普通のクラブでは左に引っかけるスイングになってしまっているようです。


 そこでアイアンはまず中古でもよいので、帰りにショップで店員に相談してほどほどのクラブに買い替えることを進めました。
 新しいクラブで練習しないと、余計に変な癖が付いてしまうから、今日はアイアンの練習はなしにしましょうといいました。


 アイアンは見たことにないような古さでしたが、ドライバーだけは新品を買ったようで、TMのシムを持っていたので打ってもらいました。
 すると弱弱しいスライス球が150yも飛ばず、何度か打ってもらっても同様な結果になります。


 先輩は私より1学年上なので今年68歳になるはずですが、さすがにこの飛距離ではどうしようもないと思い、まずグリップから気づいた点を変えてもらいました。
 私が気になった点が、左手の親指の腹がシャフトに乗っておらず、親指の左側面がシャフトに当たっているグリップになっていたのです。


 ウィークだろうとストロングだろうと、左手親指の腹でシャフトを支えることが重要だというと「スライスするからフックグリップにしている」と答えがありますが、親指と人差し指の間を空けてグリップするとトップでシャフトを支えられないからと理由を述べて、フックグリップにしたいなら親指だけを右に回さず、グリップ全体を右に回すように持てばよいといいました。


 100切りが目標であるなら、180y程度をとにかくコース内に打てるドライバーショットは必須であり、本人は「スライスしか出ない」と言っていましたが、「だったら左を向いて安定したスライスを打てればOK」と答えました。


 そのうえで、コツは左右の手の動きを反対に動かすことだと指摘し、スプリットハンドグリップで素振りをしてもらい、インパクトでは左手は飛球線方向の反対側に動かせば、ヘッドが走ることを実際に確認してもらいます。

(インパクトが詰まった感じで、しっかり振れておらずヘッドが走らないスイングでした。このスイングで150y飛んでいなかったので、スプリットハンドでの素振りをしてもらいました)

 スプリットハンドでスイング練習し、左右の手が反対の動きをすることを意識してスイングすると、それまでのスライスの度合いがフェードに変わり、飛距離も170yほどになったので、とりあえずドライバーショットをインパクト時に左手を飛球線後方へ右手とは反対方向に動かすよう意識して練習することでドライバーは終わりにしました。


 100切りのために大事な30yの距離を打てるかやってもらいましたが、まず距離感がバラバラで30yなのに50yも打ったり反対にダフッて手前だったりと、30yの距離を打てないことが分かります。
 自分で練習するのであれば、30yの表示看板を目標にして当てるように練習してくださいといい、アプローチで使うクラブを2本持って来てと指示して練習グリーンに向かいました。


 すると持ってきたのがPWは良いとしてもう1本が7鉄だったのです。本人は7鉄で転がしのアプローチをするということでしたが、やってみてというと7鉄をフルショットのように長く持ってスタンスも広く、球からも離れていたので、そこを直してもらいました。
 「飛ばす必要がないのに、傍目からは150yを打つように見える。もっと球に近づき両足を揃え、シャフトを持つくらい短く持ってやってみて」というとまだ出球は強いもののとりあえず形にはなりました。 


 「7鉄も悪くないチョイスだけど、基本はもう1本のPWで形作った方がいい」とアドバイスし、その後の練習はPWでやってもらいました。
 「100切りだったら残り30y内を3打でホールアウトすればOK」だといい、そのためにはトップのミスは絶対NGでトップするくらいならダフリの方がマシ」といい、5m内に寄せることができればOKだと言いました。


 なぜかドライバーではやっていない手の返しをアプローチではやっていて、それじゃ距離感を出すのが難しいと指摘し、さっきやっていた飛ばないスイングを今やらなくちゃと言いましたが、本人はこの辺りは理解できないようでした。


 とにかく100切り目標だったら、打ちっ放し練習場で30yをしっかり打てるよう練習し、アプローチグリーンで10yほどのピッチエンドランのアプローチとパター練習をしっかり行えばすぐに切れますと答えました。
 アプローチグリーンから打席に帰るついでに練習マットがあったのでパターを見ましたが、速いマットであってもカップまでをしっかり距離合わせしないといけないのに、何度打ってもタッチが強いためかなりオーバーしてしまいます。
 自宅でパターマットがなくてもカーペットの上などで、パターの練習を合わせて行うようにアドバイスしました。


 たった2時間余りの時間だったので駆け足で気になったことをその都度告げ、そのための練習方法を教えましたが、とにかくショートゲームの練習が100切りのための必須課題で、ドライバーは左右の手が反対に動くイメージで打つことさえ守れば、そこそこの当たりが出るためそれ以上は望むなと言ったものの、目を離した際に1人で練習していると、やはりドライバーを振っていたようです。


 「ドライバーなんて1ラウンドで多くても14回しか使わないのに、それをメインに練習して何になる?」と最初に注意しましたが、初心者はそれが分からないものです。
 確かにそれまでスライスで150yも飛ばなかったのが、両手の左右反対の動きを意識しただけで170yをほぼフェードで飛ぶことが面白かったのかもしれませんが、やりすぎるとチーピンが出るからと注意したものの、そこは理解してもらえてないはずです。


 できればプロの指導を受けたほうが良いと何度も言いましたが、そこまでレベルの高い目標ではないからと意味が分からない理由を述べていて、この辺りも初心者の勘違いということです。
 100が切れれば90が切りたいと思うし、90が切れれば80を、80を切れれば70を切りたいと最初の目標に届くとまた先に目標が出るのがゴルフというものです。


 初心者が考えるほど、ゴルフの上達は簡単にできるものではなく、ゴルフはお金を使わなければ上達はしないもので、ラウンドにお金を使って実戦で鍛えるか、それが無理な場合は最初にきちんと基礎をプロから教えてもらう方が、実際は上達の近道なのです。
 ただこの先輩のように、全くの初心者でないことは、年齢からも上達の歩みが鈍いのは間違いなく、後は諦めずに私が言った練習を続けるかどうかですが、やはり定期的にレッスン会に通った方が身のためのようです。