三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

プロは大変

 今日も熊本は朝から快晴ですが、夏のような暑さは無く気温は9時現在で24℃と気持ちよい気候になっています。
 それでもこれから昼にかけて最高気温は30℃越えになる予報で、一日の中に夏と秋が同居しているようなもので、朝晩だけで涼しくなっているのです。

(私はお楽しみゴルファーなので、気楽にプレーするようにしています。これは北海道の滝川市民GCでの2番パー4でのミスショットの後の2打目)


 昨日はCS放送でLPGAステップアップツアーの「中国新聞ちゅーピーレディースカップ」の中継を見ていました。
 それは私が過去にレッスンを受けていたプロが育てたプロ第1号の奥山純菜プロが、通算8アンダーのトップタイで最終日最終組にいたためです。


 テレビ中継は、午前中の放送が1番ホールを中心に、午後からの放送が優勝争いを中心に放送していましたが、奥山プロはアウトの6番から3連続のボギーを打って後退してしまいますが、後半になると11番から3連続バーディーでスタート時のスコア8アンダーに戻していました。


 ステップアップツアーの賞金女王である14位スタートのウー チャイェンがこの最終日に6アンダーを出して通算10アンダーで逆転優勝しましたが、最終組の3人は奥山プロはじめスコアを伸ばせず、石川怜奈がパープレーで2打差の2位タイになっただけで、アマチュアの吉田鈴は3オーバー75を叩いて12位タイと沈み、奥山プロも最終ホールのボギーで4位タイに終わっています。


 16番パー3で奥山プロだけがバーディーチャンスに付けましたが、パットは弱く傾斜で左に切れていて、危なげないパーではあったもののここで求められたのは、決まらなくてもカップをオーバーする勢いのパットだったはずです。


 テレビ中継の解説者の岡本綾子プロは、最終組が16番・17番とスコアを伸ばせなかった時点で不満だったようで、それはあっさり4組前のウー チャイェンに逃げ切りを許したことで大会が盛り上がらなかったからです。


 テレビ的には、せめて最終組が最終ホールに来た時点で1打差だったらまだ中継にも熱が入りますが、それまでの最終組の内容がそうではなく、最終ホールの時点での2打差は到底追いつかないスコア差だと分かっていたからです。


 ここがプロとアマの違いであり、優勝者はもちろんのこと、2位以下になった選手も大会を盛り上げるためには逆転もあるかもというゴルフを展開すべきだというのが岡本プロの考えのようで、2打差を追っていた2人が最終ホールでイーグル奪取に向けてのピン方向へのショットを放つどころか共に左にグリーンを外した内容に「あらあら」というような落胆な声を出したことからも分かります。


 この18番パー5では2打差のプロ2人には、入る確率はほぼなくてもカップ方向に打って行く3打目が必要だったのですが、2人共に同じようにグリーンを外し、結果的に奥山プロはアプローチをウエッジで打って大きくショートし、結果はボギーにしています。


 昨日の日記にも書きましたが、解説の岡本プロは昨日の2日目にアマチュア選手が奥山プロと同様な場所から寄せきれずにボギーにした際に「難しい場所」とか「いろんなアプローチを今後覚える必要性」などをコメントしていましたが、昨日の最終組のグリーン周りでは前日のアマチュアのプレーとは違ってコメントはほとんどありませんでした。


 つまり岡本プロの目線では、最終組の最終ホールのプレーはプロ失格だというもので、例え追いつくのが無理だと思っても、最後までテレビを見ているファンにアピールするのがプロの責任だと言外に言っているように私には感じられました。


 つまりプロがアマと違うのは、見てもらってなんぼという点で、不甲斐ない最終組であっても最後だけでも盛り上げるようなプレーをしてほしいと思っていたのにそれを裏切るようなプレーしかできないのは、岡本プロにとっては大きな失望だったのでしょう。


 単に女子プロが賞金を獲得することを目的にプレーするだけなら、男子プロの二の舞になるだけです。
 ゴルフも一種の興行であり、見ているファンにアピールできてこそ視聴率や来場者数がアップするもので、そうなるとスポンサーも多く付きやすく結果的に賞金もアップできるものです。


 スコアを守るのがアマチュアに対し、プロはリスクを承知で攻めるからそこにドラマが生まれるもので、そのドラマの中心は優勝者ですがそのドラマを作りあげるのは優勝者以外の選手たちなのです。
 脇役が頑張ってこそ主役が輝くもので、プロの1人1人がその意識を持っていないと単に自分の利益だけを考えてスコアを崩さないようなアマチュア的なゴルフになってしまい、それだったらわざわざ見なくてもよいということになってしまいます。


 岡本プロが私のような考えだったのかは分かりませんが、現在は盛況な女子プロゴルフ界であっても、ファンの期待を裏切るつまらないゴルフをするプロが多くなれば、そのうちにファンからはそっぽを向かれるのは男子プロのこの10年の状況を見れば分かるはずです。


 岡本プロから見ると、少なくとも昨日の最終組は与えられた責任を果たせない組だったと言いたかったのでしょう。
 厳しいようでも、それがプロという意味でありアマとは大きく違う部分で、1人1人が自分をアピールできなければ、今回のように盛り上がりに欠けた最終日の中継になってしまうのです。


 今回は私見を交えて厳しいことを書いていますが、16番のパットを強気で打って3パットするような選手の方が人気は出るのであり、その時点で見ている者が求めるのがバーディーゲットであり、それにチャレンジできないのであればどうなのだろう?と言えるのです。


 ステップの舞台だけでなく、上のツアーや世界の舞台ではそうした場面で強気に打てる選手が結果を出せるもので、それは全英女子OPで優勝した渋野日向子の優勝を決めるパットからも分かるはずです。
 同期にはすでにツアー優勝者もいますが、焦る必要はないもののプロになった以上はプロのゴルフをして、勝っても負けてもギャラリーにアピールできるゴルフが出来るようになれば、ツアー優勝を果たせる力は既に備わっているので、スターとして頭角を現すことがきっとできるはずです。