ゴルフ場が変わるチャンスの時期
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の延長が決まり、もうしばらくは外出自粛を求められています。
しかし、熊本のような地方都市は、新規陽性者の発生数が下火になっていることが数字でもはっきりしています。
5月7日現在(カッコ内は4月26日現在)での熊本市におけるPCR検査数は3.416人(2,912人)でうち陽性者数は47人(47人)ですが、4月26日から2週間近くは陽性者が出ておらず、今後の制限解除いわゆる出口戦略の時期が重要になってきます。
さて、ゴルフ場の経営は新型コロナ騒動にかかわらず、かなり以前から厳しくなっていることは周知の事実ですが、その理由はプレーする年齢層が高齢化し、反対に若年層がゴルフへの興味を持たなくなっていることなどが挙げられています。
現在は、ウイルス対策のため「三密」を避けることを求められていますが、ゴルフこそ「三密」とは無縁のレジャーだと言え、もっとアピールすべき時なのではないでしょうか?
集客で苦労するゴルフ場は、この状況を逆手にとって、従来の営業方針を一気に変化させるチャンスだと私は思っています。
まず、現状としてゴルファー人口の高齢化問題への対策では、平日の集客は高齢者を中心として考えることが重要です。
土日などの休日は、逆に就業年齢の層を対象に考えればよいのだと思います。
具体的には
① 平日の料金はこれまで通りに安価なものにするとして、土日は60歳以上を高めに、60歳未満は平日なみの料金設定にすることです。
そうすることで、休日はゴルフ人口をアップする施策の日として、収入のそう多くない若者でも気軽にラウンドできる環境を整えるのです。
もちろん、営業的には土日の収入に頼っているゴルフ場が多いのでしょうが、ただでさえ新型コロナの影響で来場者が減っているわけで、こんな時期に土日の料金引き下げを行えば、若者の利用者数が増加するはずです。
ただ、日本のゴルフ場はメンバー制が多く、メンバーから苦情が多くなることは容易に予想できますが、これには預託会員制度から株主会員制度に変更をすべきだと思っています。
会員が株主になればそのゴルフ場の経営にも意見が言えることになり、反面として経営にも一定の責任を持つことになるわけです。
② コースをアウト⇒インの一方通行にしてハーフ休憩を無くす
ゴルフ場にはアウトとインがありますが、前半のアウトはクラブハウスから出かけて行き(Going OUT)、後半のインはクラブハウスに帰って来る(Coming IN)という意味で名付けられたものです。
日本は1番と9番、10番と18番をクラブハウス近くに作り、アウトもインも同様にスタートできる作りになっていますが、これは効率的に多くの客を詰め込むための手法です。
しかし、一見効率的だと思えても、実際はそこまで効率的なのかは疑問です。それは折り返しでそれぞれがクロスするためで、一方通行に比べて倍の組が入る計算にはならず、スムーズな進行そのものも妨げる原因です。
阿蘇グランビリオゴルフ場西コースは、1番からのスタートしかできないコースですが、途中の休憩が入らない分、ラウンドに要する時間も短く、その分多くの客を入れることが可能です。
「ゴルフは時間がかかる遊び」というイメージから脱却するためにも、1組3人までとし、1ラウンドを4時間でのプレーを目指せば、半日で済むはずです。
スタート時間帯の偏りの問題は、料金に若干の差をつけることでニーズの分散化を図れば、いいのかもしれません。
問題は、現にあるレストラン施設や従業員の扱いでしょうが、熊本のゴルフ場では営業自粛のレストランも多く、ゴルフ場経営に足を引っ張るレストラン施設は縮小するチャンスになるのではと思っています。
もともと休憩を入れるのはレストランの売り上げをアップするためでもあり、だからこそ馬鹿高い料金を取られる羽目になり、ますます一般の利用者を見込めなくなるという悪循環に陥っているわけで、だったらこの際に見直せばというものです。
かなり乱暴な意見であることは分かります。60歳以上でもまだ現役でバリバリ仕事をしている人も多いし、そんな人は土日しかラウンドできないということもあるでしょう。
しかし、土日はできるだけゴルファー人口を増加させるための日だという考えで、60歳未満を優先させ、例えば60歳以上は土日2~3万円程度の料金を取っても、現役である場合は支払える能力があるのではと思います。
メンバーシップのゴルフ場でそうした施策を取りたくないのであれば、ビジターは基本として入れず、その代わりそのゴルフ場を運営させるだけの負担をメンバー全員が行えばよいだけです。
このままいけば、熊本県内のゴルフ場での倒産件数は増えるのではと危惧しています。新型コロナ対策で三密に繋がるロッカー・お風呂は利用しない現状を恒久化して経費のカットを図ることも同様で、贅沢な遊びではなく健全な生涯スポーツとしてのゴルフを愛好者に提供するスタイルで生き残ることが重要だと思っています。