万人に合うゴルフ理論なんてない
それらを見てみると、ほとんどが「〇〇するミスの原因はこれだ!」とか「スライスさせない打法」とか、一見すると誰でもその通りにすれば、悩みが解消するような謳い文句です。
しかし、これらのレッスンなどを経験したゴルファーは分かるでしょうが、それをやったからといって悩みは解決せず、それどころかますます深みにはまってしまう場合も多いようです。
女性が練習場で1人で打っていると、ほぼ間違いなく近くにスケベ親父が寄ってきて、最初は見ているだけですが、そのうちに声を掛けてあれこれと自分のゴルフ理論を振りかざし、頼んでもいないレッスンを勝手に始めるケースが見られます。
こんなときは「今はプロのレッスンを受けているので、他の方の意見は聞かないように言われています。」とやんわり断ることが効果の高い方法ですが、それでもしつこく指導したがる困ったスケベ親父も多いのです。
もし「実際に打って見せてください。」と言ったとしても、そうした教え魔は「自分はできないけど〇〇に書いてあったから。」という言い訳になりがちで、自分ができないものを他人に押し付ける教え魔の神経にも驚きです。
ゴルフにはいろんな理論があり、中にはいわゆる定石とは真逆のことを主張する(中にはそれで逆に目立つための方法として使う?)レッスンプロも多いのですが、アマも含めてほとんどが経験則でしか判断しないため、自分の成功体験を基に教えたがります。
しかし、人間は大まかな造りは同じでも実際の中身は全てが違うという当たり前なことが良く分かっていないように感じています。
外見上の「身長」や「体重」でさえも一致することのほうが奇跡であり、筋力の強さや柔軟性なども人それぞれに違っているのは当たり前なことなのです。
利き腕(右利きや左利き)の違いがあることは広く知られていますが、効き目(右目もしくは左目のどちらかを主体的に使っているか)や利き足、効き軸などもあるそうで、そうしたものを加えると、この世には系統として大雑把に分けても何種類ものゴルファーがいることになります。
身体の歪みの方向も人それぞれに違うもので、直立歩行をしている人類であれば、こうした歪みは必然なことになります。
ゴルフのスイングは、手で持ったクラブの先端にあるフェースで止まった球を打つことであり、静止した球にスイングによってエネルギーを伝えることで球を思った方向に動かすということがそもそもの原理になっています。
つまり、クラブの研究はクラブのメーカーに任せるとして、レッスンではクラブと体の接点である「グリップ」やエネルギーを効率的に伝えるための「体重移動」や「クラブが動くスイングプレーン」などについては、かなりの研究がなされています。
しかし、その大基になる人の筋力や身体の歪などを含めてレッスンするものはほとんど見られません。
もちろん、筋力アップのための筋トレなどを推奨するレッスンもありますが、今からゴルフに合った体つくりを始めることは、ジュニアやプロを目指す若者であれば有効でしょうが、私のような還暦を過ぎたシニアゴルファーには今更ながら無駄というものです。
人間は立って移動することができるのであれば、それなりの筋力はあるはずで、要はわざわざ筋トレで作らなくても、いま持っている筋力を有効利用してゴルフができないかなと考えています。
歩くような体重移動でスイングすることができれば、いつもの歩行で作り上げた足の筋力を使えることになります。
要は自分自身のことを知って、できるだけ省エネな方法でゴルフをすることが目標です。
ゴルフのスコアも、ラウンドと同様にお金をかけずにアップできればと思っています。