三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

雑感

 今日の熊本も朝から暑く、9時過ぎには31℃という気温になっています。明日は5月以来の阿蘇ハイランドの早朝に行く予定ですが、暑さの前にラウンドを終わらないとヤバそうです。


 さて、最近のネットニュースではテニスの大会における選手の振る舞いに非難が殺到していますが、どうも記事を書いた側に煽られた感があると感じるのは私だけでしょうか。


 まず全仏オープンの女子ダブルスにおけるボールパーソン(BP)に対する日本の加藤選手のボール直撃問題ですが、この動画を私も見ましたが加藤選手の行為は軽率で危険なものだと思えました。
 動画を見るとプレー後に自コートにあったボールを拾い上げて、バックハンドで相手コート側の後方にいるBPの女の子に直接当てたのですが、これはそんな気はないと言い訳しても言い逃れ出来ない危険な行為です。

(この後に加藤選手が打つ素振りを見せたため、このBPは慌てて左に避けています)

(加藤選手の打った球がライナーでBPの少女に向かっています)


 最初の画像に加藤選手側のコートにあるボールをBPが回収に来ていますが、その子に任せるか先にボールを拾ったのであれば1バウンドもしくはラケットに乗せて渡すのが普通の行動で、加藤選手は自身の練習のためかバックハンドで打っていますが、回収に来たBPが慌てて退いている姿も見られ、これだけでも通常ではないような動きに見えてしまいます。


 その後、加藤選手が打った球はダイレクトで後方フェンス近くのBPの女の子に当たっていて、意図せずともこの行為が失格の原因になったのは仕方ないのではと思います。


 結局、ここで問題なのは当初は主審が警告を与えただけだったのを対戦相手が抗議して、スーパーバイザーが介入して失格という処分に変えたことですが、これはルール上に明記されていることなので、最初に主審がルールの適用を間違っていたという形になるだけです。


 加藤選手にその意思があったかどうかは別として、少なくともやった行為は周りから失点して怒りに任せて危険な行為をやったと受け止められても仕方ないことで、ラケットで相手コート内にバウンドするような球を打つならまだしも、プロとしてあり得ないダイレクトで相手側の後方フェンスにライナーで当たるような球をプレー外でしてしまい、結果的にBPの少女にぶつけてしまったことは失格に値する行為だったと思われます。


 また非難されている相手ペアは当たった様子を見てもいないのに勝利のために執拗に抗議し、それが認められて喜んだ様子がスポーツマンシップに反するとなっているのですが、それはその通りでもプロ同士の戦いなので勝つためにはある程度の駆け引きも仕方ないものです。


 次にハンガリアンGP一回戦で張帥選手(中国)の返球がインかアウトかで揉め、主審は球の跡を確認して再度アウトと宣告してプレーは再開したものの、その後のプレーで張帥選手が再び騒ぎ始め、その間に相手のトート選手(ハンガリー)が球の跡を足で消した行為が物議を醸したものです。


 この場面も私は動画で確認しましたが、第1セット5ゲームスオールの第11ゲーム張帥選手のサービスゲーム、ポイント15-15での場面でしたが、張帥選手のフォアへのショットがラインにかかったかどうかという微妙なショットでした。


 動画では遠目でよく分からないけど、ラインズマンは動きから「アウト・セーフ」のゼスチャーをしていないように見えますが、微妙な判定だったので態度を保留したのかもしれません。
 しかし、すぐに女性の声が「アウト」と響いていたので主審(女性)が判断したものと思われ、張帥選手の抗議で直ちに主審は球の落下地点に確認に行き、再度「アウト」とコールしています。


 このため、ここでポイントはトート選手側に入って15-30となったわけですが、問題のトート選手が球跡を消したのはスコアが30-30の時で、ビデオではカットされていますがこの間に1プレーがあり、張帥選手が1ポイント取っていることが分かります。


 つまり、張帥選手はいったんは「アウト」を認めて試合を再開しているわけで、その意味では「終わった」ことですが、なぜ再び抗議を始めたのかがよく分かりません。
 先の加藤選手の問題の場合はルール適用の判断の可否ですが、今回は「アウト・イン」の判断なので主審の権限に属するもので、プレーを再開したことからもいったんは張帥選手は主審のコールに不満ながらも同意していたことになります。

 ここでトート選手の足での球跡もみ消し行為ですが、彼女の立場から見ると第1セットの山場である第11ゲームをブレークできればセットを取るチャンスになるため、その集中力を削ぐような認められない抗議を再び始めた相手に「もう終わったこと」とばかりに球跡を消したことは、その時の態度からも想像できますし、サービスボックス付近の球跡だったので張帥選手のサーブがまた同じような場所に付くかもしれず、それを避けるために消したとも受け取れます。


 クレーコートの場合は「アウト・イン」の判断を球跡で確認するため、次のプレーに影響するかもしれない微妙な位置の球跡を消すのは選手としてあり得る行為で、その跡が付いた際のポイントは終わっているのだから全くルール上は問題ないものです。


 ただビデオで見ると、やや挑発的な動きにも見え、それが物議を醸したのでしょうが、それをさも「張帥選手がインだと抗議している最中に消したように煽る見出し」も正確ではないのです。


 ちなみにネットでは「テニスは白人至上主義のスポーツなので差別された」というコメントも多くありましたが、トート選手は国籍こそハンガリーですが元々はタイ系の選手であり、動画を見ても小柄な東洋人だと分かります。


 またハンガリーの大会なので自国有利な判定とも非難されていますが、主審はフランス人なのでそれも当たらず、ランキング的にも張帥選手が上であり、そのまま試合を続行していれば張帥選手の勝利という順当な結果になったのかもしれません。


 結局、トート選手が張帥選手の棄権の後に手を上げて喜んだのは、WTAの大会に初出場で難敵に対し予想外の初勝利という結果に舞い上がったというだけのように思えますし、それを批判しても仕方ないと思っています。


 張帥選手は、棄権を申し出した後に主審と対戦相手と握手していて、そこはフェアだと感じました。
 ただその後に、なにか観客に向けて抗議しているような光景が写っていますが、想像するにインと抗議した際にブーイングめいたものが観客席から浴びせかけられたのかもしれず、これは観客のマナーの面でしょうが、逆に主審が確認してアウトと宣告したのに執拗に抗議を続けたことに対するブーイングだったのであれば仕方ない面もあります。


 どちらにしても、まだ第1セット目で1ゲームリードされただけの状況での棄権という選択は、自滅といえば自滅であり、それを持って対戦相手に非があったとは言えないと私は思っています。


 また主催者側が「中国人は操作されたビデオで世界を操っている」と投稿して後に削除していますが、この投稿は主催者としてどうかとは思うものの、実際に出回っている動画はさもポイントを巡って張帥選手の抗議中にトート選手が踏み消したような作りになっているのが現実です。
 タイ系のハンガリー人選手が初出場して思わぬ不戦勝で喜んだことに、そこまで非難を浴びせることが正義なのか、逆に彼女への人種差別の意図はないのかと疑ってしまうのは思い過ごしなのでしょうか。