三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

勘違いする人

 今日の熊本も暑さが酷く、庭に出ると日差しでクラクラするような天気になっています。明日から阿蘇で3連チャンの予定ですが、果たして無事にゴルフが完走出来るかは自信はなく、出来るところまでやって、無理はしないつもりですが、いったん始めると止める勇気はなかなか生まれないものです。


 さて、以前にあった阿蘇ハイランドのラウンドでの出来事です。この日は、途中の6番で女性1人を含む3バッグに追い付き、その後はパスできずに最後まで後ろを付いて行きました。
 そのため、前組のティーショットなどを後ろで見ることになり、うち男性1人のドライバーショットですが、見ていただけでは全てミスっていて、そのたびに「今日はおかしい、当たらない」とボヤく声が後方で待つ我々にも聞こえてきました。


              

 それを聞いて一緒にカートに乗って待っている「アプローチの達人」が、「当たると思っている方が間違い。いつものことでしょう」と毒ついていたのはパスさせてくれない苛立ちからだったのかもしれません。


 しかし、こうしたボヤキをする人は割と多く、いつもはちゃんと打てるアピールなのでしょうが、ドライバーショットを毎回きちんと当てることなどアベレージゴルファーであればほぼ不可能といえるものです。


 練習場の平坦な打席であれば、10回スイングして半分程度は思ったような当たりが出るかもしれませんが、それを実力だと勘違いしてはいけません。
 ゴルフはたった1回のスイングで結果を出さなければならず、何度もショットすることはできないからです。

         


 その上、練習場とは違い、ティーイングエリアといえども平坦とは限らず、いや平坦であることの方が珍しいもので、傾斜からのショットを練習していなければ、当たる方がマグレだというものです。


 プロでもそこそこの当たりを繰り返しているもので、要はアマチュアのように100点か0点かのショットではなく、平均的なショットを続けることができるだけです。


 見た目ではナイスショットのようでも、打った本人は手応えで「当たりが薄い」や「少し擦った」と分かるもので、そうであっても傍目でもナイスショットに見えるものです。


 アベレージゴルファーは、常に100点満点のショットを望むから、せっかく生まれたそこそこの当たりで満足できず、もっと打てる(飛ばせる)と無駄な力を入れてミスショットを出してしまうもので、100yほど飛べばOKと思ってスイングすれば、いやでも150yは飛んでいくのがドライバーショットになります。


 これは練習場でティーアップした球を100yの目標に打ってみれば分かるもので、ほとんどが100y以上飛んでしまい、逆に言うと100yの距離をドライバーで打つのは難しいと分かるはずです。


 OBになるショットを考えてみれば、基本は打ち直しであり、同じ位置から既に打った1打に罰打の1打を加え、次は3打目になることは誰でも分かりますが、それは1打目を真逆の方向に打って2打目で元の場所に戻したことと同じ意味です。
 つまりOBを打つということは、目標とは正反対方向に打つ意味であり、だったら100yでも目標方向に飛んでいく方が絶対に有利だと分かります。


 いくら良い当たりを打っても曲がってOBになっては意味ないもので、スコアが纏まらないアベレージゴルファーほど、例えOBであっても飛距離が出るショットの方が150yショットよりも評価する傾向が高いものです。


 これらは初心者にありがちな勘違いですが、10年以上も続けているゴルファーにも案外多く、1人予約で100叩きしていてもドライバーショットで飛距離を出している同伴者に賛辞が集まり易いことからも分かります。


 それくらい飛距離神話が蔓延しているもので、飛距離を伸ばす練習をしてOBを量産する羽目になるゴルファーも多く、「飛距離が伸びればスコアは伸びる」と勘違いしている人は多いものです。
 ゴルフはターゲットゲームであるため、まず狙った方向に狙った距離を打てる技術を練習すべきですが、これは1y刻みに打つような精度でなく、ティーショットではアバウトにラフを含むコース内に打てるレベルでよく、グリーンを狙う際はセンターを狙ってどこでもオンできる程度のレベルになり、それが出来るようになれば「シングル」ハンディクラスだということです。


 ドライバーショットはまず当たらないものだと思っていればミスしてもそう悲観はしないもので、それくらいコントロール性と飛距離を両立させるのは困難だと認識しておくべきです。
 週1の練習程度で会得できるはずもなく、練習場で打てるようになっても実戦で使えるものでないことをしっかり認識していれば、妙な勘違いなどなくなるものです。


 身も蓋もない言い方になりますが、アベレージゴルファーが習得に時間を要する飛距離の練習を目指しても、それがスコアメークに繋がることはほぼなく、当初の目標達成など100%無理だと言えるものです。


 本来のゴルフの楽しさは、自分の持っている今の技術の範囲でコース攻略を考えることですが、そうした楽しさを知らないまま、ゴルフ関係マスコミなどのミスリードで毒された一般ゴルファーが世の中に数多く氾濫していることが勿体ないもので、今一度ゴルフの常識を疑って自分を見つめ直した者がゴルフというゲームの入り口に立てるのだと思います。