三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

本当にキャディーだけが悪い?

 熊本を含む北部九州も昨日のうちに梅雨明けしてしまい、今年は雨量が極端に少ない梅雨になっていて、今後に水不足などの事態が起こらないか心配しています。


 以下の内容は26日に書いていましたが、アップをしていませんでした。それは具体的な動画や静止画を乗せたかったけど、著作権の点からできなかったからです。
 そのため、文章だけになってしまいますが、せっかく書いたのでアップしようと思います。


 LPGAアースモンダミンカップ初日で大西葵プロのキャディーを務めた大江キャディーが、自分のアドバイスに選手が従わなかったとぶち切れ、途中でキャディー業務を放棄したとネットニュースで取り上げられています。


 たまたま、このキャディーが過去にも問題を起こしてLPGAから処分を受けていたことから、またいかつい男性と可憐な女子プロという見た目からも、圧倒的にキャディーが「悪者」で選手が「被害者」という図式になってしまっているようです。


 「事件」はインスタートの大西プロが17番パー4のセカンドでシャンクし、右のレッドペナルティーエリア(RP)方向に球が飛んでしまい、その処置を巡ることで起こったようです。
 この場面の状況はネットニュースでしか見ていませんが、それによると大江キャディーは元の位置からの1打罰での打ち直しを勧めましたが、大西プロはRPからの処置を選択したとあります。


 その際に、バッグを放置したので見かねて他のキャディーがバッグを持って行き、それに大江キャディーが怒鳴ったとも記事にありました。
 しかし、そもそもラウンド中は選手に付けるキャディーは1人だけで、他の者から援助を受けると選手はペナルティー対象になるため、それに対して「余計なことをするな!」と大声で注意したのであれば、選手への無用なペナルティーを防ぐためのもので、キャディーとして当然の行為です。


 また、RPからの救済として「元の位置から」という選択もあり、その場所を見失わないように大江キャディーはバッグを置いたまま池方向に向かったのだと思われ、バッグを勝手に動かされては「元の位置」が分からなくなってしまいますが、同伴競技者のキャディーがいつバッグを動かしたかは不明で、この辺りの経緯はLPGA側がわざわざ「競技進行上の措置として問題ない」とコメントしていることからも、ペナルティー対象になる恐れはあったということです。


 ネットニュースでは罰打に間違いがあったりするので記事の内容に疑問がありますが、LPGAに載る大西プロのホールバイホールを見てみると、初日の大西プロの17番のスコアは「5」でパット数は「1」となっています。


 つまり、もしRPに打ち込んでいたのであれば、結果論でいうと大西プロの判断が正解だったわけで、RPからの1打罰を加えた4打目をグリーンオンし、見事1パットのボギーという最小限のスコアロスで凌いでいたことが分かります。


 ただ他の記事には池の近くに球が残り、それを無理して無罰でプレーしたともあり、結果的に4オン1パットだったかもしれず、真実は確認できません。
 スコア「5」自体は変わらなくても、RP内から無理してプレーしたのであれば、「5」で収まらないことも予想され、キャディーの「元の位置から」の進言はリスク管理の上からも当然のように私は思います。


 ネット記事には「キャディーは職場放棄した」とありますが、それが起こった18番パー4のティーイングエリアの様子を動画で見ると、どう見てもキャディーが職場放棄したとは見えない部分が写っていて、ネットニュースはどこをみてそんな記事を書いたのか分かりません。


 動画で見た18番ティーの様子を箇条書きにしてみますが、前のホールの処置について2人の意見が分かれているようで、大江キャディーの「別の選択も残しておかないと」という趣旨の発言とイラついたように「お終い!」と発言する大西プロの言葉も聞こえています。


① 18番のティー横で、同伴競技者の福田プロと並んでいる大西プロは、かなり怒っているように腰に手を当てて憮然としている様子が見受けられます。


② 同伴競技者やそのキャディー達には大西プロがトラブルを謝っている声も聞こえますが、大江キャディーとは引き続き口論気味で、2番打者の森井プロのティーショット時には、怒った大西プロの声が聞こえていて、プレショットルーティンを中断した森井プロが困ったような顔をしてトラブル両人の方を見ている様子が窺えます。


③ 3番打者の大西プロがティーショットに臨む際には、涙を拭くような仕草をして仕切り直ししている様子が見られます。
 ネットニュースはこの場面を「号泣」としているのでしょうか?


④ 大西プロのティーショットは左ラフでしたが、その後は大江キャディーがバッグを担いで歩き出している様子が映っているので、「ぶち切れて業務放棄」ではないことが分かります。


⑤ ④の画面内には大西プロの姿は見えず、福田プロに話しかけている競技委員だと思われる姿が写っています。


⑥ 切り替わった画面には、ロープ外にいる大西プロが石井コーチや競技委員と話している様子が写り、大江キャディーは少し離れた場所で立ち止まり、担いでいたバッグを下ろします。
 この後、大西プロが手で「出ろ」という仕草をしています。


⑦ 同伴競技者も何事が起ったのだろうと立ち止まって注目していますが、ここで大江キャディーはバッグから自分の荷物を取り出しています。
 どうやらこの時点で大西プロからキャディーとしての任を解かれたようで、この後は石井コーチが代わってバッグを引き継ぎます。


⑧ 石井コーチがバッグを担ぎ、大江キャディーに対し「お疲れ様」という感じで肩をポンと叩く様子が見られます。


⑨ その石井コーチが担ぐバッグの中に、大西プロは持っていたドライバーを思い切り投げ入れている様子が写り、慌てて石井コーチが飛び出そうとするドライバーを抑えています。
 大江キャディーは、自分の荷物を手に、元気無さそうに大西プロたちの少し前を歩いている様子が写っています。


 映像を見た様子は以上ですが、たまたま大江キャディーにトラブルの「前科」があり、女子プロが涙を流したように見えたため、一気に傲慢なキャディーが「悪者」で可憐な女子プロが「被害者」と取り上げられてしまったのでしょう。


 しかし、実際は雇用主の女子プロがキャディーをラウンド中に怒りから解雇したということが真相のようです。
 ラウンド途中でキャディーを交代できるかどうかを競技委員に確認し、その後にキャディー役が交代していることからも、大西プロの方が主従関係では上だと分かります。


 結果的に大西プロは初日は75でしたが、2日目に73でラウンドし、通算4オーバーで予選通過を果たし、同伴競技者だった福田プロと同じ63位タイで通過していますが、もう1人の同伴競技者だった森井プロは通算12オーバーで予選落ちしています。


 ネットでは大西プロの頑張りを称賛するコメントもありますが、キャディーとの意見相違くらいで崩れるような「か弱い」性格でプロが務まるはずもなく、強い性格でなければ厳しい戦いを生き抜くことなどできないものです。


 私には楯突いた社員を即刻首にしたワンマン社長という図式に近いと思われ、今回は同伴競技者に2人の口論で迷惑をかけているのは明白なので、大西プロをこの大会では失格処分にするのが妥当だったと思っています。
 大江キャディーについては、これも雇った選手側の責任だといえます。


 それは、ゴルフは選手が起こした規則違反はもちろんのこと、キャディーが犯した違反も選手が負うというルールになっているためで、キャディーとのトラブルも当然に選手の責任であり、それも含めて協会側は選手を処分をすべき問題だと思います。
 今回は違反ではないものの、18番ティーで選手とキャディーが騒動を起こしたことは明白で「ゴルフの精神」に反するものだからです。


 キャディー個人については、次に職業としてのキャディー業務の声がかかるかという実質的なマイナス面があり、現実にもネットでかなり間違った非難や中傷をされていることから、特に処分は必要ないと思っています。


 大江キャディーは既に解雇という大きな不利益を受けているためで、問題を起こすキャディーだと他のプロゴルファーから認識されてしまえば、嫌でも再就職は困難になるものです。


 つまり喧嘩両成敗というのであれば、解雇され、その後の業務継続が保証されないキャディーに対し、何もペナルティーが無い選手というのはバランスが悪すぎ、この大会は失格処分を選手に対して課すべきだったと厳しいようでも私は思っています。


 少なくとも動画内の大西プロの言動は、決して褒められるものではなく、自分の意に添わぬキャディーに対して、怒りからラウンド中に解雇するため無用な時間を使ったことが遅延行為に当たることは明白だからです。
 既に試合は終わっているので、今更失格にはできないため、賞金相当の罰金を課するのが妥当かなと思っています。