三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

大事な大局観

 今日も左腰の塩梅が悪くずっと部屋に閉じこもりで、曜日の感覚も無くなっていますが、そのためか一日が終わるのを早く感じています。


 昨日のことだったのか一昨日のことだったのか分からなくなっているようで、こうして何もしないと段々とぼけ老人まっしぐらになってしまうのかもしれません。


 暇なので、昨日はテレビをつけっ放しで王将戦第4局を視聴していましたが、藤井竜王(王位・叡王・棋聖)が渡辺王将(名人・棋王)に勝利し、4連勝で王将位を奪取しました。
 これで藤井竜王は史上最年少の5冠達成者となりましたが、将棋の公式タイトルは8つあり、残るは名人・棋王・王座の3つになります。


 1996年に当時の羽生名人が7冠となり同年度内に全タイトルを制覇していますが、当時は叡王戦がタイトル戦でなかったため、もし藤井竜王が8冠制覇になるとすれば、史上初のことになります。
 しかし、8つのタイトル戦のうち「名人位」だけは現在の位置では挑戦権さえも得ることは不可能で、それは藤井竜王が順位戦でB級1組に所属しているためで、現在は名人への挑戦者を争うA級への来季昇級を目指しているところだからです。


 残り1局となったB級1組で首位となってはいますが、最終戦で佐々木七段にもし敗退すれば、昇級を争う他のライバルの結果次第ですが、同率で3人が並ぶこともあり、そうなれば今季から参加の藤井竜王の順位は下なので頭はねを喰らうことになり、来季のA級入りは絶たれてしまいますが、勝利すれば問題なくA級入りが確定するものです。


 藤井竜王のA級入りかというこの時期に、これまでA級の位置を長年保持していた羽生九段がB級1組への陥落が決まってしまい、時代の節目がはっきり見えていますが、羽生九段にはフリークラス転向など選ばず、もう一度A級復帰を果たして名人位への挑戦を目指してほしいものです。


 昨日の王将戦第4局は、テレビの将棋チャンネルで視聴していましたが、「観る将」としての私は単純にAIの評価値だけを頼りに視聴するものです。
 私が驚いたのが、渡辺王将の36手目「8八銀」の手でAIの評価値がそれまでの渡辺王将から藤井竜王の優位に変わったもので、ほんの数%ですが、以降は藤井竜王優位の局面で進み、結果的に渡辺王将はAIの評価を逆転できないまま投了に繋がりました。


     

(36手目に藤井竜王が7六歩と銀頭に歩を打ちました。2二に角がいるため、9九角成を防ぐためには7七の銀は右斜め上の6六の位置に上がるか8八の地点に引くしかありません。渡辺王将は過去の実戦で6六銀と指し、その局を落としたためか8八に銀を引きました)


 つまり、2択しかないような局面でどちらを差しても不利になるもので、それまでの模様の取り方に何か問題があったのかもしれませんが、藤井竜王の大局観というか将来の駒の働きを予測した指し方に人間離れした凄さを感じたものです。


 こうしたトッププロの全体を見る力は、終局の場面までイメージするものかもしれず、藤井竜王の勝利が決まる最後の局面では解説者が「ぴったり」と表現することが多いのは、無駄な配置の駒がない証明です。


 ゴルフでもそこまでの見通し力は無理であっても、状況判断は重要で、それは周囲を見る観察力によるところが大きくなります。


 1人予約では様々なレベルのゴルファーと一緒にラウンドすることになります。ほとんどが申告スコア90台のゴルファーですが、その中でもピンキリで、全くマナーを知らない人もいればマナーがしっかりした人もいて、マナーの優劣がほぼ技術の優劣に比例しているように感じています。


 メンバーコースの競技ではシングルクラスとしか一緒の組み合わせになりませんが、月例などのコンペではハイハンディーの方が入ることもあり、そうした方々には共通の動きがあるようで、それは1人予約のマナーを知らないゴルファーと同じものです。


 共通の動きとは周りのことが見えていないような傾向があることで、確かに自分がゴルフを始めた時期を思い出せば、回りのことなど目に入らなかったことを思い出します。


 最初は友人と百花園ゴルフ場という9ホール・パー32のショートコースに行きましたが、グリーン上で同伴者のパットのラインを踏んでマークに行き、少しだけゴルフを先に始めていた友人から注意されたものの、その後も気を付けてはいたのに何度か同じ注意をされました。


 その原因は、今思えば他人のプレーが全く見えておらず、同伴者がどこにマークを置いたのかさえ気づいていなかったためで、自分のプレーだけで精一杯でアップアップしていたからです。


 もちろん、自分のプレーさえも思い出せず、注意されたことなど記憶に残る出来事がなければ、その場面さえ記憶に残らないものでした。


 上級者が同伴者のスコアも記憶していることに、最初は不思議だったものですが、それを真似しようと記憶する訓練をしましたが、不思議なことに記憶力の上昇とともにHDCPは少なくなっていきました。


 その訓練は、最初は記憶できないためスコアカードに自分が後で見て分かるような記号を使って自分のラウンド内容を記入し、終わって振り返る反省を行うようにしていましたが、それを毎回やっていると徐々にメモが無くても記憶できるようになっていきました。


 すると不思議なことに、同伴者のスコアまで記憶に残るようになったのです。


 ある日、チェリー宇土でゴルフを最初に教えてくれた友人とラウンドした際に、14番パー5でその友人が申告したスコアに違和感を覚えました。
 ティーから振り返ってみて、そのスコアは過少申告だと分かりましたが、それまで申告されたスコアをそのまま疑っていなかったものが、違っていたら何か違和感を感じるようになった自分がいました。


 将棋の大局観とは若干違うものの、ゴルフも時間を越えて全体を見る目は重要で、コースと自分が置かれている状況に応じた戦略がなければスコアメークなどできないものです。
 現在は14番辺りまで来て、先のホールが少なくなると、残りホールをどのくらいのスコアで凌ごうかという予想を立てるようになりました。
 基本はボギーですが、パーが取れると次はダボでも可という考え方で、ミスを前提としたプランを立てるようにしています。


 闇雲にプレーをすることは最悪で、昨日の日記にも書いた「謙虚」なプランを立てるほうが、結果的にはスコアは纏まるものだというものです。
 そのためには、己を知り、コースを知るといういろんな意味での観察力は、ゴルファーにとって会得すべき大事な能力だと思っています。