三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

動画を見て私の参考意見を送ってしまう

 北海道のブロガーさんがスイング動画をアップされていて、気軽な気持ちで気になる部分をコメント欄に書き込みしてしまいました。
 この方のブログは普段から注目しているものの一つですが、このブロガーさんは私と同年齢にも関わらず、寒い中を熱心に練習場に通われているもので、せっかく練習するならこのシーズンオフの練習で直した方が良いだろうと思った部分があり、コメントをしてしまったのです。


 しかし、コメントの返信でこの方も五十肩と坐骨神経痛に悩まされているようで、②と③については、身体上の理由で難しいと返事をいただきました。
 配慮が足りなかったコメントをしたことを後悔する反面、その同級生の方が「鉄人」でなく、私のような故障持ちだと知って何かホッとする部分もあったほどです。


 改めて、気になった点を書くと次の3点になります。


① テークバックの際に顔がヘッドを見ながら一緒に後方を向く癖を直す
 このヘッドを顔で追う動きをすれば、確かに身体は回りやすくなりますが、その分、エネルギーを貯められず手だけのスイングになりがちです。


 実際にトップの形を、正面を向いたまま身体がブルブル震えるほど極限までクラブを引き上げて作り、そこで顔を後方に向けると、もっと身体を回すことができるはずです。
 つまり、エネルギーを溜める目的のバックスイングで、顔を後方に向けているとオーバースイングしなければ必要なパワーは溜められず、結果的にオーバースイングでスイングの安定性を欠くか、はたまたパワー不足のバックスイングになってしまうものです。


 顔をしっかり正面に向けてバックスイングできれば、その人の身体の柔軟性にもよりますが、シニアではオーバースイングなどできないもので、小さなバックスイングでも十分なパワーが溜められることになります。
 ただここで注意すべきは、小さなトップからは得てして打ち急ぎが出るもので、ダウンでは余裕を持ったスイングを心がけることが重要になります。


② インパクトはアドレスと同じ形でなく、左腰を開く形でのインパクトを行う
 よくレッスン書などに「インパクトはアドレスの再現」などと書かれていて、これを鵜呑みにしてインパクト時にも腰の位置をアドレス時と同じ形で打つ人をよく見かけます。
 このブロガーさんも同様な傾向が見られました。

(上はローリー・マキロイ選手、下がコリン・モリカワ選手のアイアンショットで、左がアドレスで右はインパクトの瞬間の画像です)


 実際は、プロなどのスイングを見ても、腰の開きは先行しているものですが、勘違いして腰を先に開かないスイングをしてしまうと左腕が通るスペースがなくなるため、左肘を曲げて抜いたり、反対に極端に手を返すスイングになりがちです。
 結果、左肘を抜くとスライスが発生し、極端に手を返すと引っかけ球などが出てしまいます。


 どんな形で力が入るかの確認は、柱など動かないものにアドレスしてクラブヘッドを柱に沿って置き、そのまま柱を押してみるとよく分かります。
 アドレスの形のままヘッドで柱を押すより、やや左腰を開いた形で押す方がヘッドに力が入るのが感じられるはずで、球を打つインパクト時にもこの力が入る形にすることで強い球が打てることになります。
 よく見れば、この形は手が先行するハンドファーストの形であり、左腰を開いてインパクトを迎えることができれば、自然に強い球を打てるスイングになるものです。


③ フィニッシュでは、左肩と右肩の位置は入れ替わる
 フォローの部分で身体の回転が不足すると、右肩の位置は元の左肩の位置より後方になってしまいます。
 つまり回転不足になり、これではパワーがしっかり球に伝えられないことになり、弱弱しいスライス球が出てしまいます。


 いわゆるボディーターンとは、バックスイングでしっかり身体を回し、フィニッシュでも同様に身体を回すことで、そこには手を使うというイメージは無くなるものです。
 実際は手で打つものですが、感覚は身体を回すだけというもので、いろんな動きが勝手に出来てしまう手を使う意識より、ずっと安定したスイングが可能になります。


 この右肩をしっかり回すことは、意外と難しく、よほど意識して身体を回す練習をしなければ身に付くことはありません。
 アマチュアがプロのハーフショットをイメージして真似ても、私がそうですが肩が回らないスイングになってしまい、せっかくのライン出しショットなのに方向がバラバラという皮肉な結果になってしまいがちです。


 この肩が回っているかどうかで、そのゴルファーの腕前は傍目からも分かるもので、それくらいアベレージゴルファーは肩が回っていないスイングをしている人は多いものです。


 私は無理やり肩を回すために、デシャンポーのスイングを参考にしています。とはいっても、全体的なスイングを真似することは到底無理なので、フィニッシュに向かう際の彼の左足の動かし方だけ真似するようにしています。


 デシャンポーは「ゴルフの科学者」と自称して、それまでの常識に囚われない様々な工夫を行い、ゴルフ界では革命児的な存在です。
 圧倒的な飛距離は、鍛え上げた肉体と独特なスイング理論で作り上げたもので、そこにはドラコンプロからヒントを得たものも多くあるようです。


 常人を越えるスイングスピードを身体の左サイドでモロに受け止めることは、いつの日か故障を誘発するはずで、そのため彼はインパクト以降では左足の踵中心で回ることで下半身にかかる大きなエネルギーを逃がして故障防止に繋げているのではと思っています。

(ソニーオープンで池越えの6番531yパー5をグリーン右ラフまで打ったショット。この時点では、左足は飛球線に直角な一般的な位置になっています)

(クラブが上がり始めても、まだ左足はいわゆる「壁を作る」状態です)

(クラブが身体の方へ来る、つまり上体が回転し始めると、左足は踵を中心としてつま先が回転し始めます)

(強烈な上半身のパワーを最後は左足を踵中心で回転することで上手く逃がしているようで、これをしないと腰などへの負担が大きくかかり、故障に繋がります)


 つまり、私のように腰に故障を持つゴルファーにもこの部分は有効であり、レッスン書などに書いてある「左サイドの壁」など意識しないように、上体の回転と併せて左足踵を中心としてクルリと回転できれば、腰への負担軽減と併せ、回転不足を補うことになる一石二鳥なものです。


 飛距離がある者がこれを真似すると不安定なインパクトになるかもしれませんが、元より飛距離不足、インパクトの不安定さがある私のようなシニアゴルファーには、マイナスよりプラスの部分が大きく、だったら取り入れない理由などありません。


 併せて私の場合は、右足をフォローの身体の回転と共に一緒に回転させるもので、これも腰に負担をかけないようプロから教わったスイングです。
 デシャンポーのようにフォローの最初までは壁を作る意識ですが、打った後はクラブに引っ張られるように身体を回すために左足踵を軸にして右足も一緒に回るようにしています。


 こうした動きも、できるだけ腰に負担をかけずにスイングするということから試行錯誤したもので、安定性は無くても飛距離はそこそこ出るもので、阿蘇ハイランドの18番では以前のように2オン可能な位置までドライバーショットが飛ぶようになりました。


 ゴルフスイングは過去の理論が陳腐化することは多いものの、反対に見直されたりして復活することもあり、常識に囚われず見栄は捨てて、遠くに飛ばせるスイングをシニアゴルファーは作るべきだと思います。