三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

90台と70台のゴルフの違い

 今日の熊本は雨模様で、もともと1人予約には2人目以降が入って来ず、流れてしまっていますが、雨では成立しても行きたくはない軟弱ゴルファーの私です。


 明日は、プロが2人目に入っての阿蘇ハイランドの1人予約でしたが、昨夜プロからメールがあり、「雨のようだからキャンセルします」と言われ、私も今日の成立前にキャンセルしたところです。


 暇なときはネットでゴルフ関連の記事を見たりしていますが、偶々見たYouTube動画で、表題の「90台と70台ゴルファーの違い」というテーマでインストラクターの説明があっていました。
 彼が言うには、違いはアイアンショットの「インパクトの差」だそうです。70台のゴルファーはハンドファーストでスイングし、90台のゴルファーはそれができていないと説明しています。


 つまり「スイングが変われば上達する」というもので、確かにハンドファーストにすればフェースは立ってインパクトを迎えるため、強い球=飛距離が出ることになりますが、そうした強いショットが70台のスコアを出すためには必要だと言っているのでしょう。


 飛距離が出ると次打以降の番手が短くなり楽になるため、なるほどと思ってみていましたが、反面それだけでは無いはずだという疑問も湧いてきました。


 ゴルフクラブ、特に人気のドライバー販売の謳い文句には「飛距離」にかかるキャッチコピーが以前ほどはないにせよ、必ず付いています。


 しかし、飛距離アップを真に受け、ドライバーを変えてもスコアアップに繋がらなかったり、レッスンを受けても同様に上達への手応えを得られないアマチュアは多くいます。


 ここで冷めた目で、教える側から見てみます。


 「スイングが変われば上達する」という命題(教える側の主張)がアマチュアを一番騙しやすい言葉であり、「あなたがスコアを伸ばせないのはあなたの今のスイングがダメだからであり、理想のスイングを会得するまでレッスンに通ってくださいね。(心の声=そうすれば私は職を失わず助かります)」ということに繋がり、アマチュアはそれを信じて高いレッスン料を何か月も支払うことになります。


 もちろん、この方法で上達するアマチュア(実際はほかでも自主練しているはずです)もいますが、大半のアマチュアは「指導されるスイングが自分のものにならずに諦める」結果に繋がります。


 教える側からすれば、「上達=スコアアップ」に繋がりにくいことを一生懸命に指導するものですが、そもそも万人に共通する理想のスイングなどないわけで、ないものを追い求めさせるからアマチュアはいつまでも顧客になるものです。


 次にレッスンを受ける側から考えてみましょう。受験を例にして考えてみます。


 ほとんどの人は受験の経験があるはずで、高校入試や大学入試ですが、学校の通常の授業を受けるだけで志望校に合格することはまず無理な話です。
 課外授業を受けたり学習塾に通い、受験対策を教わって自分で受験勉強を行うことで、やっと合格の道筋が見えてくるものです。


 ゴルフの上達=スコアアップを「志望校合格」と置き換えれば、レッスンを受けるだけでは単に授業を受けるだけで志望校合格を目指すようなもので、それは無理な話だということです。
 目標達成のためには、自分で行う受験勉強が必須であり、その勉強方法を学校や塾の先生たちは教えてくれるだけです。

       

 つまりレッスンでは、上達の方法らしきものを教えてくれますが、実際は本当の上達方法ではなく、あくまで一部でしかありません。
 その上、一般のレッスンでは、真の上達法ではなく、上達に繋がりにくい「上達法」でお茶を濁しているもので、そちらのほうがクラブメーカーも高価な新製品が売れるし、練習場にも人がやって来るし、レッスン動画も視聴者が増えるし、全ての関係者の利益に繋がるからです。


 私が思う90台のゴルファーと70台のゴルファーの違いは、スイングなどではなく要は考え方の違いだというものです。
 受験勉強でいえば、自分で工夫して受験勉強をしているかどうかで、単に学習塾に通っているから受験は大丈夫だと錯覚してはいけません。


 インストラクターの指導はあくまで参考であり、自分でアレンジしてどうすればスコアアップできるのかを考える必要があります。


 私は何度もゴルフスコアのことをこの日記で説明しています。パー72の構成ですが、「ショット数36打+パット数36打」が内訳で、このうちショット数を36打未満にするのは一流プロでもまず無理なことです。


 多くのインストラクターは、この至難の業ともいうべき方法でスコアアップを目指させているもので、クラブメーカーも同様だということです。


 調べてみましたが、日本のプロゴルファーの1ラウンドの最少パット数は記録として18打となっていますが、世界記録も同数のようです。
 日本の場合のその時のスコアは「64」であり、パット数を引くとショット数は46打になってしまいます。


 下の図は、昨日行われたLPGAメジャーのコニカミノルタ杯で優勝した稲見萌寧プロのスコアを元にしたショット数とパット数です。
 これを見ても、ショット数で36打以下はなく、それでもトータルでアンダーのスコアが出る理由はパット数が36打を大きく下回っているからです。


 つまり、プロがアンダーのスコアを出せるのは、パット数を30打以下にすることができるからであり、ショット数で36打未満は数字的には可能でも、実際にはほぼ達成不可能だということです。
 ところがレッスンでもクラブのキャッチコピーでも、ショット数を減らすことしか目的にしておらず、それがどれだけ困難な方法なのかは、よく考えてみれば誰でも分かるはずです。


 スコア130でショット数90を叩く者であれば、まだショットを改善してスコアアップを目指せますが、スコア90でショット数52・パット数38のゴルファーであれば、ショット数を減らす道は厳しいもので、目指すべきはパット数の減少だということです。


 パターはカラーやエッジ・花道からのアプローチでも使えるため、パターの操作を覚えることがスコアアップの近道になります。
 パットは初心者でも簡単に打てるため、改めて練習するアベレージゴルファーは少ないものですが、少なくとも70台のスコアで回れるゴルファーでパター練習を疎かにしているものはいないはずです。

     

 ゴルフのパターが難しいのは、グリーン面に様々な傾斜があり、転がりも一定ではないためで、時には20mのロングパットを打たなければならない場面もあります。
 そのため、ロングパットの距離感は必須なものですが、悲しいかなアマチュアゴルファーにロングパットを練習できる場所が少ないことも、練習不足になる大きな理由の一つです。


 ゴルフコースは、グリーンとそのほかは全く別物のゲーム性になります。クラブ本数の上限である14本のクラブは、グリーン以外では全てのクラブが使えるのに対し、グリーン上ではパター1本しか原則として使いません。


 ここまで書けば、分かるようにスコアアップを目指すためには、実際のグリーン上でのパットの経験が必要であり、パット練習を教えてくれるレッスンこそがアマチュアの側に立ったレッスンだということです。


 受講しているレッスンが、アプローチを含むショートゲーム、特にパット練習をしっかり行っているかが、真に有効なレッスンかどうかが分かる簡単な目安だと私は思っています。