三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

アンガーマネジメント

 今日は1人予約が成立後に同伴者のドタキャンがあり、中止になったため朝から自宅でゆっくりしています。
 今朝の熊本地方は雨模様ですが、そんなにひどい雨ではなく、この分だったら問題なくラウンドできるもので、勿体ないなと思っているところです。


(記事とは関係ありませんが、昨日の日記に前夜に菖蒲湯に入った画像を貼り忘れていました)


 さてアンガーマネジメントとは、アンガーコントロールともいい、怒り(anger)を上手にコントロールして適切に対処することで、1970年代にアメリカで提唱され普及した心理トレーニングです。
 日本でも2000年代頃から一般化され、最近ではゴルフでもラウンド中の怒りをコントロールする方法として活用されています。


 ゴルフは「ミスのスポーツ」と言われるように、誰しもラウンド中にミスをすることは避けられないものです。
 そうはいってもミスをした自分に怒ることは誰でもあることで、それはトッププロでもアベレージゴルファーであっても同様です。


 あるブログに「プレー中、どんな瞬間にイライラする?」という質問に対する回答が載っていました。それを見ると
   ① 自分がミスショットをしたとき・・・47%
   ② スロープレーやマナーの悪さ ・・・42%
   ③ 同伴者とのコミュニケーション・・・11%
 とあり、私も全てに当てはまるように感じました。


 ①のミスした自分への怒りは、上手く使えば練習へのモチベーションになるもので、次はミスなくラウンドできるように練習に励むことになります。


 またラウンド中によくあるのが②や③の外的要因から発生する怒りで、私はかなり外的要因に影響されやすいタイプだと思っています。
 昨日のラウンドでもありましたが、ショットの際に同伴者が後ろを予期しない場面で通ったりした際にたまたまミスショットすると、そのミスは後方を通ったマナー違反者のせいだと怒りが湧いてきます。


 ただショットが成功すると、マナー違反はあまり気にならないもので、結局は自分のミスを他に転嫁させているだけで、これも自分を無駄に責めずに済むというアンガーマネジメントになるのかもしれません。


 昨日の阿蘇ハイランドでのラウンドでは、前組の動きの遅さに同伴者全員がイラついていました。
 途中まではそう誰も気にしておらず、私もペースが遅い組だという程度でしたが、6番パー4のティー横で見ていたときに、前組が要領が悪いことに皆が気づきました。


 ハイランドの6番ティーの右に7番のグリーンがあり、6番を終わると7番は折り返しになるため、前組だけでなく数組前の様子もよくわかるものです。


 我々は3バッグで前組は4バッグだったので、ある程度の進行の違いは当初から想定内でした。
 5番のグリーンが空いてから我々がショットを打ち、誰もグリーンオンせずアプローチを行って誰もが2パット以上をしていて、終わってから向かった6番でまだ前組がティーショット中だったのです。


 前組はレギュラーティー使用が2人でシニアティー使用が2人でしたが、4人ともお世辞にも飛ぶ方ではなく、その上、右に左に散らばっていました。


 その後セカンド地点に行った前組はコース中央に居る人がショットの準備さえもせず、グリーンは空いているのになぜ打たないのだろうと皆で不思議がっていました。
 よく観察していると、コースを外した人が打つまで待っているようで、いわゆる「レディゴルフ」(準備できた人からプレーする)ではなかったのです。


 そのため、後方で見ている我々からは、コース内で1~2人が何もせず突っ立っているように見え、その前の組がいないのに何をしている!と怒りが湧いてきたのです。

         


 こうした怒りは前組のペースが上がらなければ、いったん火が付いた場合徐々に大きくなっていきます。
 8番はパー3で前組のグリーン上での様子がティーから見え、やはりその要領の悪さに、後方で見ていて誰もが自然と批判めいたことを呟いてしまいます。


 9番パー5のティーに行った際も、グリーンには前々組は見えないのに、前組はまだ200y内にいて、この時も誰もプレーしているように見えなかったのです。
 こうなると、同伴者からも公然とグチが出始めます。


 こうした状況になると、ミスをした場合は前組の遅さがその理由になりがちで、ある意味ミスして当たり前という心理状態になってしまいます。


 10番ティーに移動する途中、なぜか前組のカートがインの元茶小屋前に止まっていて、3人は乗っていましたが、1人だけ中で持参の弁当を食べていました。
 確かに我々が到着した際は、前々組はティーショット後でそう離れていない場所にいましたが、ティーが空いていても、前組は1人が茶小屋内で食事していたのでカートを動かす気配がありません。


 同伴者のトミーさんが「追い抜こうか?」と言いますが、前組は5組のコンペであり、さすがに抜くのは躊躇われ、早く行かないかなとイラつきながら横に止まって待ちました。
 ようやく食事の弁当を食べ終えた1人がカートに戻って来て、やっと動くのかと思っていたら、別の1人が今度はトイレに行ってしまいます。


 トミーさんが「今まで待っていたのに、、、。待っている間に行けよ!」と毒づき、カートのアクセルをブレーキを踏みながら煽るように空ぶかししますが、効き目はなく、こんな感じで前組は要領の悪い動きをしていて、間近で見ると余計に腹立たしくなってしまいます。


 ここで私は目を瞑り、しばらく眠ったふりをして、前組を頭の中から消すようにしました。いくらイラついても、前組には通じず、1ホールでも空いていれば注意もできますが、そうではなかったため注意は出来なかったからです。
 ときどき、「巡回中」の旗をさした係のカートが回ってきますが、係もさすがに口頭で注意するところまではなく、それを見て私は諦めることにしたのです。


 これまでの経験上、こうしたイラつきは自分のゴルフにとって良いことなど一つもなく、感情に流されるとスコアは悪くなる一方だという痛い思いを何度もしていました。
 目を瞑り、スローペースに怒りを持つのではなく、反対に休憩できるペースだと考えるようにしました。


 特にグリーン上で前組は時間がかかっていましたが、カートのナビに付いているラウンド開始からの経過時間を使って「前組が何分でパターを終わるか?」を予想することで、待ち時間をクイズのようにしていました。


 すると、この気分転換がよかったようで、ショットが良くなりスコアも落ち着き始めます。
 同伴者のうち、30歳代の方は元々ショットの安定性が無く、好ショットは放つもののミスも多い、パーかダボ(トリ)かというゴルフでしたが、トミーさんはアンガーコントロールに失敗したようで、せっかくの前半の幸運を後半は全く生かせませんでした。


 本人は、スコアは纏まっていてもショットの手応えが悪く、ずっと納得は行っていないようでしたが、私から見ると当たらない方がフェアウェーキープをしているため、当たって曲がるよりずっと良いものだと思っていました。


 8番まで1オーバーと好調だったトミーさんは、9番パー5でティーショットを右1ペナ、3打目も右1ペナ、5打目を左の凹み、6打目をグリーン手前、アプローチはピン手前で2パットの9打を叩いてしまいます。
 10番パー4ではティーショットが右ラフ、そこからチョロ、3打目は右に外し、4打目を乗せて2パットのダボと崩れたのはアンガーマネジメントが上手くできなかった結果だと思えました。


 トミーさんのその後は、11番パー3は見事にパーオンしてバーディーチャンスでしたが決めきれず、12番パー4では1打目を右、セカンドも右1ペナ、4打目で乗せて2パットのダボとなり、13番パー4は2オン2パットのパーにしたものの、14番パー5では1打目をミスり結果的にダボ、15番パー4ではセカンドを右1ペナに打ち5オン2パットのトリと前半の堅実なゴルフが嘘のような崩れ方でした。


 その後も17番でパーセーブしたものの、それ以外でパーは取れず、前半の8個のパーが後半はたった3個のパーと絵にかいたような崩れ方でした。
 こうした崩れ方は、途中から前組に怒りが湧き、それが徐々に増していってアンガーコントロールに失敗したことが大きな要因だったのかもしれません。

(ミスショットしてクラブを放り投げるタイガーウッズ)


 タイガーウッズは、「10秒間ルール」というアンガーマネジメントを実践していることで有名です。
 これは10秒で気持ちを切り替えて次に臨む方法だと私は思っていましたが、あるスポーツ心理学者によると「10秒間だけ怒っていい」という事がメインであり、その間に怒りを発散・昇華させてしまうものだそうです。


 怒りは抑圧すると徐々に溜まっていくもので、溜まった怒りはいつか爆発してしまいます。
 それを爆発しないように我慢すると、ストレスとして身体に溜まり、いろんな変調として心身に現れることになるため、「10秒間ルール」のようにその場で発散させる方が好ましいようですが、我々レベルで同伴者が怒りを露わにすることは見ていて気持ちの良いものではありません。


 所詮、我々はアマチュアであり、スコアで生活が左右されるものでないため、「10秒間ルール」のように処理するのではなく、考え方を変えるほうが好ましいように私は思っています。


 「アプローチの達人」と呼ぶ73歳の上級者は、こうした場合は「怒り」ではなく「諦め」という対応をされていて、前組が遅いと「帰ろうかな」と呟いたりされます。
 決して「怒り」には変えず、まず「止めて帰る」という選択肢を自分に用意し、後はのんびりとした気持ちでいつでも止められると達観されるため、スローペースに遭遇しても大きくスコアロスなどはされません。


 「怒り」は急に湧くものではなく、徐々に「怒りの要因」になるものが溜まって臨界点を越えて湧き上がるものです。
 「怒りの要因」に育つ前に、別なものに変換しておければ、「怒り」とは無縁のゴルフがいつでもできるはずで、身近で見る達人を参考にしたいと思っています。