ロングパットの練習がスコアメイクのコツ
ゴルフのスコアメイクに大きく影響するのが、グリーン上のパット力です。
それはなぜかというと、ゴルフのスコアの基準であるパー72がショット数の36打にパット数の36打を加算することで構成されていることからも明白で、このことは知識としてゴルファーだったら誰でも知っている事柄だと思います。
つまり、スコアはグリーン到達までに費やすショット数とグリーン上でのパット数に明確に分かれていて、同じゴルフのプレーでもショットとパットは全く別物のゲームだと言っても良いくらいです。
なぜなら、ショットでは基本的にノータッチであるのに対し、パットではマークして球を自由にピックアップできることや、他のクラブと違ってパターのグリップの断面は円形以外も認められるというルールの違いがあることからも、ゴルフというゲームはショットとパットの2つの違うゲーム性に分けられるものです。
(パターグリップの断面の一例。ルール上はパターだけが円形以外でも認められています)
スコアを伸ばすためにアベレージゴルファーは、一生懸命にショット練習を行っていますが、どんなに完璧なスイングを身に着けても、スコアに反映することがなかなか難しい現実があります。
それは少し考えれば当然な話で、先ほどの前半のショットだけしか練習していないのだから、全体的なスコアアップという目標が達成できないのは当たり前なのです。
実際にプロでさえもショットのパー36打を下回ることは至難の業になり、このショット数を減らす練習が成果を挙げにくいことをアマチュアは知っておくべきです。
LPGAのスタッツ(記録)を見てもパーオン率が80%以上は1人もおらず、トップ選手でも4~5ホール程度はパーオンできてないことが分かります。
世界のトップである米PGAのスタッツでもパーオン率は70%後半であり、8割に達した選手はいないのが現実です。
つまり、18ホール全てを常にパーオンさせることは、数字上は可能でも現実には困難なことであり、トッププロができないことをその辺りのアベレージゴルファーが求めることが元から無理な話だということです。
プロの技術は見た目の豪快なショットだけではなく、実際はパット力の高さになります。平均パット数を見てみると、LPGAでは1.7台であり、米PGAの上位ではなんと1.6台という数字が出ています。
つまり、プロはパットでパー36以下のアンダーの数字を出しているわけで、決してショットでアンダーの数字を出しているものではないのです。
こう主張すると、ほとんどのアベレージゴルファーが「ショットが良くなければバーディーチャンスは作れない」と反論されそうですが、アマチュアゴルファーにとってのバーディーとは「事故」のようなもので、狙って獲れるものではないし、ショットでバーディーを獲ろうと思うことがそもそもの間違いなのです。
断言できますが、バーディーを獲るのはパット力であり、プロのトップ選手が1.7台の平均パット数ということはパット力が高いから遠い場所からでもバーディーを量産できるということです。
知り合いのプロに尋ねたら「10m以内は狙うが、それ以上は寄せることを優先する」と言っていましたが、トッププロのバーディーがアマチュアが考えるような1~2mのバーディーチャンスばかりでなく、10m以上の長いパットも沈めて獲る現実を理解しておくべきです。
アマチュアにはパット練習が圧倒的に不足しています。確かに自宅で練習マットを使って2m程度を練習することくらいが関の山でしょうが、実際はロングパットの練習がスコアメイクには避けて通れないものなのです。
打ちっ放し練習場に練習グリーンがあるのであれば良いのでしょうが、なければロングパットの距離感を養うのは難しく、実際のコースに行ったときにラウンド前後に最低でも1時間ほどは練習すべきところです。
(スタート前にはパター練習をしますが、ラウンド後に練習する人はほとんどいません)
特にラウンド後の練習グリーンには人影がない場合が多く、グリーンの端から端へのロングパットの練習には最適です。
近くに練習グリーンがあるコースや練習場があれば、パターだけ持って練習に行くこともアリだと思いますし、そうした練習を地道に積むことが結果的にスコアアップに繋がるのです。