三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

いろんな場所に影響が出ていることを実感する


 今日は1人予約が成立しなかったため、ゴルフはお休みです。熊本地方は午前中は雨模様でしたが、12時半を過ぎたころから空が明るくなり、天気は今後回復しそうで、明日の1人予約はすでに成立しています。


 私は「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と診断されていて、シーパップ(CPAP=Continuous Positive Airway Pressure=経鼻的持続陽圧呼吸療法)を就寝時に装着していますが、保険適用のためには定期的にかかりつけ医への受診が必要になります。

(私が使っているCPAPはこんな感じ。これは本体で左上のホースから圧力のかかった空気が出るようになっています)

(上のホースから繋がったマスク部分。頭からかぶりマスク部分を鼻に当てます。最初はこの形で途中から鼻だけを覆う小型のマスクに変わりましたが、壊れたのでまた以前の形に戻っています)


 私はずっと血圧が高めで、降圧薬を医院で長年処方してもらっていましたが、なぜか午前中だけ血圧が高いという現象が治らなかったのです。
 それでも降圧薬を飲み続けるしかないと、かなりの年数にわたって毎月1回定期的に医院へ通っていましたが、午後からの血圧は正常になっても朝起きたときの血圧がコントロールできていなかったのです。


 ある日、1人予約で知り合った「流離のゴルファー」にその話をしたところ、「それはSASじゃないかな?」と指摘されました。
 「流離のゴルファー」は以前は関東で歯科医院を経営していたという元歯科医師(すでに歯科医師免許は返納したそうで、本人は「肩書が無くなってせいせいした」と言っています)ですが、歯科医はSASの治療のためマウスピースを作ることもあり、SASそのものへの知識があったのです。


 それを聞いてかかりつけ医に「SASじゃないかと言われた」と告げたら、医師はすぐに簡易検査の手配をしてくれました。
 簡易検査によりSASの疑いが濃厚になり、「地域医療センター」という医師が紹介状を出すことで受診できる病院を紹介してくれ、1日だけの検査入院で正式にSASの診断が下りたのです。

(2016年12月に地域医療センターに入院した際の画像を見つけました。頭には脳波測定用のセンサーを付けるためネットを被り、鼻には呼吸の様子を測る管を付け、計測機器を体中に付けて一晩寝ることになります)


 この辺りの手順は、CPAPを保険適用で利用するために必要なもののようで、かかりつけ医も「簡易測定で間違いなくSASだけど、確定診断が必要だから」と検査入院の必要性を説明していましたが、何年も通院していた患者のSASを疑わなかったかかりつけ医もある意味大丈夫かなというものです。


 CPAP装着後の毎月の受診時は医師とは世間話をする程度で1~2分で終わりますが、今日は「今年は大丈夫ですか?」と聞かれてしまいます。
 その意味は、私が毎年北海道へ行っていることを知っている医師が、非常事態宣言が出た北海道に今年も行けるか心配したようで、私もこの状況になれば正直、計画そのものを中止も含めて練り直さなければならなくなりそうです。


 新型コロナの影響はいろんなところに出ていますが、今日の定期受診で改めてその影響を感じてしまいました。
 それは、医院の混雑がなかったことです。


 この医院の診療時間は、平日は9時から18時までですが途中の12時半から14時までが休診になります。
 そのため、午前中の医院の待合室には、老人を中心にごった返していて、私は混雑を避けるため、午前中の最後の時間に間に合うようにいつも行っていますが、それでも待合室には10人から15人が椅子に座っている状況でした。


 今日も11時半すぎに医院に入ると、待合室はガランとした状況だったので、代替の医師が来る日かなと一瞬思いました。
 週一の割合でほとんど午後半日だけですが、たぶん熊大からだと思いますが若い研修医が担当することもあり、そんな日かなと思ったのです。


 すぐに処置室に呼ばれ、看護師さんから血圧測定をしてもらっている途中にかかりつけ医の姿が見えたので、今日が代替医ではないことが分かります。
 それで、担当の看護師さんに患者が少ない理由を聞くと「最近はこんな感じです」という返事がありました。
 「新型コロナの影響で不要不急の外出を控える人が多く、薬も数か月分貰う人が多いようです」とも言っていました。


 受診そのものはいつものようにCPAPのデータを見て「順調です」で終わり、後は雑談だけでしたが、この医師は同年齢の65歳の方です。
 私が毎年、北海道にゴルフ旅に行くことに対して「羨ましい」と言われていますが、私としては「羨ましいならそうすれば?」と思ってしまうものの、個人医院を経営している責任者としては気楽に医院を畳むという判断は出来なそうです。


 見回しただけでも処置室に看護師が5人は居たし、受付にも担当者が2人が居たため、表から見えないスタッフもいると思われ、少なくとも10人以上の雇用責任がこの医師にあるはずです。


 下手をすると新型コロナ騒動で、受診者が一気に減り、医院の経営にも影響が出るのでは?と心配してしまいます。
 医院経営は大きな負債を抱えているはずで、検査機器1つとっても驚くような高価なものになります。
 壁に「新型磁気共鳴画像装置(MRI)導入」という写真付きの張り紙がありましたが、たぶん導入には数億の費用がかかるはずで、それを取り戻すには休みなく働き続ける必要があるのです。


 「医は算術」と言われように高収入で、社会的地位も高い医師ですが、65歳になっても毎日仕事に追われ、莫大な借金を抱えて止めるにやめられない上に、今回の騒動で診療報酬が激減すれば、倒産という恐れも十分にあるのです。
 実際に近所にあった医院は、過去のかかりつけ医でしたが、破産したようで今は建物も取り壊されている状況です。


 こうした状況をみて初めて「流離のゴルファー」の生き様に感心してしまいます。「流離のゴルファー」は今年で73歳ほどになっているはずですが、彼の話によれば縁も所縁もない南阿蘇村の別荘地をネットで見ただけで購入し、神奈川で経営していた医院を処分し、併せて身辺整理を行って身一つで南阿蘇村にやってきたようです。


 かなり変わった考え方をされますが、ご自身の余生の生き方をしっかり考えられた様子がよく分かります。
 歯科医師免許も「必要ない」と返納されたようで、ご自身は「これで捕まっても歯科医という肩書がないので単なる田舎の老人になってニュースにはならない」と言っていて、なるほどそうだと共感しました。


 私も60歳できっぱり辞めて、再任用の道も某私立からのお誘いも一切蹴って自由の身になったため、その感覚がよく分かります。
 それまでは、例えば飲酒運転で検挙されたら職場はもとより県内の全ての教職員に迷惑をかけるため、どうしても自分の行動において必要以上の歯止めというか意識の限界があったのですが、組織を離れてしまえばそうした意識が全く無くなり、たとえ捕まっても自己責任だと思え、肩の荷が下りた感があったのです。


 人は2つのタイプがあるようで、いつまでも組織内にいないと不安だと思うタイプと、私や「流離のゴルファー」のように、さっさとそれまでのしがらみから逃げ出すタイプです。
 2月のある日、同じ年に退職した職員と阿蘇グランビリオゴルフ場で久しぶりに再会しましたが、その職員はまだ仕事をしているようで4月からも別の場所に移って仕事を継続すると言っていました。
 この職員がそうだとはいいませんが、肩書を通して他人から得られる敬意というか自らの尊厳を無くしたくないと思っている人も多いのではと穿ってしまいます。


 私はただの人になるほうがずっと気楽だと思いますが、そうではない人もまだ多く、そうした人たちのおかげで社会は成り立っているのかもしれませんが、私は「あなたの人生はそんなに残ってないよ!」と言いたいのです。