三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

スコアは簡単には作れない

 今日の熊本は朝から快晴ですが、昨日の夜から急に涼しくなり、夜に寝る際にはなにか被るものが必要なほどでした。
 ちょうど「隋兵寒夜(ずいびょうがんや)」と呼ばれる気温がいったん低下する現象が一週間ほど遅れたもので、熊本では9月15日の藤崎宮例大祭で行われる「隋兵行列」の頃にそれまでの夏の暑さが一気に秋になることを指します。


 この後は、暑さと涼しさが交互にやって来て、徐々に秋に変わって行くものですが、まだこの先一週間は最高気温が30℃越えなので、まさしく「秋の気配」なのでしょう。


 さて、ゴルフのスコアはその人の現時点での実力から「+」「-」5打程度に収まることが多いのですが、これはあくまで「一生懸命」にプレーしたということが前提です。


 1人予約で知り合った「困ったちゃん」とあだ名を付けた60歳代のゴルファーは、稀に80切りのスコアを出せるレベルですが、ラウンド中にキレやすく、キレたら平気で110オーバーを打つもので、キレて本人がスコアを崩すだけならまだしも、同伴者に迷惑をかけてしまうから「困ったちゃん」と名付けています。


 つまりゴルフではスコアを縮めることは難しくても、スコアを崩すことは簡単で、「困ったちゃん」のように1mの距離のパットを5mもオーバーするように怒って打ってしまえば、どこまでもスコアは加算されてしまいます。


 どんなに真面目にプレーに取り組んでも、同じ結果にならないのがゴルフのスコアになり、前半はスコアが纏まりベストスコア更新と期待しても後半で叩いて帳尻を合わせることは誰でも経験があるはずです。
 逆に前半に叩いても、地道に頑張ればその後はそこそこスコアが纏まることもあり、終わってみれば「最初の2つのホールのスコアが、、、」と悔やむことも「ゴルフあるある」になります。


 アベレージゴルファーは「上級者は簡単にスコアメークできる」と勘違いしてしまいがちですが、それは間違いで上級者も雑なプレーをしてしまえば本人の平均スコア以上のスコアを叩いてしまうものです。
 要は平均スコアが上級者とアベレージゴルファーとでは差があるから上級者が普段より5打多いスコアになっても「良いスコア」だと勘違いしてしまうもので、上級者本人は「酷いスコア」だと思っていても、基準になるスコアそのものに大きな差があるということです。


 では、なぜスコアにこうした上下のブレがあるのかを考えれば、ゴルフというゲームが不確定の要素で成り立っていることの証明で、それはパーの半分を占めるショットが不確定だという理由からです。
 それは、どんなトッププロでもショットでアンダーのスコアを出すのは至難の業で、トータルのアンダーのスコアはパットで作られることからも証明できます。


 そうはいっても、このパットも実は不確定な要素であり、プロのトーナメントで連勝することが困難な理由が、前週は決まったパットが決まらないということが理由になります。
 つまり、ゴルフとは不確定な「ショット」+「パット」に確定要素の「アプローチ」が組み合わさったゲームだということで、プロや上級者は練習によって獲得したアプローチの技術でスコアメークしているのが真実です。


 LPGAのステップアップツアーの中継はCS放送の「スカイA」で見れますが、解説の岡本綾子プロがなかなか面白く、一見、不愛想そうなコメントの中にも選手に対して愛あるコメントで的確に欠点を指摘したものもあり、見ていて微笑ましくも感じます。


 そんな中継であるアマチュア選手が1番でグリーンを外し、画面上ではそこまで難しい寄せではなかったように見えてもパーパットの距離を残し、結果ボギーとしましたが、岡本プロは「難しい場所でした」や「これからいろんなアプローチのパターンを練習をして」というコメントをポツリと発していて、プロを目指すならアプローチ力の向上を図る必要性を説いていたのです。


 私がよく一緒にラウンドする75歳の老人に私が「アプローチの達人」と名付けたのは、アプローチが上手く、手前からだとほぼ1m内に寄せてくるからですが、ショットはお世辞にも綺麗な打ち方ではなく、飛距離も出ない方です。

(過去の阿蘇ハイランド2番の達人の2打目の様子。まだ距離は160y以上を残し、この距離は達人はフェアウェーウッドで打っていますが、これがフィニッシュの形です)


 セカンドもスライスしたりフックしたりと思ったようなショットにならないことも多く、本人もショット後に「あっ!」と声を上げるようなミスショットもよく見られます。


 しかし、スコアは毎回のようにエージシュートの75以下になるのは、アプローチの上手さに寄るもので、パットもお上手ですが最近は少し打ち方に悩んでいるようで、それはチャンスを決めきれないという点にあります。


 当然の話ですが、ショットミスは次のショットでリカバリーでき、ショットでグリーンを外したミスもアプローチでリカバリーできますが、最後のカップインしないというパットのミスは絶対にリカバリーできません。


 つまりゴルファーが練習すべきは「パット>アプローチ>ショット」の順になり、このうちパットやショットは不確定な部分があり、アプローチだけが練習すればするだけ身に付くことになります。
 なぜアプローチが確定な技術になるかというと、パットのようにカップインを目指すものでなくカップ周囲1m程度に寄せればOKという目標に対する精度の低さでよいためであり、ショットのように100m先の目標の周囲20m以内という精度は同じでも、ショットでのショットミスというリスクの発生確率がアプローチの方が格段に低いという理由からです。


 100m先の20mの円内という縮尺を10m先の2mの円内としてみると、どちらが簡単そうなのかは自明だと思います。
 逆にドライバーショットの場合は225m(約250y)先という縮尺に変えてみると45mの幅となりますが、実際のコースではそこまでフェアウェーは広くなく、曲がりやすいドライバーショットという特性からも難しいことが分かります。


 ショットで100m先のピン周囲10mの円内に常に打てる技術があるのなら、スコアは70台を当たり前に出せるもので、それを目指して誰でもショットを練習しているものですが、本来はもっと練習するべき技術があり、それをしないからいつまで経っても100が切れない90が切れないという結果になっているのです。 


 まずはウエッジでなく9鉄を使った転がすアプローチを練習してみると、きっと来年にはゴルフのステージが1ランクアップすることでしょう。