ゴルフは先が見えない不安と闘うもの
私は今年10月で68歳になりますが、ほぼ人生の8分の7もしくは9分の7近くを生きてきたものです。
思い返せば、10代の受験生の頃は来年の自分はどうなっているのだろうと不安しかなく、進学後も就職する先があるのか、ちょうど就職氷河期と言われていた時期だったので、将来の見通しが全く無く、自分の将来の姿など予想できるものではありませんでした。
(私は1977年に大学4年生になり、ちょうどオイルショック後の有効求人倍率が0.51に下がった時期が1978年1月なので、就職氷河期と言われた時代です)
大学4年生になり、たまたま友達が受験するという地元の公務員採用試験の存在を知り、その友達から余った応募用紙をもらって、締め切り間際に応募したことが私にとってのターニングポイントになりました。
一緒にその友達と倍率50倍という採用試験を受験しましたが、皮肉なものでその友達は不合格になったものの、私はなぜか運よく合格して37年間の公務員生活が始まりました。
その後もその時々で、例えば初めての赴任地のこと・仕事のことなど明日のことさえ見通しが立たず、不安の中で生きるものでしたが、不思議なもので段々と歳を重ねるごとに図太くなっていく自分がいました。
在職中に11か所の職場への異動を経験したためか、後の方では、全く行ったことがない地への転勤さえも不安より楽しみでしかなく、それは慣れという部分が大きかったのかもしれません。
今までの人生を振り返ると、「今」という時点から見れば必然という一本道でしたが、実際はその時々で分岐点があったもので、右に曲がらず左を選択していれば全く違った人生になっていたのかもしれません。
そこには運命という何か神様が決めたレールがあったのだと思うようにしています。
ゴルフでもラウンドが終わって振り返れば必然なスコアだと思えますが、ラウンド中は一打先のことは分からず、五里霧中の中で四苦八苦してプレーするものです。
私のゴルフレベルでは、鼻歌を歌いながらプレーして80切りなどできるものでなく、スタートホールに立てば、今日はパーが1個でも取れるかなと心配するもので、とりあえず大叩きを避けようと思いながらプレーを進めることになります。
(雑念が入ると、いろんなミスを恐れる気持ちが出てしまいます)
そうした中で、基準にしているスコアが「ボギー」であり、ボギーのスコアでそのホールをホールアウトできたらOKだと思ってプレー選択をするように心がけています。
時々はティーショットをミスりますが、その際も「OBでなくて良かった。どうせボギーオンだからグリーンまでの残り距離が違ってくるだけ」と考えるようにし、無理してリカバリーしようとは思わないようになってきました。
人は過去のことは誰でも分かりますが、10分先のことは誰にも分からないものです。ゴルフでもこれから挑むショットが成功するかどうかはその時点では分からず、終わって「あのショットがピンにもっと絡んでいれば」と思うものですが、もしかしたらシャンクしてOBだったという別の未来もあったはずです。
上級者やプロの人って、確信の下でスコアメークできているのか少し興味があるところですが、自信満々に見えるゴルファーの内心を覗いてみたいものです。
私が年齢を重ねて転勤などへの不安が楽しみに変わったように、ゴルフでも不安を楽しめる境地に変わっていくのが、きっと解決策になるのでしょう。