三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

ミッドアンドフォース

 ミッドアンドフォース(Mid&Forth)とは、ネットで検索しても出てこない言葉ですが、レッスンでは良く使われる言葉です。
 文字通り、「ミッド=中央」と「フォース=力」という意味で、両手のグリップで生み出す力は、相反する方向に動くことで発生し、その力がクラブヘッドに勢いと強さを生み出すものです。


 昨日のレッスンでもミッドアンドフォースを体感させる練習がありました。それはグリップをスプリット(離す)にして、スイングすることで実感できるものです。


 レッスンではよく右手打ちや左手打ちなどの基礎練習がありますが、その際に右手はインサイドアウトに振り、左手はアウトサイドインに振ることになります。
 つまり右手と左手は相反する動きをしなければならないことが分かります。


 この相反する動きを体感できるレッスンメニューが「ミッドアンドフォース=MF」であり、スプリットグリップでのスイングになります。

(画像のように左右の手を離すスプリットグリップにすれば、左右の手が反対方向に動くことで力が生まれることが実感できます。正確には左手は引き上げ、右手は押し込む動きもあります)


 一般的にスプリットグリップによるスイング練習は、左肘(ひじ)を抜くスイングの矯正に効果があると紹介されるものです。
 「左肘を抜く」という欠点は左右の手は同じ方向に動かすものという勘違いから起こり、それを行ってしまえばフォロースルーで左腕の行き場所がなくなって、左肘を抜くしかないという当然の結果になるものです。


 この「左肘抜きスイング」はアベレージゴルファーに多いスイングですが、ヘッドスピードを減速させることに繋がり、結果的に飛距離が出ないという悩みに繋がります。


 実際は左右の手が反対の方向に動くことで、いわゆる「梃の原理」(力点=グリップ、両手の間~支点、ヘッドが作用点)が発生し、よりクラブヘッドに力が加わるのです。


 今、ネットのこうしたスプリットグリップの効用を見ても、この両手を反対の方向に動かすなどの記載はありませんが、これはこの部分だけを強調すればいわゆる「両手を捏ねる」ことに繋がり、結果は左にチーピンを発生させる原因になるからです。


 つまり、一連のスイングを正しく行わなければ、一部だけを真似しようとしても正解になるものではなく、私が最初にレッスンを受けることになった際に思った「良い所取り」という考えではそのための土台ができていないから無理だということです。

 左のようにインパクトまでは両手は右手が下で左手は上ですが、インパクトで一気にミッドアンドフォースを使い、両手の位置関係が逆になります。
 画像の「ナガ」を見ればよく分かりますが、インパクトまで右足の上にしっかり頭を残し、身体が「逆くの字」になるような態勢になることが重要で、いわゆる「頭を残す」スイングになっているものです。


 これは、形を体感する練習なのでここまで実際のスイングではないものですが、これくらいの極端な動きを意識しないと身体は手を抜きたがり、動いてはくれないということです。


 実際にやって見れば分かりますが、左画像の態勢を取れば、クラブヘッドは飛球線に正対していることになり、これだけでもスイングで球に力が伝わる形になっているのが見て取れます。
 そのうえでインパクトで一気にMFを使うことで、より一層の力を球に力を加えることになります。
 この形でもう少し膝を曲げていれば、地面反力も使える態勢のため、一つ一つの力による飛距離アップは数ヤードと大きくなくても、プラスすることで結果的に大きな飛距離アップに繋げるのです。


 よくスイングチェックで「頭を残せ」とか「両手を伸ばせ」とか気にする人がいますが、一部分だけを真似しても結果が出ないことは、自らの経験に照らせばよく分かるもので、スイングは元から変えるか、そのまま変えないかだけなのです。


 自己流でも、それなりに飛距離が出る人は出るものだし、スコアは纏められるものです。私も若い頃は馬力に任せて飛距離は人並み以上にありましたが、加齢とともに馬力で打つことができなくなり、このまま飛距離を諦めて小技で勝負するタイプになるしかないと思っていたところで、出会ったプロから「まだ飛距離は270yまで伸びる」と言われ、その気になってレッスンを受けているものです。


 ゴルフに正解などなく、こうでないとダメということもありません。飛距離が出ないという欠点は、逆からみればOBやバンカーなどのハザードに届かないという長所に変わります。


 ただ、ゴルフは14本の道具を状況に応じて使える競技なので、飛ばせるのであれば飛ばさないように別のクラブで打てばよいだけで、代替の方法が選べることになります。
 しかし、飛距離だけはどうしようもなく、パー4で2オンができなければ「寄せ1」だけしかできないという「つまらない」ゴルフになってしまいます。


 私が良く一緒にラウンドする「アプローチの達人」は飛距離が出ない分をショットの正確性や秀逸なショートゲームで補ってスコアメークしますが、本人は「同じことの繰り返しでつまらない」と常々言っていて、「飛距離」がゴルフの醍醐味だということがよく分かります。
 競技ゴルファーであるのであればスコアメークは重要ですが、「お楽しみゴルファー」であれば達人のような80切りは当たり前というレベルでは、可能性のないゴルフには魅力がなくなるのは仕方ないところです。


 私も一時期「燃え尽き症候群」になりかけましたが、そうならないためにも「目標」と「チャレンジ」を忘れてはいけないと思っていて、長い険しい道程になるかもしれませんが、スイング改造を行っているのです。