三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

理解できないこと

 世の中のゴルファーにはいくつかのタイプに分かれているようです。もちろん、スコアメイクを第一の目標にしているでしょうが、なかにはその目標にそぐわないことを平気でしている風潮があり、それが私には理解できないことです。


 その理解できないこととは、クラブを頻繁に取りかえるということです。常に新しいクラブを使っている人は、それなりに多いようで、以前の知り合いにはラウンドの度に新しいドライバーを持っている人がいました。


 最近は中古クラブショップでの買取などもあるし、ネットオークションも盛況で、人気の高いクラブを手に入れ、合わないと思えば高値のうちにすぐに手放すを繰り返している人もいるようです。


 私は、こうしたクラブの「浮気」についてはドライバー以外は否定派です。ドライバーは、そこまで距離の正確性や方向性を求められるクラブでないからで、お金に余裕があるのであれば、いろんなドライバーを試してみることには否定しませんが、他のクラブは慣れるまで練習しろという意見です。


 ゴルフはターゲットゲームなので、クラブという道具を使って最終的には距離と方向を合わせる必要があり、特にショートゲームに使うクラブはいわば自分の手の代わりだといっても良いものです。
 手の感覚は鋭いもので、その繊細な神経がある手でクラブを扱うためには、手の代わりになるような道具としてのクラブには大いなる「慣れ」が必要になるはずです。


 ゴルフはただでさえ14本という異なったクラブを使用するスポーツで、1個のラケットを使う卓球やテニス、バドミントンなどとは道具への「慣れ」には最初からハンディーがあるものです。


 私は卓球経験者ですが、現在のようにシェークハンド全盛期でない頃に始めたため、当時は主流派のペンホルダーグリップを採用していました。
 ペンホルダーグリップでラケットを握ると、人差し指の中指側の部分にラケットの縁が当たるため、サンドペーパーでラケット縁を自分に合うように削ったものです。

(今はマイナーになったペン用のラケット。筆記具のペンを持つように握ることから「ペンホルダーグリップ」と呼びます。赤丸の部分がラケットの縁に当たるため削ります)


 この際の注意点は、もう少し削ったほうが良いのではと思うところで削るのを止めることで、実際に使ってみるとそのくらいがちょうど良いというのが経験上ありました。
 そのほかにも、親指を置く部分も少し削ったり、中にはグリップの下側も削る人がいましたが、私はこの部分は最初から少し削ってあるため、そのままにして使用していました。


 ラケットを変えたりすればもちろんですが、ラバーの厚みを1mm変えただけでもフィーリングが変わるため、変えた場合は慣れるためには普段からラケットを持ってピンポン玉でお手玉したり壁打ちしたりしていたほどです。
 それくらい、道具への「慣れ」は重要なことであり、以前も書きましたがテニスのプロ選手が試合途中でビニール袋から新しいラケットを取り出して使うのは、それまでのラケットと寸分狂いがないように重さやグリップの巻き方がメーカーの技術者によって調整されているためです。


 ゴルフでも以前、某有名プロが自分用に作られたクラブを使って、その微妙なフィーリングの違いを指摘したところ、コンマ以下の重さの違いでバランスがわずかに狂っていたようで、トッププロなどにとってはフィーリングが変わることには神経質なのです。


 それなのに新しいクラブをラウンドに投入することは、よほど練習を積んだ後であるならまだしも、そうでない場合はスコアメイクは最初から諦めているとしか思えません。
 そんなタイプの人は、クラブを替えることで自分のスイングに合わせるという考え方のようですが、果たして毎回変わるスイングに合うクラブなんてあるのかというのが正直なところでしょう。


 ネットで検索してみると某ティーチングプロが「自分に合っているクラブであれば練習不要。そのためにはフィッティングを!」と言っていますが、さすがにこれは乱暴な意見だと私は思います。
 一般的なアマチュアゴルファーは、常に同じスイングは出来ないもので、わずか数回のスイングでフィッテイングしたクラブがそのままコースで使えるとは思えないからです。
 売りたい側の考えを押し付けるプロだということが、いろんなギアの情報番組に出ていることからも予想されます。


 唯一、私がラウンド毎に変えてよいと思うのはパターであり、そのコースのグリーン状況に合わせてエースパターを変えることは「あり」ですが、それでもぶっつけ本番でニューパターを使うのは言語道断です。


 アプローチに使うウエッジなどは、よほど古くなってもう使えないとなるまで使い込むもので、まさしく自分の手の代わりになるクラブです。
 メーカーとクラブ契約をしているプロでも、パターとウエッジは他社の道具を使えるような契約内容にしている場合もあり、プロにとっては繊細な手の感触が重要なクラブはいくらお金をもらっても変えられないというものです。


 幸い、私は貧乏ゴルファーなのでクラブを替えるのは10年に一度くらいのペースであり、「慣れ」は当たり前なのです。


(以前、使っていたゲージデザインのウエッジ。52度と57度を使っていました)

(現在使用中のウエッジも発売は5年以上前のもので、購入後4年経っています。50度・52度・58度の3本使いです)


 以前に使っていたゲージデザインのウェッジは軟らかい打感とシャープな姿を気に行っていましたが、知り合いのフィッターから「角溝規制で競技には使えない」と聞き、あまり検討せずに、お勧めのものを買ってしまった結果がフォーティーンのDJ-22です。


 ボテッとした姿や打感の堅さに違和感がありましたが、とにかく慣れろとばかりにバンカー練習を繰り返しました。


 こんな感じで、私は腕にクラブを合わせるのでなく、クラブに腕を合わせるという考え方で、それは自分のスイングが常に同じように振れるものでないと自覚しているからです。


 コースでのラウンドも、コースを良く知らなければ好スコアを出すことは難しく、やはり「慣れ」が必要になっています。
 それが一般人には普通のことであり、コースも使用クラブも「慣れ」がなければ好スコアは望めないものです。