三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

いい加減なことをいうスコアラー

 昨日の阿蘇は2℃と冷え込んでいましたが、今朝の熊本はそこまでではないものの朝から肌寒く、桜は葉桜に変わりつつありますが、今の時期はいわゆる「花冷え」の時期なのでしょう。
 今日は朝から家の周囲に組み立てられた足場の撤去作業になり、当初の予定通り3月末で外壁塗装工事は終了しますが、明日は足場設置に邪魔になり一時的に外された車庫の屋根の復旧作業が予定され、それが終わると全ての日程が終了します。

(庭には外されたシートや足場の部品が並べてあります)


 今週の火曜日と水曜日はLPGAステップアップツアーの「ラシンク・ニンジニアRKBレディース」のボランティアのために福岡県宮若市のザ・クラシックGCへ行ってきましたが、その中でいろんなことがあったので、いくつかに分けて書いてみます。


 私は初日にスコア速報板係・最終日にスコアラー業務を担当しましたが、初日に速報板を担当した際の出来事です。
 ボランティアにはいろんな人たちが日本全国から来ていて、中にはレギュラーツアーに同行して九州内はもちろん日本各地を旅する人もいて、私から見るとほぼストーカーではと思ってしまう人もいるほどです。


 こうした人たちは、ゴルフの興味があるのかというとそうでもなく、単に芸能人の追っかけ的なもので、特定のゴルファーを応援することでそのプロと親しくなっている雰囲気を醸し出しています。


 初日に一緒にスコア速報板係をした人はこの大会ボランティアの常連さんだったようで、ある1人のスコアラーを見て「彼はいつも目立った格好をしているけど何を考えているのだろう」と批判的なことを言っていましたが、確かに他のスコアラーと比べると原色に派手なウエアを着ているし、まだ肌寒い中をハーフパンツで歩いていました。

   

(この16番横の掲示板は、この大会は観客がいないので、通過するプロが上位のスコアを確認するためのものです)


 スコア速報係は3人で16番横の芝の上で上位トップ10の選手のスコアを貼り出す役割で、タブレットで速報スコアを確認し、更新のたびに貼り替える作業をするものです。
 速報板は選手が15番を終わって16番のティーに向かう際に見える場所にあり、我々は椅子に座って選手の16番のティーショットを間近で見られるし、背後には12番パー5のグリーンがあるため3打目のプレーから見学できるという最高の場所になっています。


 その16番パー4は左曲がりで池越えになり、そのうえ午後からはアゲインストの風が吹く厳しいホールになっていました。

(16番のコース。セカンド地点には左右にフォアキャディーが配置されていました。右の池まで打ち込むにはかなりの飛距離が必要です)


 アマチュアには難しいアングルのティーショットになりますが、そこはプロゴルファーなので、ほとんどの組がそう大きなトラブルもなくティーショットを放っていたものの、2~3人が左の池方向に飛んでしまい、トラブルになっていました。

(ティーからの光景。ほとんどのプロがグリーン方向に打っていました)


 いつもなのか今回だけ特別なのか分かりませんが、16番の左側はフェアウェーを外れた直ぐのラフに赤杭が打ってあり、それはラフには傾斜があって池に転がり落ちるリスクがあるためだと感じていました。


 赤杭を設置していなければ、池自体がレッドペナルティーエリア(レッドPA)になり、岸との境界がPAの境界になりますが、赤杭があれば水があろうとなかろうと赤杭で示した内側がレッドPAになります。
 ルール上はPA内でもプレーが可能であり、ソールも出来るようになったため、この16番のように傾斜のラフに止まっていれば、普通に2打目をプレーできるものです。


 そのため赤杭をコース側近くに打ってあるのは、ある意味プレーヤーにレッドPAの措置をとるかそのままプレーするかの選択を容易に出来るようにしてあるためですが、球がラフにあったり池に入ったのがティーから確認できればまだしも、左の林方向に打って池ではない場合が微妙になります。


 ルール上は、球の確認に行きプレー出来れば2打目からですが、深いラフや木の根元でプレーできない場合、アンプレヤブルの処置はPA内では選択できません。
 そのまま打てないと判断した時は、最後にレッドPAを横切った線から2クラブレングス内にドロップ(横切った線とカップを結ぶ後方線上もあり)もしくはティーに戻って打ち直しとなり、初日の午前中では1人がセカンド地点から戻ってティーから打ち直していました。


 それは横切った線はティーのすぐ先の斜面になるためで、後方線上ドロップを選択するくらいならティアップできるティーからの打ち直しがどう考えても賢明だからです。


 競技ゴルフでは、親切心からのアドバイスも場合によっては選手に2ペナが課せられることがあるため、選手と一緒に付いて回るスコアラーは余計な口出しはしないように心がける必要があり、他にも選手が要求するクラブを持って行ったりすることもキャディー以外には許されないため、共用キャディーが忙しそうにしていても代わりにクラブを持って行ったりはできません。


 そんなスコアラーですが、16番で左のレッドPA方向に打った選手に「暫定球を打って行けば?」と勧めたスコアラーがいました。
 その時は即座にキャディーが「暫定球は打てません!」と言ったため事なきを得ましたが、選手が勘違いして暫定球を打つと困ったことになったはずです。


 さきほども書いたように、PAの場合はPAの措置をする必要があり、PA内に打ち込んだ球が見つからない場合は結果としてPA内の処置となるため、面倒でも元のティーに戻ることはありますが、その手順を省くことは許されません。


 この時はスコアラーの間違ったアドバイスにキャディーが即座に反応したため、問題なく終わりましたが、もし暫定球を打ってしまったら本来は暫定球を打つことは許されないため、そのショットが3打目になり最初の球が仮に打てる場所で見つかっても、その球ではプレーできなくなってしまいますし、選手は部外者のアドバイスを受けたことでペナルティーの対象になる可能性までありました。


 2日目でも発端が分からず詳細は不明ですが、同様なトラブルが発生していました。


 我々が15番を終わって16番に行くと、前組がトラブっていて、たまたま速報板の係に前日に一緒に担当した方がいて、どんな様子かを尋ねました。
 その人が言うに、左のレッドPA内に打った選手が暫定球を打ってしまい、その球は右方向に飛んでしまったということです。


 私が見たのは競技委員を要請して、競技委員とティーに戻っている最中で、競技委員の指示でティーのすぐ先の左斜面のラフから打っていました。
 速報板担当の方とは前日にレッドPAの措置について話をしていたため「暫定球を打ったのはおかしいのでは?」と言っていて、なぜ競技委員が20m先の左斜面からの打ち直しを指示していたのか理由が分からないと言っていました。


 私も、もし暫定球を打っていたのであればそれは3打目であり、その球が右の池もしくは林の中でロストになっていれば、右の池の措置で次は5打目もしくは林の中でのロストの場合はティーからの5打目の打ち直しになっているはずで、なぜ左の斜面から打っているのか理由が分かりませんでした。


 この時に誰かが暫定球を勧めたのかは分からず、選手自身が間違えて打ったのかもしれませんが、キャディーは打てないと止めれたはずで、その辺りの状況は見ていないので分かりません。
 結果的に、この選手は途中棄権していたのですが、もしかしたらこのホールでの大叩きが原因だったからかもしれません。
 ただ競技委員の裁定は絶対なので、例え指示された処置が誤っていてもそれは有効になり、左ラフからの次打は結果として問題ないものです。


 2日目の朝の注意でも、前日に選手に話しかけるスコアラーがいたようで、そうした行為は慎むように注意があっていました。
 スコアラー業務は、選手の1打毎の状況を間違いなく端末に入力していくことと、選手から競技委員の要請を受けた際に本部にその旨連絡することで、選手と会話できるのは先に話しかけられたことに答える程度です。


 スコアラーはあくまで裏方なので目立たないように配慮する必要があり、選手たちのやや後方フェアウェーの端を歩くように心がけ、立ち位置もプレーの延長線上は避けるよう常に注意する必要があり、「ゴルフ経験者」という応募要件があるのはプレーに気配りが出来るかどうかという意味になります。


 その意味では、問題があるスコアラーも若干数いるようで、選手の近くに居れるから人気な業務ですが、そこは節度ある行動が求められるのです。