三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

知らなかったルール

 ゴルフ規則(ルール)は2019年から新しくなっていますが、その趣旨はそれまでの複雑なルールの簡略化と時間短縮を目的にしたものです。


 しかし、これまでと同様な処置を行っていれば、時には気づかないうちに2打罰が課せられ、結果的には過少申告で失格になってしまうということに気が付きました。


 それはドロップに関してのものですが、ドロップそのものは肩の高さからのドロップが膝の高さからのドロップに変わったことは認識していました。
 そのドロップする際の手順に関して、ミスを犯してしまいやすいことがあったのです。


 ドロップは「救済」を受ける際に行うものですが、その際には必ず「基点」というものを認識する必要があります。
 例えば「規則16」では「異常なコース状態からの罰なし救済」を受ける場合は、「完全な救済のニアレストポイント」を取り、そこが「基点」になり、その「基点」からホールに近づかない1クラブレングス内の救済エリアにドロップして、その救済エリア内に球が止まればインプレーの球になります。

(上のゴルフ規則にあるように、ニアレストポイントを正確に決めなかったとしても、結果的に救済エリア内に球があれば、それをプレーしても罰は受けないものですが後でのトラブルを避けるためには手順を踏んだ処置がベターだと思われます)


 この手順は、ゴルファーであればほぼ誰でも理解しているところでしょうが、「罰あり救済」を受ける際に、私はこれまで勘違いしていて「基点」を取らずに球をドロップしていました。


 それは「池ポチャ」など「ペナルティーエリア」からの「罰あり救済」を受ける際に、元の位置からの打ち直しを選択せず、「ホールとペナルティーエリアの境界を最後に横切った地点とを結ぶ後方線上」にドロップする際の手順で犯しやすいものです。


 池ポチャした場合にプレーヤーが取れる処置は


 ① そのままプレーする(無罰)
 ② 元の場所から打ち直しする(1打罰)
 ③ ペナルティーエリアの境界を最後に横切った地点とホールとを結ぶ延長線上に1クラブレングス以内にドロップしてプレーする(1打罰)
 ④ (レッドペナルティーエリアのみ)横切った地点から2クラブレングス内にドロップしてプレーする(1打罰)


 になりますが、②の場合はセカンドOBの打ち直しなどの場合と同様に元の打った地点が「基点」になるし、④の場合は横切った地点が「基点」になるため、まず間違いは犯さないものです。
 しかし、③の場合にこれまで旧ルールでは「基点」を取るという考えがなかったため、ルール違反を犯してしまいがちです。


 それは、旧ルールでは後方線上はどこでも良かったため、概ね後方線上だと思える場所にドロップしてプレーしても問題はなかったものが、この「基点」という概念が入ったためにルール違反を犯すことに繋がりかねなくなっています。


 後方線上の任意の一点に「基点」を設定し、その「基点」からホールに近づかない1クラブレングス内の半円上の救済エリア内にドロップしてその中に止まればインプレーの球になりますが、その救済エリア外に零れた球をプレーしてしまえば「誤所からのプレー」になってしまいます。


 ここで問題になるのが「基点」の定義であり、私はJGAゴルフ規則をざっと見ても探し出せなかったのですが、他のルールサイトを見ると「基点を定めずドロップすれば、その最初に落ちた場所が基点になる」ような注意書きがありました。


 つまり、ティーペグなどで後方線上に具体的に「基点」を定めておかないと、ドロップした球がわずかでもホール側に跳ねてしまっても「誤所」になってしまうのです。


 昨日のレッスンの際に、プロにそのことを質問し、プロは間違ったことを伝えないためにわざわざJGAの競技委員に質問メールをして確認してくれました。
 その回答は、「確かにルール上はそうであるので、競技の際は『基点』を定めずとも後方線上にドロップして1クラブレングス内に止まればOKにするローカルルールを制定する方がよい」というものでした。

(確かにJGAが定めたローカル規則のひな型の中に、この処置間違いが実際に起こるであろうことへの対応策がありました)


 JGAがわざわざこうしたローカルルールのひな型を提示すること自体が、競技レベルのゴルファーであっても、まだこの「基点」という概念が浸透していないことが分かるもので、もしこうしたローカルルールを制定していなければ、その大会では結果的に過少申告者が多く発生し、失格者が続出する恐れがあるからです。


 一般的なラウンドは、こうした細かい処置を取らずにプレーしてしまいますが、私の所属するゴルフ場のクラブ競技などでもこうしたローカルルールが制定してあった記憶はなく、まだまだ浸透していない部分なのではと思っています。


 例として、所属する赤水の10番パー4はBTから434y、RTからでも400yの左曲がりになる難しいミドルホールです。
 左はOBが続くため、ティーショットは右目に打つことになり、セカンドの距離が残ってしまいがちです。



 10番グリーンの左手前には小さな池があり、この池には表示杭がないので「レッドペナルティーエリア」になります。
 セカンドで池に入れた場合は、横切った「基点」から2クラブレングス内にドロップするとグリーンまで30yほどですが、池手前の木が邪魔になったり左足下がりのライになるため、ほとんどのプレーヤーは横切った地点とホールを結ぶ後方線上にドロップすることを選択します。

(中岳コース1番がインの1番なので通常は10番となります)


 これまで後方線上に「基点」をティーペグなどで設定してドロップしている人を見たことはなかったのですが、微妙に左足下がりにやつま先下がりの傾斜があるため、ドロップした落下点よりわずかにホール側にズレるリスクは高いものです。
 ただこの場合、これまで通りに後方線上であるため、そのままプレーしてしまいますが厳密にいうと落下地点からわずかでもホール側に跳ねた場合は再ドロップが求められ、それをしないと2打罰になってしまうのです。


 JGAが示したローカルルールが設定されていれば良いのですが、少なくとも競技に際してはローカルルールにはなかったと記憶しています。
 私もその池に打ち込んだことがあるので、もしかしたら過少申告を犯していたのかもしれません。


 新ルールは簡略化を図るのが目的だったのに、こうしたことにより複雑化したケースが発生すること自体が本末転倒ですが、いろんな考えのゴルファーがプレーしている以上は抜け道などを探す輩を排除するためには細かい規定を作らざるを得ず、結局はだんだんとルールが複雑化していくのは必定だということです。