正しいと思っていることが実は間違いだと
ちょうどチャンネルを切り替えたら、桑田泉プロのレッスン番組があっていました。
バンカーショットの打ち方を、ゲストに向けて説明をしているようです。
まずバンカーはグリーン周りのバンカーとフェアウェーバンカーでの打ち方は違うと言っていて、どちらも事前準備の重要性を力説していました。
確かにバンカーに限らず、打つ前の準備は必要で、アベレージゴルファーと上級者の違いはそこにあるのです。
ショットをしてしまえば、たとえプロでもその球の行方に影響を与えることは不可能なため、打つ前の準備しかプレーヤーにはできないのに、その準備を疎かにしているアベレージゴルファーは多いようです。
準備なしにショットに臨むという行為を、技術が上手くないプレーヤーがしてしまう傾向が高いのは、その重要性が分かっていないことにあります。
桑田プロはゲストのタレントに向かって、「あなたが正しいと思っていることは間違いで、間違いだと思っていることが実は正しいのです。結果を見ればわかるでしょ?」と言っていますが、ゲストは不思議に思って首を捻っていました。
昨日の菊池CCで同伴した方も、もう少しクラブフェースを目標に合わせるなどの事前準備をすればよいのにと思ってみていましたが、アバウトに構えて打ってしまい、ミスをしてから大声で「なんで~!」と叫んでいました。
ダウンブローに打とうという考え方は間違っていないのですが、実際の本人の動きが真逆になっていることに本人の自覚がないことが問題なのです。
自分の姿が客観的に見えないゴルフスイングでは、本人がイメージしているものとは全く違う動きになっていることも多く、レッスン書で独学という弊害が出ているようです。
ダウンブローの神髄は「上から下への力の開放」と言っていましたが、その言葉の解釈を自分勝手にしていて、どんなに「ダウンスイングで力んだらダメだ!」と言っても聞く耳を持ってくれませんでした。
「上から下への力の開放」を右足の上でクラブを振り下ろすと勘違いしているのか、とにかく体重移動なしに力任せにクラブを振り下ろし、球へのコンタクト後にはすでに力が残っていないスイングになってしまっています。
昼食時間にフォロースイングの重要性を説いても「打った後の動きを気にするなんてナンセンス」のような意見があり、これだけ自分勝手な解釈をしているなら、死ぬまで100切りするかしないかのレベルで留まるだろうなと感じました。
年齢が上がってからゴルフを始め、レッスン書などで独学している人に多い頭の固さで、自分の解釈が正しいということを前提に主張されるので、確かにレッスン書の言うことは間違ってないけど、あなたの理解力が間違っているという事実を分かっていないのが問題だったのです。
せっかくゴルフに真面目に向き合っておられるようであり、こうして同伴したのも何かの縁だと思ったし、前職も関係がなかったわけではないので、普通だったら何も言わないところを最初に軽くアドバイスしてしまいました。
ただ、そのアドバイスに対して、レッスン書の言葉で反論されるため、どうしてもその勘違いを分からせようとしてしまい、いわばムキになってしまった感もあったのが反省です。
ゴルフのラウンドでは、余計なことに気を取られることが一番の敵で、だからこそ同伴者の動きに他の同伴者は留意して邪魔をできるだけしないような動きをすることが求められます。
そのうえ、ラウンド中のアドバイスなどはペナルティーになるわけで、やってはならないことをやってしまったという反省もあるのです。
しかし、真面目にゴルフに取り組んで、解釈の間違いで下手を塗り固める練習をしているようだったので、余計なお節介を焼いてしまったのは、もったいないなと思ったからです。
それも本人が楽しめればよいのでしょうが、アベレージゴルファーの勘違いを全て持っているような60歳のゴルフ初心者を身近に見ると、どうにかヒントだけにでもなればと思ってしまいました。
そのため、ほとんど自分のゴルフはできなくなってしまい、スコアが崩れてしまいましたが、それこそ自業自得というものです。