三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

飛距離を出すために必要な動きとは

同じネットサークルのレフティーの悩みである飛距離不足をどうすればよいか、少し考えてみました。

※ あくまで個人の視点による考察です。間違っていたらごめんなさい。


まずドライバーショットで飛距離を出すためには、条件があります。
それは
(1) ヘッドスピードの速さ
(2) ミートの正確さ
の2つが揃わなくてはならないということです。


この2つはそれぞれが相反する要素でもあります。
ヘッドスピードを上げようとするとミート率が悪くなり、ミート率を上げようとするとヘッドスピードが上がらなくなるのです。


その上に、ゴルフの場合はコース外はOBという制約があるので、方向性も必要になってきます。
つまり実用的なドライバーでのスイングは、
① ヘッドスピードを上げる。
② ミート率を上げる。
③ 方向性を確保する。
という、3つの要素のバランスを上手く取る必要があります。


元からヘッドスピードが速い人はミート率が悪く、結果として方向性が悪い傾向にあるため、余計な身体の動きを制御することでヘッドスピードを抑え、他の2つの要素とのバランスを取ることになります。


しかし飛距離に悩む人が、ヘッドスピードがある人と同じような選択をしてしまうと、ますます飛距離が出ないという羽目になってしまうのです。


その例として挙げると、「べた足打法」と呼ばれる両足(以下全て「右打ち」の場合とします。)を地面に付けたまま打つという方法があります。


私もアイアンショットでときどき使いますが、私の場合はグリーンを狙う場面で距離より方向性が必要な場合や、フェアウェーバンカーからきちんとヒットすることが求められるときに使う打ち方になります。
つまり、②と③のために①を犠牲にする打ち方なので、通常より1番手大きめのクラブを使ったりします。

※ 飛距離で悩む象さんのスイング。トップで左足に体重が残り、右足踵が浮き気味。反対にインパクト時は右足がべた足で踵体重。これは飛ぶ人とは正反対の動きなので、正しい足の動きをすれば、飛距離アップが望めることになる。
※ 象さん、失礼な画像掲載のお願いを快く承諾していただき、ありがとうございます。

※ 飛距離で悩むレフティー。右利きとは逆になるが、ダウンからインパクトまで左足がべた足気味になっている。この時に左足踵をヒールアップしていると、体重が右足にしっかり乗るため、力が球に伝わりやすい。

※ 300y飛ばすヒカルさんのスイング。上はアイアン、下のドライバー。両方ともインパクト時に右足がヒールアップしている。
 画像では、左足もヒールアップとまではいかなくても「つま先」に体重が向かっているような動きが見られ、全体重がインパクトで球に向かっていることが圧倒的な飛距離を生む理由のように思われる。
 この左足の動きを抑え気味にすると、飛距離は落ちるが安定したショットに繋がるかもしれない。
※ ヒカルさん、画像の掲載を承諾いただき、ありがとうございます。

※ 私は飛距離が出ないため、積極的に両足踵のヒールアップを使っています。


「べた足打法」は元々は飛距離が出る人が距離を抑えてミート率や方向性を確保するための打法であり、それを飛距離に悩む人が導入してしまうと、全く飛ばないという悲惨な結果になりがちです。


飛距離が出る人と出ない人のそれぞれのスイングそのもののの違いはそう多くはありません。決定的に違うのは、飛距離が出る人は無意識に両足を使っているし、飛距離の無い人は両足の使い方が上手くないということです。


先ほど「べた足打法」は②のミート率と③の方向性を確保する打ち方だと書きましたが、逆に①の飛距離からだけでみると、両足のヒールアップは必須の動きなのです。


飛距離が出る人のスイングは、アマチュアでもこの両足のヒールアップを無意識に使っているようです。
女子プロもほぼ例外なく、男子プロは②と③のために抑え気味のプロもいますが、やはり程度の差こそあれ、両足を使っています。


それに比べて、飛ばない人のスイングを見ると、この両足が全く使えていないのが分かります。


ではその使い方ですが、バックスイングで徐々に左足をヒールアップさせることで、右への体重移動を行います。(体重は右股関節で受け止める必要がある。伸びあがったり右へのスエーは厳禁で、いわゆる「右の壁」を作ること。)


そしてクラブがトップに来る直前に、ヒールアップした左足踵を下げることで切り返しに入ります。(この時間差は大事です。)
左足をヒールダウンさせると身体が一瞬左方向に動きますが、その動きでクラブを持った手を右サイドに下ろす意識でダウンスイングを開始します。


飛距離が出ない人ほど、腕の力で振り下ろそうとする傾向があり、そこで力を使ってしまうことで大事なヒッティングポイントでは力が抜けてしまいがちになりやすいのです。
クラブがダウンスイングに入るきっかけは、左足のヒールダウンに合わせるようにすれば、無駄な場面で力を入れる必要がなくなり、力感のないダウンスイングができるようになります。


左足のヒールダウンをした後は、右足の出番となります。
ダウンスイングが始まると同時に、右足をヒールアップさせていくのです。
こう文字で書くと、そんな器用なことができるの?と思いがちですが、左足をヒールダウンすると自然に左足に体重が乗り始めるので、右足には体重がかからなくなります。


普通に立って、左右の足で交互に足踏みしてみると分かりますが、人間は二足歩行するので、誰でも簡単にできるはずです。
左足をヒールアップすれば右側に体重が乗り、反対に左足をヒールダウンして右足をヒールアップすれば左側に体重が乗ることを実感できます。
人間はこの左右の体重移動をすることで、バランスを取って歩行するようになっているのです。


もしあなたが早く身体を動かそうとすると、左右のヒールアップを強くしようとする動き、つまり地面を強く蹴る動きが必要だと気づくはずです。
つまり、スイングを速くするためには、右足のヒールアップを強くするようにすれば良いのですが、この方法は球が曲がることになりがちで注意が必要です。


飛距離が出ない人は手だけでのスイングになり、体重移動が上手く使えてない場合が多いのですが、この両足を使った足踏みするような体重移動を利用すれば、ヒッティングポイントで体重の乗ったスイングが可能になります。


ジュニアなど体力がない時期は、インパクト時に両足を蹴る動きを入れて飛距離を出す選手もいて、その癖が残っている場合もありますが、体力が付いてくるに従って左足のヒッティング時の蹴りは方向性を確保するために矯正されていきます。


インパクト時はクラブヘッドと球の衝突があり、それなりの衝撃があるのです。
力のないジュニア選手は、身体を目いっぱい使って衝撃を克服するのでしょう。


また本テーマとは別の注意ですが、ダウンスイングで力を使う癖のある人は、インパクト時には力が抜けてしまい、打ち負けすることになりがちで、ますます飛ばなくなるので、ダウンスイングの初めでは力を使ってはいけないのです。


切り返し以降は、両足のヒールダウンとヒールアップを組み合わせた動きで、クラブを振り下ろし、ヒッティングポイントからしっかり力を入れたスイングをすると、打ち負けは起こらないはずです。


スイング作りは、本来はまず飛ばすことから始め、その後にコントロールするような流れで練習を始めればよいのですが、入り口で勘違いしてしまった飛距離が出ないゴルファーは、まず飛ぶための動きである両足のヒールアップを取り入れてみてはいかがでしょうか。


練習方法は、左右の足を足踏みするようにスイング時に動かすだけです。人間が本能で歩く動きをスイングの中に取り入れるだけで、簡単に飛距離はアップするはずです。
左足踵を上げてバックスイング、左足踵を下げるとともに右足踵を上げてダウンスイングをまず素振りでやってみてイメージをつかむのがお勧めです。


ちょうどホームランバッターだったの王選手の1本足打法と同じ動きであり、野球のバッティングでも同様の体重移動をするのです。
球を遠くに飛ばすための秘密は、両足の動きによる体重移動と地面を蹴って球に体重を乗せる動きであることが理解できます。


ただ、この方法は「球が曲がる」という副作用もあるので、その兼ね合いをどうするかでみんなが悩んでいるのですが、飛ばない人はまずこの動きで自分もそれなりに飛距離が出せるという事実を認識し、その後にコントロールする方法を考えてみればどうでしょうか?