三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

90切りのために必要なこと

 スコア90切りを目標にしているゴルファーは多いと思います。その目標のために、ショットの精度を上げる練習をしている人、プロのようなスイングを求める人などそれぞれですが、それらの練習は無駄だとは言いませんが、スコア90切りには必要なものではありません。


 例として挙げるなら、中学校の数学レベルの問題を解くために、大学入試レベルの問題を解く練習をしているようなもので、その大学入試レベルの問題が解けずに行き詰っているような状況なのです


 つまり現状の自分のレベルに合わない練習や考え方をしているから、結果的にスコアが伸びないだけで、中学の数学の問題を解くためには、そのレベルの練習問題を数多く解く練習が必要なのです。
 よく100が切れないゴルファーと話をすれば、理論や理屈だけはプロ並みだというケースが多く、頭の中でプロのゴルフをイメージしているから、90切りはおろか、そりゃ100も叩くだろうというものです。


 まず、90切りに必要なことは、自己のゴルフ技術の現状をしっかり把握するということで、それを土台にした「コースマネジメント=ゴルフ脳」を持つことです。


 誰でも分かることですが、パー72のコースで90切りのためには17打の余裕があります。(スコア89として)
 つまり、1ホールもパーオンなんかしなくていいのだとまず考えを改めることです。そうすれば、ドライバーの飛距離を伸ばす練習や、アイアンの正確性やスイングの再現性を高める練習が無駄だと気づきます。


 極端な言い方になりますが、ショットの精度を上げる練習や、プロのようなスイングを身に着ける練習は、スコア90切りレベルでは全く必要ないものです。
 つまり一生懸命に練習していても、スコア90が切れないというゴルファーは「ゴルフ脳」(考える力)がないといえ、それさえ持ってラウンドすれば、今のショット力で十分に90切りはおろか80切りも可能になるのです。


 100切りができるレベルであれば、そこそこのショット力はあるはずだし、上手くはなくてもアプローチやパターもそれなりに打てるはずです。


 まず大事なことは、ドライバーにしてもアイアンにしてもショットが曲がるのであれば、その
 曲がる方向を一定に決めておく
ということです。


 ここでいう曲がりを一定にするという意味は、スライスならスライスだけ、フックならフックだけという意味で、曲がり幅はそう大きな問題ではありません。
 あなたが自然にスイングして出るショットを自分の球筋に決めてしまいましょう。目指しているであろうストレートボールは、反対にミスショットだと思うことです。


 まず、ボギーをベースにした「ボギーなゴルフ」では、極力ダボを叩かないティーショットを目指します。
 ショットが曲がるのは問題なく、その曲がる方向をスライスかフックのどちらかに固定するだけなので、スライサーなら左を向いて打てばいいし、フッカーなら右を向いて打てばよいだけです。
 無理してストレートを打とうと思うのは愚の骨頂だと認識するのです。


 ティーショットで気を付けることは、
  OBは打たない(2打罰)だけ
であり、チョロやテンプラもOKだし、コースのグリーン方向に飛んでいけばいいと思って気楽にスイングすればよいのです。


 ラフはOKですが、そこからのセカンドでは長いクラブ選択はしないようにします。ラフからはショートアイアンで刻む意識を徹底します。


 ゴルフのスコアロスの中でミスをミスと思わないケースとして一番多いのは、グリーン奥に打ってしまうことで、打った本人は予想外の飛びに内心満足してしまいます。
 打ち上げでグリーン面は下りになるアプローチを上手く寄せようと欲張り、逆目のラフに食われて手前にショートし、再度のアプローチをまた寄せようと手前にショートして、下りのボギーパットが止まらずにオーバーし、返しを外すというトリプルはやってしまいがちのミスですが、本人は何も悪いことをしたという自覚がないものです。


 OBを打ったりダフったりしていれば、ミスと認識できますが、当たった手ごたえの結果のグリーンオーバーには、ミスの認識が乏しく、上手く寄せてやろうという「欲」が持ち上がってしまいます。


 90切りが出来ないゴルファーがグリーンを狙うショットで、しっかり認識しておくべきことは
 奥に外すのはバンカーインと同様のミス
ということです。
 ミスだと自覚さえしていれば、奥のラフから3打でホールアウトできるかを考えることになり、「寄せ1」などと欲ばる意識が出ないはずです。


 100切りが出来ない兄と一緒にラウンドして感じることが、ショットの際に無用に力を入れて打とうとすることです。
 その原因は「飛ばしたい」という「欲」があるためで、いくら「力まない!」と言っても、100%以上の力でスイングしようとしてしまいます。


 よく7割・8割の力でスイングする重要性が言われますが、このマン振りしないスイングは簡単そうで実は難しいものなのです。
 打ち放し練習場で、より遠くへ飛ばそうと思って練習しているゴルファーにこそ
 ゆっくりスイング
する練習をしてほしいのです。


 ゴルフは、真逆のことをしなければ、上達しない稀有なスポーツです。


 「飛ばしたい!」と思えば、身体は力いっぱいのスイングをしてしまい、結果的にスイートスポットを外して無用なサイドスピンがかかり、思ったように飛ばない結果になりがちです。
 もちろん時々当たることはありますが、ゴルフは確率のゲームでもあり、1回のナイスショットの陰に10回のミスショットがあればスコアにならないものです。


 100切りや90切りが出来ないゴルファーほど、偶にあるナイスショットを常に打つことができればスコアアップになると勘違いしていますが、そうではなく
 程々のショットを繋げていく
ことの方がずっと大事なことなのです。


 現実にドライバーショットの飛距離が200ヤード飛ばなくてもいわゆる「シングル」にはなれます。
 その真実をしっかり認識していれば、打ちっ放し練習場で、ドライバーの飛距離を出そうという練習が、無駄ならまだ救われますが、90切りという目標を妨げる最大の障害になっていると理解できるはずです。


 つまりスコア90が切れないのは、「考える力」がないだけで、そういった「考える」という練習をしていないからだと言えます。


 たぶん、こんな意見は山ほど目にしているはずで、知ってはいても心の中で「そんなんじゃ」と疑問に思っているゴルファーは多いと思います。
 しかし、その疑問のまま練習の方法を変えることができないゴルファーは、いつもで経っても90切りは大きな壁になるはずで、それを乗り越えるためには時間と経費を多くかけてしまいます。
 単に「考え方」をちょっとだけ変えることで、簡単に90切りという目標が達成できる方法があるのに、それをしないのは「ゴルフ脳」がないおバカな人なのかもしれません。