三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

アマチュアには「スライス」が最強

アマチュアゴルファーの不思議な共通認識として、スライスボールは「悪い」球筋だと思われていて、対比の「良い」球筋は、これまたドローボールだと信じられています。


この「迷信」は実際のラウンドでも良く見られます。


同伴者のナイスショット(この呼び方は和製英語で正確には「Good Shot!」というのだそうですが、日本で使うのだから和製英語でも問題ないと私は思います。)に「良い当たりでしたね!」と褒めると、ほとんどのアマチュアゴルファーは「どうもw。でも私はスライスだから。」と自分の球筋を卑下する傾向にあります。


この「スライス=悪」という意味は、スライスボールはストレートボールよりキャリーの距離で損をし、ランも出ないため総合飛距離がない球筋になり、飛距離を求める傾向の高いアマチュアゴルファーには嫌われるためです。


ただこの嫌われるようになったのは、ゴルフメーカーの戦略に沿ったマスコミなどのCMなどにより刷り込まれた結果ともいえます。


飛距離に悩むアマチュアゴルファーに「スライスよ さらば!このクラブを使えば理想的なドローボールに変わります。」というキャッチコピー付きのうたい文句で、ゴルフ雑誌やゴルフ関係のテレビ番組でCMをたれ流せば、純情なアマチュアゴルファーは「自分の球筋では上手くなれないんだ!」と錯覚し、無駄な球筋変更を求めてクラブ探しの旅に出てしまい、「迷える子羊」になってしまうのです。


個性を重んじる傾向の高い現代において、ゴルフほど画一性を求める傾向にあるスポーツはないのです。「同じ」スイングができればスコアアップできると信じていることがそもそも間違いなのです。


人それぞれに、身長や体重も違うし、柔軟性や筋力も異なるのが普通なのに、ゴルフスイングだけは同じような打ち方を求める傾向にあります。
「スイングプレーン」だとか「トップの位置」などに拘り、本来の球を打つという大事なことが忘れ去られる本末転倒なゴルファーが多いようです。


正直なことを書けば、人間の持っている能力で、常に正確にゴルフ球をクラブで打つことなんて無理だということです。
たった1ミリの打点の誤差が、200m先では数メートルの差になるのが、ゴルフスイングであり、「ナイスショット=ミスショットの一種」ともいえるものです。


プロやアマチュアの上級者にとっても、満足できる今日一の当たりなど、ラウンド中に1回あるかないかで、周りから見ればナイスショットでも本人にするとそうではないということは多いのです。


つまり、ゴルフはそこそこのショットを繋げることが重要で、そこそこのショットが打ててそこそこのパットも打てれば、「パー」という基準のスコアは獲れる競技なのです。


ゴルフに完璧なスイングを求めることは、人間の能力以上のことを求めることに繋がり、スイングの迷路にハマってしまうことになります。


チェック機器もたくさん売られているのも、アマチュアゴルファーにとっては良し悪しであり、功罪の部分で言えば「罪」の方が大きいのです。


アマチュアゴルファーこそ、自然にスイングして生まれる球筋を自分の球筋に決めることが大事です。
間違ってもストレートボールなど求めることは避けるべきで、ストレートボール=ミスという位置づけにすべきなのです。


スライスボールはアマチュアにはお勧めの球筋です。その理由は


① コースを広く使える、(左を向いて狙うとコースの幅が広がるから。)
② ランがないため危険なゾーンまで転がらない。
③ グリーン上では止まるショットが打てる。


などで、こう書くと良いことばかりなのです。


③のグリーンで止まりづらいと嘆くアマチュアは多いのですが、それはドローボールヒッターの練習ばかりしているからであり、グリーン上は真逆の球筋を打つ練習までするくらいなら、最初から止まるボールで良いはずです。


ゴルフは自然と調和して自然の中で楽しむスポーツです。自分の中の「自然」と向き合い、無意識にスイングして生まれる球筋を自分のものとしたほうが、自然なのです。


スライスボールは決して悪い球筋ではないのです。それより、アマチュアには最強の球筋だと言えるもので、胸を張って「私の持ち球はスライスです。」と自慢して良いのだと思います。