三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

小橋絵利子プロの厳しい日程での戦いが始まる

LPGAツアーの大王製紙エリエールレディスオープンは、昨日最終日が行われ、勝みなみプロが通算20アンダーで2位に4打差を付けて、自身ツアー2勝目ですがプロになっては初優勝を飾りました。


来週のLPGA最終戦であるリコーカップは、上位30人という限られた出場選手のため、この試合をもって賞金シード枠を争う熾烈な戦いは決着しました。


最終戦で逆転で50位までのシード内に滑り込んだのは、前週までの賞金ランキング52位だった熊本出身の一ノ瀬優希プロで、この試合で通算11アンダー15位タイになり、賞金1,390,000円を加算して47位にジャンプアップし、見事3年ぶりの賞金シードに返り咲きました。


代わって涙を飲んだのが、1打差でこの試合を予選通過できなかった藤田さいきプロです。前週の49位から51位に陥落しましたが、賞金ランキング55位までには来年の6月に実施されるリランキングまでのツアー出場権は与えられるため、過酷なQT行きは免れています。


今年度から改正されたツアー出場に関する新規定で、昨年までは50位以内から陥落した場合はQTにチャレンジする必要がありましたが、51位~55位までの選手にはリランキングまでの前半の出場権が与えられるため、昨年までのような天国と地獄のような状況ではありませんが、やはりシード選手ではなくなるという結果は大きいようです。


新規定でQT行きを免れたプロは、51位の藤田プロ・52位の笠りつ子プロ・53位の安田彩乃プロ・55位の渡邊綾香プロの4人となります。


実は54位の畑岡奈紗プロは、今月初めにあったUSLPGAとの共同開催のTOTOジャパンクラッシックで優勝し、賞金25,254,000円を獲得していますが、USLPGA会員としての参加だったため、日本のLPGA賞金ランキングには加算されていないのです。


さて、応援している小橋絵利子プロは、昨日の大会で通算5アンダー45位タイとなり賞金445,000円を加算しましたが、賞金ランキング77位に終わり、56位~60位の者に与えられるファイナルQT出場資格を得られず、サードQTに回ることが決定しています。


来週の公式戦への出場資格がないシードを確定した選手は、これからオフに入りますが、小橋プロのようなシード獲得ができなかった選手たちはこれから熾烈な争いが始まります。


賞金シード55位内に入れないプロは、QTに出場してQTランキングを得る必要があり、そのQTランキングによって、来年のLPGAツアーの優先出場権が決まります。


QTはファーストQTからセカンドQT・サードQT・ファイナルQTとあり、LPGA会員はセカンドQTからの出場になります。
サードQTまでは複数の会場で行われ、通過できる選手数は会場ごとに決まっているので、同スコアでもマッチング方式で次QTへの出場資格が決定されるという厳しさです。


レギュラーツアーに出場可能なQTランキングは、前半のリランキングまで有効ですが、QTランキング40位以内だとほぼ前半の全試合へ出場可能になるため、シードがない選手はまずファイナルQTでの40位以内を目指すことになります。


すでに10月31日~11月2日に4会場に分かれてセカンドQTは実施されており、小橋プロはサードQTへの出場資格を得ています。


サードQTは2会場で行われますがファイナルQTへの出場者数が102人を超えないという規定があるため、サードQTでは各会場で最低でも43位以内に入らなければ、来年のツアー出場資格を失うことが決定してしまいます。


なぜ43位かというと、今年のシード選手であって、賞金シードを喪失した選手はサードQT免除でファイナルQTに出場できるためで、今年の該当者は10名ほどいるからであり、また今年の賞金シード56位~60位の者にはサードQT免除の特典があるからです。


これからの日程が、小橋プロのようなシードを獲れないツアー選手にはかなり厳しいのです。
小橋プロの最近1か月の日程を書いてみれば 


10月18日~21日 マスターズGCレディス  48位  (兵庫県)
10月26日~28日 三菱電機レディス      41位タイ(埼玉県)
10月31日~11月2日 セカンドQT       14位通過 (福岡県)  
11月9日~11日  伊藤園レディス        49位 (千葉県)
11月15日~18日 エリエールレディス     45位タイ(愛媛県)


11月20日~22日 サードQT出場予定 (静岡県or岡山県)


このように、ツアー後半は10月12日~14日の富士通レディス(12位タイ)を含めて5試合連続で予選通過したため、すべて最終日まで戦っていて、この1か月で17日間も神経をすり減らす戦いをしているのです。
その上で、プロアマへの出場を義務付けられているツアープロは、移動日や練習ラウンドも含めて考えると、ほぼ休みなしで働いていることになります。
まさしく体力勝負になります。


ツアーの大会とは違ってQTは失敗すると来年の職場を失うというプレッシャーもあり、その心理的負担はツアー以上かもしれません。


厳しい日程が負担になるか、はたまた予選通過できていることが好調の証で自信をもって挑めるか、こればかりはやってみないと分かりませんが、小橋プロは実績からいっても充分ツアープロとしての実力は備えているので、サードQT通過をまずは果たしてもらい、ファイナルQTへ進んでもらいたいものです。


11月27日~30日  ファイナルQT(兵庫県 東急グランドオークGC)


ちなみに昨年の暮れに阿蘇大津GCで見かけた熊本出身の枝尾あかねプロは、一緒にラウンドしていたお父様に話を伺うとセカンドQTへのエントリー手続きをミスし、QT出場そのものができませんでしたが、今年は無事にエントリーしてセカンドQTを突破しているようです。
こうしたエントリーミスでもチャンスを失い、1年間の浪人生活を余儀なくされるという厳しさもあるのがプロの世界なのです。


テレビに映る華やかな女子プロの戦いの陰で、こうした日の目を見ない熾烈な女性の戦いがあっているのです。