三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

アプローチでUTを使う基準

私は最近は年齢のせいか、アイアンが打てなくなり、代わりにユーティリティー(いわゆるハイブリッド)クラブを多用しています。


UTを使うようになったきっかけは、ホームコースの赤水であったオープンコンペに参加した際の賞品だったのです。
当時は、3Iは抜いていたのでバッグにはクラブが13本しかなく、3Iの代用品として使えればいいという程度の期待で、バッグに入れたのでした。


元々、私はアイアンでゴルフを始めたため、ウッド系のクラブにどうしても苦手意識があります。
3Wは以前はバックに入れていましたが、ほとんどお飾り状態で、結局、知り合いと同伴したときに「欲しいならあげるよ。」と言って手放したのです。


そのためウッド系のクラブは、1W以外は5Wしか持っていなくて、ロングホールのセカンドなども4Iを使っていました。
これは4Iが得意だったということもありますが、5Wと比較するとミスの確率が低いという理由からでもありましたが、だんだん年齢とともに4Iのショットが辛くなっていったのです。


そこで19度UTを使ってみたら、簡単に飛距離が出ることに衝撃を受け、それ以来は19度UTはティーショットやパー5でのセカンドで多用することになりました。
そんな楽なクラブを知ってしまうと4Iも使わなくなり、19度UTで代用していましたが、もっと簡単に200y内を打てるUTをと探し、23度UTを中古店で1万円ほどで購入しました。
つまり4Iの代わりに23度UTに入れ替えたのです。


アプローチはそれまでと同じウェッジを使っていましたが、ある時期から打てなくなるというイップス状態になり、グリーン周りでかなり悩んでいました。
すると「アプローチの達人」と名付けた70歳の元シングルさんから、「グリーン周りからだったらUTで転がせば簡単だよ。」とアドバイスを受け、アプローチ用に27度UTをやはり中古店で購入しました。


実際に使用してみると、当初は距離感が分からず、戸惑いました。
イップス前は、57度ウェッジは得意クラブで、80y以内はバンカーも含め、そのクラブ1本を使っていましたが、イップス状態になると打つ前に不安感だけしか湧かなかったのです。
転がす方が良いということは知識では知っていましたが、転がすためにはグリーン面の状況や傾斜をしっかり読む必要があるのに対し、空中を飛ぶ上げるアプローチは、着地以降の転がりだけを考えればよく、上げるアプローチの方が簡単だという考えでした。


今でも転がすアプローチを他の方に進めても、以前の私のような考えのゴルファーは多く、分かっていてもやらないということになります。
私の場合は、必要に迫られてのUT使用でしたが、やってみると良い点が多くあり、慣れると上げるアプローチよりずっと簡単だと分かりました。


UT利用がイップス持ちに一番の利点と言えるのは、ダフったりトップしたりしないという安心感です。とにかくタッチだけを考えればよく、打つことに余計な神経を使わなくて済みます。
この安心感はイップス持ちでなくても、どのゴルファーにとっても利点のはずです。


またUTの転がしを使いだしたら、別の利点もあることに気づきました。


転がすアプローチは、グリーン上や花道などの傾斜に影響を受けるため、グリーンに上がる前にグリーンや周辺の形状などの観察が必須で、それまで以上に遠目からグリーンを観察するようになりました。


またカップ周りの傾斜だけでなく、途中の傾斜でもラインが変わるため、どちらの傾斜に影響をより受けるか考えられるようになったのです。
つまり、転がすことで自然に傾斜を読む癖がついたのですが、その癖はパットのライン読みにとても有効になったのでした。


上げるアプローチでは、とにかくカップ周辺しか傾斜を読まないのですが、そうであればグリーン面の全体を読む力が付かず、ロングパットで予想とは反対に切れるなど、途中の傾斜を読めずに3パットしてしまうケースが多かったのです。
しかし、今は途中の傾斜もしっかり読み、どちらの傾斜に影響を受けるかと予測するようになり、ロングパットの寄せに大きく貢献できるようになりました。


さて、UTでの転がしをどんな状況で使用しているか、私なりの基準を書いてみます。


まず、もちろん球とグリーンの間が転がせる状況かという点が第一です。バンカー越えなど転がすことは無理な状況では当然に使用できません。


グリーンを外してエッジやカラーなどでカップまで距離があり、パターでも打てそうだと判断した際に、その距離が5m以上あったらUTを使います。
これは、パターだとカラー部分で勢いが削がれ、ショートしやすいためです。


カラーからカップが5m以内だとパターを使用しますが、これはそんなに強くヒットする必要がないためで、上りがきつい場合などでは短い距離でもUT使用はあります。
つまり、UTは少ない力で先まで転がるので、小さくスイングすればよく、パターだと距離を出すためには大振りする必要がある場合でも、小さな打ち方で良く、結果的に芯で打てる確率が上がるのです。


グリーン周りのエッジでラフに沈んでいる場合は、まずパターで打てるかで判断します。パターは無理だと思うならウェッジの出番ですが、パターでも無理すれば打てる状況、例えば球の位置がカラーに近い場合などは、UTを選択しても構わないと思っています。
私の場合は、イップス持ちなので積極的にエッジの深いラフでも使うようにしています。
ダフらない、トップしない安心感があるため、普段より強めにヒットすると、思ったより簡単にアプローチできるようです。


もう一つ、使用する場面は、グリーンへの花道です。
花道はほとんどが左足上がりになっていて、ウェッジ使用では刃が突っかかったり、手前をダフったりと、見た目以上の難易度が高い状況です。
ウェッジだと左足上がりでより多くのロフトが付いてしまい、大きくショートするケースもあるため、ピンに寄せるのは案外難しい状況です。


しかし、UTでの転がしは安定して打つことができ、ピンに寄るのはタッチ次第ということになります。
最近のグリーンは周囲を短く刈り込んである場合もあり、花道以外でも使用するケースは多くなります。
やや気持ち強めにヒットしてやると、斜面を転がり上り、カップに寄っていきますが、これはやはり普段の練習で距離感を養うことが必要です。


私が良くやる練習は、前の組が詰まり、ティーインググランドで待つ時間にバックティーなど使っていないティーグランドで転がす練習をすることです。
これはティーの芝の刈り高が花道と同様だという理由からで、このくらい打つとどのくらい転がるかを実感できます。


一般的にティーグランドでのウェッジを使ったアプローチの練習は、ティー面を傷つける恐れがあり、避けなければなりませんが、UTでの転がしは傷つける恐れはないのです。
青ティーなどを目標に、4~5mからUTで軽く転がす練習は、グリーン以外での転がる感覚を付けるのには最適の場所だと思っています。


もちろん、ローカルルールで禁止されていれば無理ですが、ゼネラルルールではパッティングに準じたチッピングの練習は、次のホールのティーやその周辺では許されている練習になります。


私にはもう一つ、思わぬ効果が出ています。それはウェッジを使ったアプローチで、構えたときに嫌な感覚が現れなくなったということです。
嫌な感覚が生まれれば転がせばよいという逃げがあるため、心に余裕ができたせいだと思いますが、以前のような苦しさはなくなり、ウェッジでもアプローチしようと思えるようになりました。
つまりメインは転がしですが、上げるアプローチも使えるようになり、アプローチの幅が広がったように感じます。


その自信が少しですが湧いてきたため、これまで避けてきたクラブ競技などにも出てみようと思ったのです。
まだ対外競技には出ようとは思いませんが、少しずつでも前に進めたらと思っています。