アベレージゴルファーの勘違い
ゴルフはスコアを少なくするのが目標のゲームです。一般的にアベレージゴルファーには100の壁、90の壁があると言われ、それなりの上級者になると80の壁、75の壁が出てきます。
この壁を乗り越えたゴルファーは、そのための方法をある程度掴むことができるのですが、壁を乗り越えきれないゴルファーはいろいろ悩むことになりがちです。
100が切れない、90の壁が超えれないアベレージゴルファーで多いのが、プロのようなスイングができなければ80切りのスコアは出せないと勘違いすることです。
70台のスコアもアンダーパーの70から7オーバーの79まで幅広く、上級者のアマチュアにとっては75というスコアがまた1つの壁になりがちですが、これらのスコアを出すために共通する大事なことは、アベレージゴルファーが勘違いしているようなプロのスイングではありません。
もちろんプロのスイングが出来ればできるに越したことはありませんが、それができるゴルファーならプロになれるはずですし、トップアマにもなれるはずです。
そんなスイングが出来なくても、アマチュアには多くの上級者いわゆるスコアを纏める力を持つゴルファーは存在します。
時々一緒にラウンドする「アプローチの達人」と私が勝手に呼ぶ今年70歳になる方は、元シングルプレーヤーです。
年齢の影響で飛距離が全くなくなり、一緒にラウンドする場合もゴールドティーを使用されます。
阿蘇大津GCのゴールドティーは、レギュラーティーからはほとんどが30y~50y前にありますが、1打目の球の位置はレギュラーティから打つ私の球とほぼ同じか私が前になる場合が多いのです。
普通だったら、そんな飛距離が劣るゴルファーにスコアで負けるはずないと思いがちですが、私が7Iや8Iで打つ場合でも3Wで手前から転がしてグリーンに近づけ、時にはオンする場合もあります。
外しても手前からのアプローチでピンに絡ませ、パーが狙えるゴルフをされます。
ちょうど「指宿のチャンピオン」と呼ぶ鹿児島喜入カントリーのマッチプレーで何度も優勝された方と同じゴルフを展開されているのです。
彼らに共通しているのは、飛距離がない分をカバーできるフェアウェ―ウッドの巧みな使い方とアプローチなどのショートゲームの上手さで、私などより格段に上手だということです。
以前、歌手のさとう宗幸さんは所属のクラブチャンピオンになるために練習場で毎日30yの距離を打ち続けたと言っていました。
つまり250yのショットを練習するよりも30yの距離感を養う方が、ゴルフのスコアメイクには格段に有意義だということです。
それなのに練習場で短い距離を徹底的に練習するゴルファーはそう多くは見ません。
ほとんどが練習初めにおざなりに短い距離を打って、すぐに7Iやドライバーを持ちたがります。
まるで短い距離のショット練習は、球がもったいないとでも思っているかのようです。
本来は、そこに力を入れて練習したゴルファーがスコアを縮めることができるのですが、そこをアベレージゴルファーは知らないのか無駄な練習に大事な時間を費やしてしまうようです。
ゴルフにはドラコン選手権など飛距離を求める競技もありますが、本来はスコアを争うストロークプレーが現在の主流のゲーム方式です。
であるなら、1打でもスコアを縮めるために有意義なアプローチの距離感を持てる練習をすべきではないでしょうか。
なぜ30yのアプローチ練習をするのかというと、要は距離感を養う意識を練習で持つことの大切さを会得するためです。
ドライバーショットの練習をメインにしかしないゴルファーは、距離感など養えるはずもありません。
そんなゴルファーは他人より飛べば満足であり、飛距離自慢をしたいだけなのでしょう。
しかし、ゴルフは離れた直径108ミリのカップに自分の球をできるだけ少ない打数で沈めるのが基本的なルールのゲームです。
例え300yのショットが打ててもその価値は、たった10cmのパットと同じなのです。
そういうゴルフゲームの不条理性をしっかり認識して、グリーン回りのショートゲームを練習することでリカバリー力を高めた方がスコアメイクには有益です。
繰り返しますが、スコアを縮めたいのであればショートゲームの練習をメインにすべきです。
練習場の自分の打席前の30y付近に山のように球がある状況に喜びを覚えるようになれば、きっと常時80台のスコアでは回れるようになるはずです。
そしてそれ以上のスコアを望むときに、初めてショットの質向上を図ればよいのです。