べた足打法
今日もラウンドが流れたので、テレビでゴルフ関係番組をハシゴしています。
CS放送では過去のレッスン番組が何度か流されていて、それぞれ出演のインストラクターが独自の理論でレッスンを行っています。
ゴルフの理論は万人に合うものはなく、いろいろな方法の中で自分に合ったものを探し出すのが大変だし、間違うと迷路に入ってしまうという恐れもあります。
今日見ていたレッスン番組では、「べた足打法」で飛距離を伸ばせという内容でインストラクターの指導があっていました。
アマチュアはプロゴルフツアーの中継を見たり、ゴルフ雑誌のスイング写真を見たり、最近はネット動画でトップ選手のスイングをチェックしたりして、自分のスイングの参考にしています。
しかし、ゴルフのスイング特にドライバーのスイングは、コンマ何秒という短い時間での動作であり、どうしても止まった部分(アドレスとフィニッシュ)だけの印象が残り気味です。
昨日も別のインストラクターのレッスン番組で、「手打ちしろ、ダフれ」というキーワードがありましたが、今日見た番組での「べた足打法」と共通する部分があるように感じました。
私は、最近でこそ大きくドライバーショットを曲げることは少なくなったのですが、その理由の一つは最大飛距離が落ちているからだと思います。
例えば同じ角度で飛球線がずれたとして、飛距離が出ていた頃はOBまで届いたり、OBにはならなくても林の中などへのトラブルになっていました。
しかし、飛距離が落ちた現在ではそこまで届かなくなったことが、大きなトラブルが少なくなった理由なのです。
また、以前と比べて勘違いが減ったことも大きく曲げなくなった理由の一つということは確実に言えます。
以前は、ダウンスイング中に速めに右足を蹴り上げることで強いインパクトを作り、飛距離を出していました。
そうすれば、当たった時の飛距離は当然伸びることになりますが、大きなスライス球に悩むことになり、自分はスライサーだと思って左目を狙う癖が付いてしまっています。
今日のレッスン番組では、べた足でスイングして反作用で飛距離を伸ばすというテーマでした。
つまり、昨日の別のインストラクターが言っている「手打ちスイング」と同じような意味だと感じました。
ゴルフ初心者に手打ちしろといっても、スイングができていない初心者が本当の手打ちするだけでは飛距離が出ないことは当然といえば当然です。
しかし、ある程度クラブを振れるようになった中級者では、クラブを振りすぎると球が曲がるというリスクが発生してしまいます。
右足を蹴り上げるスイングでは、腰が早く開いてしまい、その分クラブシャフトが遅れてくるのです。
そうなるとヘッドが戻り切る前に球に当たるという振り遅れになってしまうし、左肩が上がる分だけクラブフェースも開いて球に当たりやすくなります。
その結果、大きなスライス球が出てしまうという当たり前の現象が起こってしまっていました。
なぜ以前は右足を蹴り上げるスイングにしていたのかといえば、プロのスイングを真似していたからであり、プロのスイングがそうしているように勘違いしていたからです。
コンマ何秒というスイングの時間の中での右足の蹴り上げは、実際は球にコンタクトした後に行われるべきで、コンタクト前に行ってしまうと腰の開きとクラブシャフトの振り遅れを招いてしまうミスの最大の元凶なのです。
自分が手打ちでも飛距離が出るなと最初に感じたシチュエーションは、つま先下がりのライからのショットでした。
当時はドライバーショットが大きくスライスすることを予測して左目を狙って打っていたため、曲がらなかった場合は左の傾斜に打ち込むことが良くあり、セカンドではつま先下がりのライからのショットが多かったのです。
つま先下がりのライは、通常のスイングをするとスライスが出やすいライなので、どうしても大きく右に曲がってしまっていました。
以前レッスンを受けていた先生から、右足を上げるなとやかましく言われていたのを思い出し、自分の感覚では手だけのスイングで打ってみたところ、思いがけず真っすぐに飛んで行ったのです。
もちろん飛距離は短くなりますが、それは番手を上げれば良いわけで、左のラフからグリーン右手前のバンカーインというミスの方程式から抜け出せたと感じました。
最近は、つま先下がりのライからは腰を落とし、右足を上げないよう心掛けるスイングをすることで、リカバリー率が上がったような感じです。
また以前一緒に回ったレッスンプロから「フィニッシュでは右足をつま先立ちするように」とアドバイスされたため、最後のフィニッシュ時には右足をつま先立ちするように心がけていますが、スイング中は右足踵は動かさないことが優先なので、フィニッシュのつま先立ち自体はよく忘れてしまいがちです。
この結果、大きくスライスするミスが激減したのですが、これだけでスライスのミスが減ったのではないのです。
もう一つは、ダウンスイングで力を入れないことがコツでした。
このヒントは、以前同じネットサークルにいた年配の女性とよく一緒にラウンドしていて、飛距離は出ないけど曲がらないドライバーショットを見ていたことから思いつきました。
なんで曲がらないのかといろいろ考えていましたが、結局、その女性のスイングは曲がる最大の要素になる、余計なサイドスピンがかからないようなヘッドスピードだと気づいたのです。
それで練習場で打つ前に「自分は女性だ」と思って優しくスイングすることを心がけたら、思いのほか奇麗に当たって飛距離も出てしまいます。
それまでいかに力んでスイングし、スウィートスポットを外して余計なサイドスピンを発生したのかが理解出来ました。
ゴルフでのドライバーショットは、飛距離を争うものでなく、確率よく平均飛距離をそこそこに保てればよいはずです。
それまでは、280y飛ばすかOBを打つかというスイングで、それだと平均飛距離は(280y+280y)÷4打=140yになってしまいます。
であるなら200yをコンスタントに飛ばす方が、スコアは劇的に良くなるはずだと気づいたのです。
もちろんそれまでも理屈では分かっていましたが、ゴルフでは理屈で分かっていてもそれを実践できないから難しいものになってしまうというスポーツです。
誰でも刻めば悪くてもボギーで上がれる確率は高いのに、一か八かとグリーンを長いクラブで狙って、結果は池に落とすというミスをした経験はあるはずです。
つまり刻む方がスコアロスをしない確率が高いと分かっているのに、それを実践できないことが、結局は「ゴルフ知能指数の低さ」だと言えます。
「刻めばよかったのだけど、当たれば届くから。」と言い訳するようでは、いつまで経っても90や100の壁を切れないゴルファーなのです。
ゴルフが難しいのは、人間の煩悩が邪魔するようになっているわけで、飛ばしたいと思えば人は自然に力むし、球を上げたいと思えば無意識に掬い打ちになってしまい、全く反対の結果が出てしまいます。
飛距離が欲しい時は、力まないスイングが必要で、特にアゲインストの風の中でのショットでは、より強く「力まない」と念じてショットするようにしています。
どうせアゲインストで飛ばないのだからと思っていれば、結果は素直に受け入れることができるのですから。