三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

女子プロの世界は大変だ

今日からLPGAツアー「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」が埼玉県の武蔵丘ゴルフコース( 6,580Yards Par72)で開催されています。


今大会は賞金総額8千万円の3日間トーナメントですが、翌週に全米女子プロゴルフ協会の公式戦でもある「TOTOジャパンクラシック」(賞金総額が150万ドル=約1億7千万円余り)が控えるためか、賞金シードの上位にいる外国籍選手の欠場が目立ちます。


本年のLPGAツアーは、3月2日開幕のダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントから最終戦のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(11月3日~26日)まで9か月間38試合が全国各地で開催されます。


7月の第1週を除きLPGAツアーは毎週開催されていて、3日間トーナメントで金~日、4日間トーナメントで木~日が試合となり、移動日や試合開催前に行われるプロアマ・練習ラウンドを入れると、ほぼ休みなしの強行軍だと言えます。


疲労がたまりやすい秋口には、賞金ランキング上位の選手であれば出場する試合日程を調整して、上手く休養を取ることもできますが、賞金ランキング下位の選手にはそんな余裕は無く、来年度ツアーへの出場できる資格を取るために正念場を迎えている時期なのです。


2018年度のLPGAツアーに出場できる資格はいくつかありますが、現時点での主な資格は次のとおりです。


① 2017年度の賞金ランク50位以内
② LPGAツアーで30勝した者・・・永久シード(現役では不動裕理のみ)
③ 同一年で公式戦2勝の者・・・5年シード(テレサ・ルー)
④ 公式戦で優勝した者・・・3年シード(キム・ハヌル、鈴木 愛、申 ジエ、テレサ・ルー、李 知姫、畑岡 奈紗)
⑤ 賞金ランキング1位の者・・・3年シード(イ ボミ)
⑥ 主催者推薦選手
⑦ QTランキングリスト上位者


このうち②~⑥は限られた選手だけなので、ツアーに参加している選手が目標にするのが①の賞金ランキング50位以内であり、その資格が得られなかった場合はQT(クオリファイングトーナメント・・・翌年のツアーなどの出場枠内での優先順位を定める試合)を目指すことになります。


現在賞金ランキング50位にいるのが酒井美紀プロで獲得賞金額は21,076,725円になります。
来年度から賞金ランキング51位~55位までには「第2シード」としてツアー出場権を与えられるため、56位の選手と酒井プロとの賞金額の差を調べてみるとその差は342万円ほどになり、今週の大会で5位以内に入れば逆転は十分可能な金額になります。


今年のLPGAツアーは今週も含めて残り5試合ですが、その中には下位選手
では出場資格のない「TOTOジャパンクラシック」と「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」があるため、実質の残り試合はたった3試合になります。


今週の「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」終了後に賞金ランキング70位以内にいなければ、サードQTへの出場資格が得られず、10月31日から開催されるセカンドQTに出るかどうかの判断を迫られます。


つまり私が応援している小橋絵利子プロは現在14,034,833円で賞金ランキング66位にいるのですが、71位の選手とは200万円余りの差で73位までもほぼ同様の金額差なので、この辺りの選手が上位に入ればすぐに逆転されてしまう位置にいます。


小橋プロにとっては今週の大会で是が非でも予選通過して、賞金を積み上げることで賞金ランキング70位以内を確保することがまず目標なのです。


「もし」という最悪の仮定でいえば、今週の大会で賞金ランキング70位内を確保できず、セカンドQTへも出場しないとしたら、来年度のLPGAツアー(ステップアップツアーも含む)への出場権を得る方法は次の2通りしかありません。


① 残り2試合「伊藤園レディスゴルフトーナメント」及び「大王製紙エリエールレディスオープン」で賞金額を積み上げ、賞金ランキング60位内へ滑り込む。(55位内はツアー出場権、56位~60位はサードQT免除)
② この2試合のどちらかで優勝する。(1年間の出場権)


つまり、かなり厳しい条件になり、小橋プロ同様に賞金ランキング70位前後の位置にいる選手はすでにセカンドQTへのエントリーは行っているはずです。
疲労が蓄積されたこの時期に、ツアーとは異なる過酷なサバイバル戦のセカンドQT(10月31日~11月2日)でサードQTへの出場権を争うことはどの選手であっても避けたいところです。


賞金ランキング70位内という位置を巡って、テレビでは映らない、生き残りをかけた女子プロの熾烈な戦いがそこにはあるのです。