三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

危ない高速道路

 昨日の午後、岐阜県富加町の東海環状自動車道で乗用車2台が絡む事故があり、男女2人が死亡、女子高校生1人が意識不明の重体、2人が大けがをしたというニュースが流れていました。
 現場は片側1車線の対面式の高規格道路で、死亡したのは片方の車に乗っていた夫婦、大怪我を負ったのはもう片方の車の夫婦で、その娘の高校生が意識不明になっている悲惨な事故のようです。


 地方には高速道路であっても片側1車線の対面通行という形式の道路が多く、これは単に費用をケチった結果に相違ありません。
 高速道路でもこうした対面区間は70~80Kmの速度制限がかかっているものですが、一般的にはほぼ制限速度いっぱいで流れているもので、もし双方が80Kmで走行していれば時速160kmで止まった車にぶつかったと同じようなものです。


 現実として地方の高速道路は通行する車両は少なく、平日の昼間など走行する車がほとんどいないことからも、費用対効果を考えると建設するメリット自体が少ないものです。
 そうはいっても様々な理由で建設されるもので、お盆の時期や年末年始だけは普段とは逆に車が集中して混雑することが多く、そういう時期に事故が発生してしまいます。

(事故が発生した東海環状自動車道の様子。中央にはポールが立っているだけです)


 東海環状自動車道の様子を見てみると、なんとなく私が普段ゴルフのために向かう阿蘇へのルート途中にある光景と似ています。

 それは熊本環状道路の出口付近で、この辺りは高架になっていて、もし正面から対抗車が突っ込んでくれば、逃げるスペースは皆無であり、毎回ここを通る際は怖い気持ちが当然に起こります。

(熊本環状道路は、この辺りは左右の丘を繋ぐため、かなり高い位置を走っています)


 つまりどんなに用心して運転していても、対向車線から突っ込まれればアウトであり、当たり所が悪ければ、高架下に転落するリスクもあるのです。
 この区間は制限速度70kmですが、画面の前(右)方向へは出口に向かう登坂のためスピードダウンするものの、前方からは一般道路から高速に入り、下り坂でもあるため一気に加速する車もあり、通行車両も少ないため、速度超過の車が多いように感じています。


 逆に、阿蘇外輪山の下を抜ける二重峠トンネルがある阿蘇復興道路も同じ高規格道路ですが、こちらはセンター部分にコンクリートの壁が最初から最後まで続いていて、長いトンネル内でも安心感があるものです。

(こうしたセンターブロックがあれば、対向車線から突っ込まれることも少ないはずです)

(阿蘇復興道路には全長3659mの二重峠トンネルがあります)

 阿蘇復興道路の二重峠トンネル横には供用されていないトンネルがありますが、このトンネルのおかげで供用トンネル内で事故が発生した際は、避難ルートが確保できることになります。
 もし、この避難用のトンネルがなければ、二重峠トンネル内も熊本循環道路のような簡易なセンターポールなどになるはずで、それはコンクリートのセンター施設だと事故で停まった車両が動けなくなるためで、トンネル内で方向転換を可能にするためにはセンター部分を簡単に越えれる造りにする必要があるためです。


 阿蘇復興道路は、熊本地震後の特別予算で作られたもので、その意味ではこうした安全のためにも費用をかけられたのでしょうが、危険を承知で作られる高速道路はある意味「作ってやった」感が強く、地方に住むものは命と引き換えに利用するしかないのが現実です。


 今回、身近で起きた事故ではないものの、こうした危険な高速道路は至るところにあるもので、早急に安全対策を取ってほしいと思っています。
 その一つが、阿蘇復興道路のように固定式のコンクリートの壁を設置し、100m間隔で対向車線へ移動できるような移動式の壁を作ることが良いのではと思っています。
 また高架では、事故の際の緊急車両の通行確保の意味でも、路側帯をもう少し広げておくことが設計段階から必要で、熊本循環道路のように今更の対応が難しい区間では、制限速度を60km以下にすることも一考の余地があるはずです。


 今回の事故のニュースを見て、他人ごとではないと思った事故でした。