三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

一手で優勢がひっくり変わる恐ろしさ

 王将戦の第3局が昨日から始まり、今日は将棋チャンネルを午後から視聴していました。私は「観る将」なので、内容はよく分からず、テレビの画面に映るAIの評価値が頼りですが、解説のプロによると途中の実際の局面でのAI評価値ほどそこまでの差はないと言っていました。
 しかし、素人にはこの評価値だけしか優劣の判断は付かないのがプロの難解な将棋です。


 王将戦第3局の86手目渡辺王将の6四銀に対し、AIは5五歩を最善手として示していましたが、藤井竜王は4三銀と攻め合いに出ました。
 しかし、そのためAIの評価値がそれまでのほぼ互角だったものが、一気に渡辺王将に70%と振れてしまっています。


 その後は藤井竜王が攻め、渡辺王将が受ける展開が続くものの、なんとなく先手の攻めが切れそうな雰囲気になり、AI評価値も渡辺王将優位をキープしていました。


 このまま渡辺王将が第3局目にして初勝利するかと思って観ていましたが、95手目にまたターニングポイントになる局面になります。

 この局面で後手5六桂と指せば渡辺王将のAI評価値は72%と優勢を保つものでしたが、実際の指し手は7三角と角打ちでした。
 事前のAIの示す候補手には8二角も示され、その評価値は49%でしたが、5六桂以外の手は全てマイナスという評価で、渡辺王将の7三角で一気に局面は藤井竜王の59%優位に変わってしまいます。


 この後、評価値の上下はあったものの終局まで藤井竜王優位は変わらず、結果的に135手目の9六金で渡辺王将の投了となりました。
 
 解説のプロも言っていましたが、AIの評価値は途中で間違えることなく最善手を続けることが前提で、人間であれば模様でどうしても最善手を指し続けるのは難しいというものでした。
 現に藤井竜王の87手目の4三銀も当然の攻めのように思われ、5五歩など打てば桂を跳ねられ王手されるもので、私のようなヘボ将棋ではよほどのことがない限り打てないものです。


 素人は将棋の定跡を覚えれば勝てると勘違いしてしまいますが、ちょうどアベレージゴルファーがスイングを安定させれれば、好スコアが出せると錯覚するものと同様です。


 どちらも大事なものですが、それだけでは足らず、その場、その局面で正しい選択(打ち方)をしなければ、好スコアには繋がらず、将棋の定跡を覚えるのは単に将棋をやってみようとする入り口に当たり、結局は想像力・創造力という独自の研究が必要になるもので、ゴルフも同じだと思っています。


 これで一気の藤井竜王が王将位獲得に王手を掛け、渡辺王将が第4局で一矢報えるかが見どころになりますが、藤井5冠の誕生は時間の問題かもしれません。