三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

スイング理論はプロのためのもの

 今日は木曜日ですが、昨日まで3連チャンでラウンドを入れていたため当初からラウンド予定はなく、空いた日になっていたため熊本市の特定健診を入れ、午後からかかりつけ医院に行ってきました。

 初めて受けた特定健診でしたが、結果は二週間後ということで、今日は何も分からず、内容は体重測定に検尿や血液検査など一般的な項目しかなく、職場検診より簡易なものです。


 さて、この数日は熊本地方は氷点下になっていませんが、この時期は元々は気温が低く、グリーンが凍結してまともなゴルフが出来る環境ではない場合、ラウンド毎に何かテーマを決めるようにしています。
 そのテーマのヒントは、ネットの記事や動画で得るもので、良さげだと思えたものを試してみることになります。


 私は暇なときはYouTubeでいろんな動画を見ていますが、その内容はゴルフに限らず様々なジャンルにわたるものです。
 見終わったYouTubeの画面には、興味を持ったジャンルの動画が紹介されるようで、その中にはゴルフのレッスン動画もたくさんあり、時には興味を持って観てしまいます。


(視聴者が興味を持った分野の動画が表示されるようで、私の場合ゴルフ・麻雀・将棋などがよく表示されます)


 ときどき、そのお勧めの中に「スイングの秘密は」などと銘打った動画もあり、さも何か奥義があるかのようにもったいぶるものの、結局は有料のレッスン書を買わせようとしたり、メルマガ登録をさせたりするサイトも多く、「迷える子羊」ならぬ「迷えるゴルファー」を餌にしようと企むペテン師的輩がネット上に多く見受けられるものです。


 よく考えてみれば分かるのですが、1m以上の長さのドライバーを振り回して「200+α」mの距離を打ってコントロールするなどできるはずもなく、せいぜいある程度の範囲内でのコントロール性を持てる程度が関の山で、プロであってもピンポイントに打てるわけがありません。


 アベレージゴルファーのほとんどが、「上級者は狙った場所に狙った距離を打ち分けられる」と錯覚しているもので、そんなゴルファーは世界中を探しても1人もいないのですが、アマチュアの「同じスイングが再現できれば同じ結果が得られる」という勘違いに繋がり、「再現性がないから上手く打てない」と思ってショット練習に明け暮れる人は多いものです。


 ドライバーで常に正確にショットできることは無理だと思っていれば、変なサイトの謳い文句に引っ掛かることもなく、取り組む練習の内容も変わって来るはずです。
 アマチュアが錯覚し易い部分が、「こうすれば大丈夫」的なスイング理論があるという勘違いですが、そんなものはないのが現実で、真逆のスイング理論が巷に蔓延っていることがその証拠になります。


 これまでも何度も書いていますが、1ラウンドで最大でも14スイングしかしないドライバーショットの練習だけに明け暮れても、スコアが良くなるわけがないのに、巷のゴルフレッスンではドライバーショットだけを取り上げることが多く、スイングを完成させれば上達するという謳い文句がいかに嘘っぽいのかが分かります。


 先日はCS放送のゴルフ番組で、タレントの女性が100切りを目標にラウンドする様子が放送されていました。
 この女性は野球経験者で、プロ野球の試合開始前の始球式で100kmの速球を投げることで有名なタレントですが、ドライバーショットでも安定したスイングで飛距離を出していました。
 結果はレディースティーから98というスコアでしたが、彼女のショットを持ってしてみればレギュラーティーからでも十分に90切りできるもので、なぜそれが100切り目標なのかという理由はいくつかありますが、その一番大きなものが間違いなくパターの下手さでした。


 ショットだけがそこそこに良いため、パーオンやボギーオンしても、3パットや4パットを量産していてスコアが纏まりません。
 見ていると、パットの打ち方が悪く、球と一緒に身体が追いかける悪い癖があるため、正確なヒットが出来ず距離感が取りにくいもので、このタレントの練習がショット練習に偏っていることが見て取れます。


 ショットに奥義などなく、単にクラブを振ってきちんと当たれば狙った方向に飛ぶし、きちんと当たらなければ狙った方向に飛ばないという単純なもので、ヘッドスピードが上がれば飛距離が出るし上がらなければ飛距離は出ないという当たり前な話だということです。


 昨日の1人予約初心者の若者にも言いましたが、ドライバーショットでコントロールなどできるものでなく、アイアンショットではピンポイントに打てるものではないことが残念な真実です。
 上手く狙ったように打てたとしても、それは偶々で、それができると主張する人がいれば、「ではパー3はなぜホールインワンが珍しいの?ピンポイントに打てるということはカップに直接カップインすることでは?」と問いたいものです。


 そういえば極論だと言われそうですが、アベレージゴルファーの勘違いはその極論レベルとほぼ同等であり、トッププロはそのレベルに近いと勘違いしているものです。


 ドライバーショットは右にも左にも飛ぶし、その誤差の範囲をコース内もしくはフェアウェーの幅内に抑えることが上級者やプロのレベルであり、PGAツアー中継を見ていると世界のトッププロでも大きくドライバーショットをミスっている現実はあります。


 初心者の若者に最後に言ったことは、「ゴルフは確率のゲームであり、一発のナイスショットより安定した60点のショットを繋げることが重要」というものですが、果たして理解してくれたかは分かりません。
 実際にも60点のショットが繋げられるなら、パーはどうにか取れるもので、最終的なスコアはパット力にかかって来ます。


 その意味でもパット力の向上はショット力以上に重要ですが、その大事なパット練習をスタート前の2~3分だけ簡単に転がしているようでは、上達はおぼつかないものです。
 大半のアマチュアゴルファーが先ほどの女性タレント同様にカップ方向に上体が球を追いかけるような打ち方をしているもので、これは本能として当然の動きですが、その本能の動きを封じ込めてしまうには、しっかりした意識の下での練習の繰り返ししかないものです。


 ゴルフで唯一、方向と距離を合わせやすいのはパットですが、グリーンの速さや傾斜も様々で、そこで距離・方向を正しく合わせてカップインさせるのは至難の業だということです。
 「パットに形無し」と言われるように、ルールに抵触しなければどんな打ち方でも許容されるものですが、だからこそ失敗の要素を潰す訓練が必要になるものです。


 アベレージゴルファー自身が「ゴルフはショット力だ」と勘違いしている現状では、パットの打ち方という地味なレッスンではお金にならないはずで、顧客が要求するショット力向上を謳うレッスンが多くなることは否めないものです。


 結局は、ずっとスコアを纏められないゴルファーが多い方が顧客を失わないため都合よく、ゴルフ関連マスコミも間違った方向にミスリードすることが限られたゴルフ人口の中で生き残る術だというものです。 


 ただし最近の米国PGAツアーなどでは、パットの重要性よりもショットそれもドライバーや長い距離を正確に打てるロングゲームの重要性が認識されています。
 それはパット力のあるプロにとっては、どれだけバーディーチャンスを作れるかという当たり前のことからですが、基礎になるパット力がないアマチュアがそれを目指しても意味がないものです。


 まずパット力を磨き、そのうえでショット力を磨く方が自然の流れだし、80台のスコアで満足できるアベレージゴルファーであれば、寄せ1を増やすためにはパットの練習は必須だということです。