三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

アベレージゴルファーの勘違い

  今日も朝から箱根駅伝の復路を見ていましたが、昨日は予想外の青山学院の強さに驚いてしまいます。
 往路5人の選手の中に2人の1年生が入り、それぞれ好走することで往路優勝を決めてしまいました。
 3位駒大との差は3分28秒あり、さすがに逆転の駒沢であっても選手層の厚い青学の壁は今年は無理だと思っていましたが、結果はやはり青学の圧勝でした。
 
 青学の特徴は、絶対的なエースはいないものの、控えの選手を含む選手たちのレベルの高さであり、粒のそろった選手たちの力をいかんなく発揮させた監督の手腕だと思っています。


 ゴルフも同様で、自分という監督が14本のクラブをそのクラブの特性に合った場面で上手く使用してラウンドできれば、結果は好スコアに繋がるものです。
 一発の飛距離は必要なく、安定したドライバーショットがあればスコアは纏まるもので、ほとんどのアマチュアゴルファーが飛距離アップの練習だけしているうちは、スコアを安定させるのは難しいものです。


 さて、今日もアマチュアゴルファーが勘違いしやすい、巷で言われているゴルフの常識を取り上げてみます。


 よく1人予約の同伴者から聞く言葉が、「スイングがまだ固まっていないので、ショットが安定しない」という趣旨の弁明です。
 この「スイングが固まる」とはどんな意味合いなのでしょうか?


 予想するに、「常に同じスイングが出来れば、同じ結果が得られるという勘違い」で、そこには球のライやスタンスの傾斜の違いなどが加味されていません。
 練習場のような平坦な場所からのショットであれば、機械のように同じスイングをすることで好ショットが可能ですし、得られる結果も同じようなものです。


 しかし、様々な傾斜地からのショットを強いられるゴルフでは、同じスイングが出来たとしても同じ結果を得られるものではなく、それはよく考えてみれば分かるものです。

       

 一例として「つま先上がり」のライで平坦な場所と同じスイングをしたとすると、間違いなくダフるはずで、これは球が平坦なライより高い位置にあり身体に近いという理由からですが、スイングを固めてしまえば対応できなくなってしまいます。

        

 反対につま先下がりのライであれば、通常の固めたスイングしかできないとすれば、間違いなく空振りかトップ球がせいぜいな結果のはずです。
 要は、「スイングを固める」という表現が間違っているのであり、スイングは臨機応変に変えなければならないもので、極端な話、コースでは一度として同じスイングでは打てないものだと思っている方が間違いないものです。


 これも同伴者からよく聞くワードですが、「ダウンブローで打てない」という自嘲気味な呟きですが、何が何でもダウンブローで打つことなど必要ないものです。
 ハンドファーストに構えれば嫌でもダウンブローになるもので、場合によってはハンドレートで打つ場合もあり、その時はダウンブローにはなるはずはありません。

     

 上の画像は、これまで何度か紹介したタイガー・ウッズが行うバンカーショットの練習風景の一コマです。
 これはハンドレートで打つバリエーションで、この時は様々なパターンでいろんな打ち方を練習していました。
 この画像だけを見て「バンカーはこう打つべき」と短絡的に思うのではなく、こんな打ち方もあるという程度のもので、状況に応じて様々なスイングをトッププロはやっていることを紹介するための画像です。


 要は、まず自分が得たい結果を考え、その中で一番それを成功する確率が高い打ち方を選択をするもので、上級者ほどその選択の幅が多く、的確にチョイスできるものです。
 残り100yのシチュエーションであっても、風の向き、ライの状況、高低差など諸々な条件は異なるもので、グリーンの形状・ピンの位置・バンカーやPEの位置などにより、その日のショットの調子を合わせた打ち方を選択することになりますし、精神状態でも大きく変わるものです。


 私は100y=52度の距離ですが、残り100yだから常に52度という選択でなく、PWでしっかりヒットしてフォローを取らないで打つとか、9鉄でランを出すハーフショットで花道から転がすなど、その置かれた状況によって打ち方も使うクラブも変えるもので、そのためには「固まったスイング」では困るのです。


 ただし、いくつもある選択肢から、最後に残るものはより簡単な方法が多いのですが、それは思うように身体を動かせない私の未熟さを認識しているためで、最悪な結果だけは避けたいと考えるマネジメントがベースになります。


 以前、プロがレッスン生の1人に対し、「上りのアプローチを高く上げて寄せ、下りのアプローチをランニングで寄せる人がいる」とセオリーとは真逆の方法を使うことを笑い話にしていましたが、これで常にきちんと寄せれるのであれば何の問題もないはずです。


 しかし、確率の問題で、プロが指摘するのはその時は上手く行っても何十回と同じようにチャレンジして、果たしてどちらが好結果を多く出せるかという意味で、そこにはセオリーという確率的な考え方があるもので、偶々ではなく常に寄せきることが求められるものだから、このレッスン生の選択が笑い話になるものです。


 つま先上がりではフェースを開きインサイドインに振る、逆につま先下がりではフェースを閉じアウトサイドアウトに振るものですが、身体の使い方もそれぞれ違い、ヘッドの入れ方も変わってくるものです。


 コースはこうした傾斜が複合しているもので、一つとして同じようにスイングできるものではないので、スイングを固めてしまうと、こうした臨機応変なスイングはできないことになり、「スイングを固める=失敗を生む」ための練習だとしか言えないものです。


 ゴルフで使う言葉では明らかに嘘があり、例えば「ドライバーからパターまで同じスイング」などできるわけないのに、そう表現する人もいます。
 これは「同じリズムで」という大事な部分が抜け落ちたものであり、初心者を勘違いさせる言葉になります。


 それと同じで「スイングを固める」という目標も、本来は間違った目標になるもので、様々なショットに対し身体が自然と反応することが、本来目標とするべきことです。
 つまりプロなど上級者は、意識せずにその場面にあった態勢や打ち方を選択できるもので、だからこそ「同じ」という表現になってしまうのでしょう。