三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

「流離のゴルファー」のゴルフ

 5日に「流離のゴルファー」に誘われて南阿蘇CCに行きましたが、1か月ぶりに彼のゴルフを間近で観察できました。
 「流離のゴルファー」は首都圏で歯科医院を開業していた元歯科医ですが、10年前に医院を畳み、全ての財産を処分して家族とも縁を切り、その後は日本全国の流浪の旅に出たという俗にいう「変人」です。


 全国を旅した経験から熊本の南阿蘇村が気に入り、5年前にネットで見つけた別荘を自宅として購入していて、住民登録も必要な時期だけ行い、それ以外は住所不定にしていると言うほど、かなり特殊な考え方をされています。
 ただ「変人」とはいっても、他人との繋がりを拒否するのではなく、どちらかと言えば誰とでも仲良くなる性格で、全国のいろんな場所に出没してたくさんの知人を作っているようです。


 現に私が今年は北海道の新得町にしばらく滞在することを報告したら、帯広の北にある上士幌町の寿司屋の大将がゴルフ好きで、連絡するといつでも一緒にラウンドできると教えてもらいました。


 3年前に一緒に道北から帯広まで道内を別々に2台の車で移動し案内してもらいましたが、阿寒のアイヌコタンの小さなお土産店で、そこの店番のおばちゃんと親しげに「また来た」と話していたり、北海道クラッシックGC帯広のキャディーさんがキャディーバッグを見て「あの人だ!」と囁きあっているのを耳にしたりと、その行動力の広さに驚いたこともありました。


 そんな人ですが、改めて年齢を確認したら、もう75歳になったそうです。「流離のゴルファー」は小柄ですが、彼によると「生き残るのは小柄な人間で、あなたのような図体が大きい生物は長生きしない」と言われたこともあります。


 ゴルフは「鉄人」と同じようにレギュラーティーからプレーされていて、飛距離はそう出ないものの時折はナイスショットをされていました。
 南阿蘇のようなトリッキーなコースは、飛ばない=パーオンできないことが良い方向に働きます。

(「流離のゴルファー」の格好は独特で、麦藁帽子を愛用し、お手製の変わったマスクを嵌めていて、その風貌だけでも特徴ですぐに判別できるものです)


 ゴルフの内容自体は「アプローチの達人」と同様ですが、達人と異なるのはその正確性です。
 ゴルフは独特の理論を持っていて、アドレスも最初に見ると驚くような構えをされ、上の画像のパットでもL字パターを使って球の下を打ってわざと転がらないように打っていましたが、これでは転がりが悪くてカップインは望め薄なのです。


 そのため「流離のゴルファー」は寄せ1のパーが途中までなかなか取れずでしたが、難しい上がりの3ホールで16番パー4では40yほどをチップインさせるバーディーとして、17番パー5と18番パー4はそれぞれボギーにまとめていました。


 もう一人の同伴者が大きくスコアを崩したのは、飛ぶことでグリーンを狙って罠にハマるというものであり、反対に達人同様に「飛ばないという欠点」がコースの罠を回避するという利点になっていたのです。


 つまり、飛距離が出ないことは欠点ではなく、見方によっては利点になるわけで、正確なショットが出来なければ飛ぶよりも飛ばない方がスコアメイクにはずっと有効なのです。
 「流離のゴルファー」は今でもカートに乗ろうとせず、可能な限りはコースを走るというゴルフをされていて、その元気さに改めて感心したところです。


 ただゴルフでの欠点は「ゴーイングマイウェー」的な部分があり、なかなか息を合わせたプレーをされないため、同伴者はリズムが作れないという面もあります。
 そこをもう少し配慮してくれたら、良いゴルフ仲間になるのですが、そこはドクターという経歴からの職業病的な部分かもしれません。