三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

90切りが出来ない理由

 いわゆる100切りできないゴルファーは、ある統計(参考GDO)によれば「平均スコアが100切りできない割合は約7割で、そのうちゴルフ経験10年未満のゴルファーでは約8割以上が100切りできない」というデータが出ているそうです。


 このデータでは「平均スコア」なので、時々は100切りできるけど100叩きも多いという内容ですが、平均スコア90の壁はもっと高いようで、同じデーターでは平均スコアが80台のゴルファーは3割以下だという数字も出ています。
 もっともこの数字は、スコアを管理しているような熱心なゴルファーを対象にしているため、現実にはもっと割合は下がるだろうと分析されています。


 昨日の菊池でご一緒したゴルファーのお一人は、これまで90を切ったことがないと言っていて「一度80台のスコアを出したい!」と言っていました。
 練習場にも熱心に通っているようで、ドライバーショットは当たれば私より飛ぶというレベルでした。


 6番パー4は、私にとって苦手なホールの1つですが、ここでは私や同伴の前半の12番パー5で2オンした70歳代の方(同じティー使用です)より遠くに飛んでいました。
 その方のセカンドはグリーン左に飛んで、70歳代の方とほぼ同じような平坦で打ち上げになりますが、グリーンは受けている寄せ易い場所だったのです。
 70歳代の方は最初にアプローチして1mに付けましたが、その方はざっくりし、再度のアプローチもざっくりしてエッジに止まり、そこからパターで2mオーバーし、返しは下りで止まらず3パットして、結果ダブルパーにしていました。


 70歳代の方はパーセーブでしたが、ここに90が切れない原因がまずありました。二度のザックリの後に、エッジからパターで寄せましたが、無造作に打ってしまったのです。
 本人は自分のプレーで時間がかかり、急いだつもりでしょうが、この無造作なプレーが実は余計に時間を取ってしまうし、無駄なスコアロスに繋がっているのです。
 こうした無造作なプレーはやりがちではありますが、もう少し気を落ち着かせ、ラインを読んでエッジから3mほどのパットに挑んでいれば、そこから2打では終えるはずで、もしかしたらチップインもあるかもしれません。
 結局、悪くても6打で終えるところを2打もロスしていました。


 アプローチのザックリは、上級者でも起こしがちのミスであり、それは今後の課題として練習すればよいだけですが、こうした無造作なプレーをしているうちは、90切りなんて夢のまた夢になるのです。
 
 スコアは積み重ねなので、バーディーパットの1打もダボパットの1打も同等の価値があることを、この方は認識していないようでした。


 その方は菊池が2回目それも10日の日曜日に来たばかりということでしたが、コースを記憶しておらず、私にティーショットの際に狙い目を何度か尋ねてきます。
 コースが曲がっている場所では、必ずショートカットする方向を尋ねるのです。ご自分のドライバーショットの飛距離と方向性に自信があるのか分かりませんが、なぜか打ったらトラブルになるようなショートカットの方向を意識するようで、これが間違いだと思いました。


 レギュラーティーからであれば、パー4はセンターに打っていれば、どんなに残ってもセカンドは200y以内です。普通は150y程度で、場合によっては100yというケースも多いのですが、この方にはホールへ1打目で近づかせたいという意識が常にあったのです。
 結果、ドックレッグホールで打ってはいけない方向に打ってOBを打っていて、そうした無駄なスコアロスを出して昨日は100叩きでした。


 なぜ見えているコース方向を狙わないのかという素朴な疑問がありましたが、そこに90切りや100切りできないゴルファーの勘違いというか願望があるようです。
 つまり、ドライバーショットでできるだけグリーンに近づけたいという意識で、ドックレッグホールでは、ショートカットのルートに打つことがナイスショットだという思い込みです。


 もう一つ、感じたことが、コースへの思い上がりです。


 16番パー4は300yを切る短いホールですが、セカンドが極端な打ち上げになり、グリーンは横幅のある左右に二段グリーンで、奥行が狭く、奥からでは止まらないほどの傾斜が
ある難しいホールですが、その方はティーイングエリアで「サービスホールだ!」と言ったのです。


 「距離が短い=簡単=サービスホール」という考えでしょうが、本当は「距離がない=罠がある」ことがほとんどで、16番の場合はセカンドの打ち上げで距離が合いにくい、グリーンの奥行がない、奥からメチャ速いといういろんな罠が隠されています。


 この方の16番はフェアウェーから奥にオーバーし、アプローチはショートし、エッジからのパターは傾斜で止まらず、ファーストパットはショートし、ダボパットも外すトリプルでした。
 どこにもサービスホールというティーショット前に言い放った部分はなかったのです。


 これらのことから、100切りや90切りのゴルファーに共通してあることが「距離」への勘違いです。
 「距離が長い=難しい」という先入観が頭の中にあり、だから1打目で余計に距離を稼ぐ意識で無謀なコース取りを考え、ティーショットを狙うのです。
 もしそれが成功しても、現実はショートゲーム力がないため、アプローチやパットで失敗し、結果的にはティーからのナイスショットを生かせないことになります。


 練習場で、長いクラブを振り回し、ナイスショットが打てるようになったからスコアは纏まるという勘違いがあるから、練習熱心なのに100切り・90切りが出来ないゴルファーが数多くいるという現実があるのです。
 飛距離を謳い文句にするゴルフメーカーの間違った宣伝に乗せられた不幸なゴルファーなのでしょう。


 パー72というスコアの半分はパット数だということは誰でも知っていますが、そのパットの練習はスタート前に練習グリーンで2~3分だけ球を適当に転がしただけでスタートするゴルファーが数多く見かけられます。
 「パットなんて簡単」という意識からグリーン上の練習はほとんどせず、「距離を稼ぐドライバーが難しい」と思っているからショット練習には時間を割くという図式ですが、スコア構成をもっと考えてみてと言いたいのです。


 こうした間違えた考えを正すことが、スコアアップのための第一歩ですが、それを分かっていても実践しないから、いつまで経っても90切りはおろか100叩きをしてしまうのです。
 分かっていても実践できていないゴルファーが多く、それを実践できるゴルファーのみが90切り・80切りの仲間入りへの門を叩くことができるというだけです。